コラム

 公開日: 2016-06-22  最終更新日: 2016-07-11

クロワッサンをネタに・・・心に響く「言葉がけ」とは(後編)

職場において「発想の変換」をうまく利用すると、言葉がけの改善にもつながり、不満を持っている社員を動機づけたり、引っ込み思案の社員の背中をポンと押すことができます。つまり、組織の活性化や社員の教育に役立てることができるのです。

例えば、企画の仕事をしたいと思っているのに、「営業の現場で働かされている」とモチベーションが下がっている社員をよく見かけます。このような社員へ、上司がどのように言葉がけをすると有効であるかを考えてみましょう。

“状況”の変換=ボタンを掛け違えているケース


「営業で成果を出せないやつが、企画に行って成果が出せるわけないだろ!」

このような言い方をする管理者をよく見かけます。営業の場面(状況)と、企画の場面(状況)を平行移動して変換しているのです。
たしかに一理あるとは思いますが、「自分には企画の才能がある」と思い込んでいる社員にとっては、まったく心に響かないでしょう。もしかすると、本当に企画の才能が隠れているかもしれません。
いずれにせよ、イソップ童話のように「北風が旅人にビュービューと吹き付けている様」を彷彿とさせます。

●管理者→営業でダメなら、企画でもダメ(一事が万事)
●本人  →営業でダメでも、企画ならOKかも(適材適所)

“行動”の変換=ゴールが不鮮明なケース


「今は修行の身と思って、まずは営業を一生懸命に頑張れ!」

どんな分野でも修行は必要であり、これを拒否する人は成長を見込めないでしょう。ただ、昔のように「修行をするのは当然。だから、今は何も言わずに黙々と励め!」という言葉がけでは、相手のモチベーションアップは望めません。
たしかに「営業活動に打ち込め」という行動そのものは明確ですので、「行動の変換」は成功しているように見えますが、「どのくらいの期間をかけて」「どのくらいの労力をかけて」「その結果、何が得られるか」・・・要は、5W1Hが見えてこないのです。
イソップ童話でいえば、風が止みかけて何となく日が差してきそうだけど、まだコートを脱ぐほどではない、といった中途半端な状況です。

●管理者→修行中は文句を言わずに、とにかくやれ!
●本人  →修行はするけど、した先は本当にいいことあるの?

“次元”の変換=ゴール(目指すレベル)・ビジョン(ゴールに到達した時の望ましい姿)の明示


「営業の現場でお客様の声を集めることによって、企画に役立つもの、見えてくるものはあるよ」

やはり、お勧めしたいのは「“次元”の変換」で、ややもすると「カッコいい企画の仕事に就くことがゴール」と潜在的に思っている社員に対して、「営業は企画の仕事を効果的に進めるための準備であり、通過点」と気づかせることが大切です。
すなわち、その社員に対して「そもそも、あなたはどうありたいのか」「どんな気持ちで今の仕事を始めたのか」と、あらためてゴールを考えさせ、ビジョン(将来のあるべき姿)を鮮明にする機会にしていただきたいのです。

なぜ、企画の仕事を志したのか・・・カッコいいから? 世の中に新たな価値を生み出したいから?
カッコだけを求めるなら、たとえ企画部に配属されても成果が出せず、夢見ているような人生にはならないでしょう。
新たな価値を生み出したいなら、上っ面の企画アイデアではなく、地に足の着いた“お客様からの声”を活かすというスタンスが“急がば回れ”で効果的でしょう。

●管理者→価値のある仕事、納得できる自分を目ざそうよ!
●本人  →今までカッコよさに目が行って、本当になりたい自分に気づいていなかったかも

もっと高い次元を目ざすべき自分(本来目ざしていた次元を忘れていた自分)に気づかせてくれた相手に対し、おそらく信頼の念や尊敬の念を抱くのではないでしょうか。
また、そうなるような人間関係づくりを、組織の中で管理職クラスの方々には意識していただきたいのです。

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