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建築家の家がやっぱり面白い。これからはそんな時代です(1/3)

前田 慶史

建築家・前田慶史の原点

 東京都板橋区生まれの前田さんは幼少期を香川県高松市で過ごしました。「父親が電気工事の仕事をしていまして、仕事場はいわゆる建築現場だったわけです。父に「お前も手伝いに来い」と言われて、電線を一緒に持ったり、引っ張ったりしていたんです。小学校高学年頃ですね。僕もまんざらではなかったんですけど、ただ、建築現場にしょっちゅう行くわけで、どういうわけか、親父の仕事より建築の方に興味が出てきてしまって」(笑)
 頭の中に描いた夢が図面になり、実際の建物として実現する。建ち上がる瞬間の感動がたまらない。だから、現場が大好きだという前田さんは、その後、地元高松の高校を卒業後に上京。武蔵野美術大学造形学部建築学科に入学します。「大学の建築学科は工学部にしかないと思っていたんですが、僕の考える建築設計という仕事は、当時から芸術分野の要素が強いと思っていました」と話す前田さん。なるほど、仕事場も自由が丘というおしゃれな場所にあり、合理的で機能的、どこかモダンです。
 前田さんの建築設計の原点は、二人の絵画の巨匠、パウル・クレーとピエト・モンドリアン。「彼らのことならいくらでも語れますよ」という前田さんが、仕事場の本棚からおもむろに取り出したのはまず『パウル・クレー手稿 造形理論ノート』の本。中学時代、美術の教科書で見て惚れ込んだといいます。前田さんによれば、パウル・クレーはスイス出身の画家で美術理論家。20世紀初頭、ドイツの美術学校バウハウス(Bauhaus)で教鞭を取っていた人だそうです。  
 「例えば、形を表現するのに、彼は自分なりの法則をつくったりするわけです。ちょっとランダムな形というのを、自分なりの規則にあてはめて、その中にテーマを入れて絵画にしている。僕はとても建築っぽいと思っているんですよ」。一方、ピエト・モンドリアンは、19世紀末~20世紀のオランダ出身の画家。本格的な抽象絵画を描いた最初期の画家とされ、グリッド(枠)を強調した色の構成が素晴らしいと前田さん。「彼なりの計算だと思うんですが、すごくお洒落で洗練されたものに仕上げていくのが、パウル・クレーとはちょっと違うところです。今、設計中のもので取り入れたものもあります」。二人の画家は前田さんのひらめきの原点になっているのです。

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