コラム

 公開日: 2016-09-16  最終更新日: 2016-09-19

欲しい子供は何人?「理想」「現実」ともに減少 ~出生動向基本調査 2015を考える~

 国立社会保障・人口問題研究所が5年に一度おこなっている「出生動向基本調査」(2015年)が発表されました。
http://www.ipss.go.jp/ps-doukou/j/doukou15/doukou15_gaiyo.asp

 この調査結果によると、「夫婦が望む理想の子ども数の平均」は2.32人、「現実に予定している子ども数」は2.01人、そして実際の出生数は1.94人。どの数字も調査が始まった1977年以来、最低の数字となりました。

母と子

減少する「理想の子どもの数」、産めない理由は

 この調査でまず気になることは、「理想の子どもの数」は本当に「理想」なのか、と言う点。それぞれの夫婦が、自分たちの幸福を考えて決めた「理想の子ども数」であれば良いのですが、調査のたびに理想の人数が下がっていくのを見ると、「理想の人数」を押し下げる要因が何かあるのではないかと感じます。これを解決しなければ、本当の理想の人数を描くことが出来ません。
 
 次に気になるのは理想の人数を産めない理由。この理由は、「子育てや教育にお金がかかりすぎる」(56・3%)や「高年齢で産むのはいやだ」(39・8%)となっていますが、私は特に2番目の理由「高年齢で~」が気になります。

理想の子どもの数を産むなら第一子は32歳、将来の昇進に影響が

 理想の子ども数2.32人を産むために逆算すると、第二子は35歳くらいで産むことになります。この年齢なら第三子を検討することが出来ると思われるからです。第二子が35歳なら第一子は32歳、結婚は30歳と言った感じでしょうか。

 30歳で結婚するなら28歳には結婚を前提にお付き合いをしている男性がいたほうがいい。26歳くらいで出会って交際がスタート。だいたい、このような「スケジュール」になりそうです。

小さな家

 でも、この辺の年齢は仕事のキャリア形成にも重要な時期。日本の多くの企業の人事考課制度だと、この時期にいろいろな仕事の経験を積んで、かつ同期入社の他の社員から遅れを取ることなくキャリアアップをしないと、将来の昇進・昇給が難しくなってしまう。

 女性にとって、25~35歳の期間に結婚・妊娠・出産などで仕事に制限ができてしまうと、将来的にとても不利になってしまうのです。当然、結婚も出産も先送りになってしまいがちです。

理想の家庭を手にするためには、人事制度改革が必要

 今の日本の企業では、女性にとって「理想の人数の子どもを産む」ことと「管理職レベルまで昇格すること」の両立は、構造的にとても難しい。これを打開するためには、産休・育休・時短などで、キャリアアップのペースが一時的に下がっても、昇進昇格のレールから完全に外されることなく、いつでも又同じレールに戻れるような人事制度がなければなりません。

働く女性1

 現代の企業では、多くの人が23歳くらいから働き始めて65歳まで働く。この期間の前半部分に「出産期」があるわけです。この前半でレールから外れてしまったら、そのあと最後までレールに戻ることができないようでは、「理想の子ども数」を産める女性などいないでしょう。

 企業が変わらなければ、女性も男性も、理想の家庭を手に入れることはできない。企業の女性活躍推進は、夫婦が理想の家族を手に入れるためにも、本当に必要なことだと感じています。

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