コラム

 公開日: 2016-04-14 

ビジネスはたった2つのことから成り立っている

ビジネスを構成する2つの要素


どんな種類のビジネスをしていようが、ビジネスを構成する要素は、煎じ詰めれば2つしかありません。


① 優れた商品・サービスを生み出すこと
② その商品・サービスの価値を相手に伝えること


いい商品やサービスを作り出すことには、どんな経営者でも心血を注いでいるはずです。


しかし、どんなにいい商品やサービスでも、その「よさ」が相手に伝わらなければ売れることはありません。


「そんなこと当たり前のことだ!」と反論したくなることでしょう。


でも業績が悪化した企業をいくつも見ていると、おおよそ3:1くらいの割合で、「伝える」方に問題があるのです。


もちろん商品やサービス自体に問題を抱えているケースもありますが、ほとんどの会社は真剣にモノづくりをしています。


伝え方に問題がある場合、さらにその原因は2つに分かれます。


① 価値を伝えること自体をほとんどしていない
② 価値を伝える努力はしているが、スペックなどの情報を伝えるだけで留まっている


特に古いタイプの経営者は、いいものさえ作れば結果はついてくると考えている人が多いので、商品開発には力を注ぐけれど、伝える努力をほとんどしていないという方が多い。


たしかに、一昔前はそれでよかった時代もありました。


しかし、今のように情報が氾濫している社会では、きちんと伝える努力をしないと、商品・サービスのよさは一向に伝わりません。


よさが伝わらなければ、価格競争に巻き込まれるか、そもそも買ってもらえないかという結果にしかなりません。


だからといって、機能の優位性やバリュー・フォア・マネーのアピールなどの情報提供をするだけでは十分ではありません。


同時に、その企業なり経営者自身が持っている自社の商品・サービスに対する「思い」を伝えることが不可欠です。


つまり、これからの時代、できる経営者とは合理性や効率性一辺倒ではダメで、感情のコミュニケーション力の高さが求められています。


感情のコミュニケーション力は、その人の感性に比例します。


では、感性を磨くためにはどうしたらよいのでしょうか。


日常の生活において、新たな経験を積極的にすることで、「こういうのって素晴らしい」とか「なんだかいいよね」という感覚を刺激することが、感情のコミュニケーション力を高めるためには絶対に必要になります。


一流の仕事や大自然に触れることは、最も実行しやすい方法です。


例えば、食事は栄養補給が目的だから「早い・安い・そこそこ旨い」で十分だという合理主義精神に貫かれたポリシーを持っている方がいますが、たまには投資と考えて、一流の寿司屋やレストランへ足を運ぶことは無駄ではないはずです。


また受身な態度で感じるだけではなく、能動的に自ら「こだわり」をもって手を動かすことも大切です。


例えば、コーヒー好きを自称しながら缶コーヒーを飲んでいるのは論外として、専門店で出されるコーヒーを賞味しているだけではなく、自分で旨い一杯をいれてみてはどうでしょう。


豆の種類と焙煎の深さを変え、手回しのミルで丁寧に豆を挽き、ネルドリップで丹念に抽出をするという手間をかけていれた一杯の珈琲を味わう素晴らしさを知ることは、ビジネスシーンにおいても必ず役に立ちます。


なぜなら、人は頭で納得しても、感情が動かなければ、その商品・サービスを購入しようとは思わないからです。

「愛している」ことを伝えられる社長は仕事もできる


実は、経営と男女関係の本質は、非常に似通ったところがあります。


前項で述べましたが、経営としてすべきことは2つです。


「いい商品・サービスを作り出すこと」と「その価値を伝えること」です。


この2つがきちんとできていれば、会社の業績はよくなるし、働いている社員の満足度もあがります。


同様に、男女関係も大切なことは2つしかありません。


「愛していること」と「愛していると伝えること」の2つです。


男はよく、「いまさら好きなんて言わなくてもわかるだろう」とか「愛しているなんて軽々しく口にすべきではない」などと言います。


一方で、「わたしのことを愛している?」という問いかけを好んでする女性がたくさんいます。


この発言からわかることは、男性は相手を「愛している」という本質を重視し、女性はそれがきちんと「伝わること」を重視している違いがあるということです。


でも、本当はどちらも同じくらい大切なはずです。


けれど、もしどちらかをより意識しなければならないとしたら、伝える努力の方だと思います。


男女間の痴話喧嘩で、相手に対して愛情がまったくないことは、ほとんどありえないはずです。


本当は相手を大事に思っているし、大好きだけど、そうした思いが相手に伝わっていないことが、もめ事をさらに深刻にしてしまっていることが多いのです。


武士(もののふ)たる日本男児として、「おとこは黙って〇ッポロビール」的な気概をいつまでも大事にしている場合ではありません。


いまここで、「愛していること」と「愛していることを相手につたえる」ことは、まったく別のものであることを、はっきり自覚する必要があります。


ところが、ここからさらに厄介な話になります。


相手に愛していることを伝えたい場合、言葉で「愛している」と言っても、本当の気持ちは伝わらないのです。


商品の宣伝で、こんな優れています、こういう便利な点があります、とその商品の機能や美点を並べ立てても、それだけでは生活者の心をつかめないのと同じように、愛を伝える場合も、相手の感情を刺激する方法で行わなければ効果は薄い。


ちなみに、女性は男性から花を贈られると、80%以上が「嬉しい」と感じるという調査結果があります。


そういう意味で、女性に花を贈ることができる経営者は、愛していること以上に愛していることを伝えることの重要さを知ると同時に、愛を語るということは、ときに愛を語らないことであることを知っているがゆえに、優れた感情コミュニケーション力を持っていると言えます。


会社では自社の商品やサービスへの「思い」を「伝える」ことに日々努力しているのに、人生においては、一番身近な人に「思い」を「伝える」努力ができていない社長は、案外多いのではないでしょうか。


どうも女性に愛を伝えることは、自社の商品のよさを伝えることより難しいと言えそうです。


だからこそ、女性にきちんと愛を伝えられる社長は、きっとできる経営者なのです。


先ずは、今日帰りがけに、花を買って帰ってはどうでしょうか。

清水 泰志

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