コラム

 公開日: 2018-01-11 

配偶者控除とその変更点

こんにちは。
練馬区の行政書士・ファイナンシャルプランナー上野誠です。

今日は今年から制度変更される「配偶者控除」のお話しをします。
ポイントは世帯主の年収(厳密には所得)が配偶者控除の金額に影響する部分が大きいということです。

配偶者控除の概要

そもそも配偶者控除とはどんな制度なのでしょうか?
まずは国税庁のホームページ記載されている配偶者控除の概要を確認しましょう。

  「納税者に所得税法上の控除対象配偶者がいる場合には、一定の金額の所得控除が受けられます。
  これを配偶者控除といいます。」
  (国税庁ホームページタックスアンサーNo.1191 配偶者控除「配偶者控除の概要」より引用)

この説明だけだと今一つピンとこないかもしれませんよね。
一つの例としてご主人がサラリーマンで家計のメインの収入を得ていて奥様がパートタイマーで収入を得ていると考えてください。
というのも、もともとこの配偶者控除は歴史的に奥様を家庭におくことにウエイトをおいてできた制度という指摘があります。
したがって今回はこの例でお話ししていくことにします。

ご主人が会社からお給料をもらっている場合、所得税などを引かれてお給料をもらうわけで当然税金を納めていますから「納税者」です。
この「納税者」に「所得税法上の控除対象配偶者」という一定の要件を満たす奥様がいる場合、その「納税者」つまりご主人の所得から所得控除として一定の金額を差し引くことができるという制度です。
結果として所得税額が小さくなることがあるというわけです。
そしてこの「所得税法上の控除対象配偶者」という一定の要件の中に、一般にパートタイマーなどの方がよく言われる「いくらまで働くといいのか」という質問にかかるパートタイマーの妻の年収問題の一つが出てきます。
その確認の意味でも「控除対象配偶者」の要件を確認してみましょう。

この「控除対象配偶者」の要件は4つです。
これも先ほどの国税庁のホームページから引用します。

  「①民法の規定による配偶者であること(内縁関係の人は該当しません。)。
   ②納税者と生計を一にしていること。
   ③年間の合計所得金額が38万円以下であること。
    (給与のみの場合は給与収入が103万円以下)
   ④青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないこと
    又は白色申告者の事業専従者でないこと。」
   (国税庁ホームページタックスアンサーNo.1191 配偶者控除「控除対象配偶者となる人の範囲」
    より引用)

この要件のうち③がいままで「103万円の壁」といわれてきたものです。
給与収入のみで103万円の方の給与所得は38万円になります。
これは給与収入から給与所得控除という控除を差し引いた給与所得が課税対象になってくるからです。
ちなみに給与収入103万円の方の給与所得控除は65万円となりますので
103万円-65万円=38万円となります。

このように収入と所得は違う意味合いになります。
この点についてはいわゆる「手取り収入」とか「可処分所得」の話ともかかわってきます。
当事務所のホームページでお話ししていますのであわせてお読みいただければ幸いです。
「可処分所得」って何?
所得控除と可処分所得

配偶者控除の何が変わったのか?

さて実は配偶者控除の要件そのものは去年までと変わりません。
今年から配偶者控除で大きな変更になった点としては納税者=例でいうご主人の所得によって控除額が変更になったという点です。

今までは納税者の所得に関わらず先程の「控除対象配偶者」の要件が満たされれば38万円を納税者の所得から控除できました。
しかし今年から納税者の所得が900万円を超え950万円以下までは控除額が26万円、950万円を超え1000万円以下までは13万円とそれぞれ控除額が減額されることになりました。
そして納税者の所得が1000万円を超えると控除額がなくなります。
つまりご主人の所得が大きくなると控除額がなくなって事実上の増税になるケースが出てくるということです。
これが今回の配偶者控除の変更点になります。
ちなみにこの納税者の所得が収入でいうとどのくらいの金額になるかというと
所得900万円=年収1120万円
所得950万円=年収1170万円
所得1000万円=年収1220万円
となります。

このように配偶者控除の改正は例でお話ししてきたご主人=納税者の年収制限が設けられた点以外には大きな変化はありません。
実は大きな変化があったのは「配偶者特別控除」と言われるものです。
これについては次回にお話しすることにします。

この記事を書いたプロ

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行政書士 上野誠

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