コラム

 公開日: 2018-01-07  最終更新日: 2018-01-11

住宅購入において親の援助を受ける際に知っておきたいこと

こんにちは。
練馬区の行政書士・ファイナンシャルプランナー上野誠です。

以前このコラムで夫婦共有で家を購入する際に重要な「持分」というお話しをさせていただきました。
その際はご夫婦で購入した時にちゃんと持分を決めてほしい、という点がお話しのポイントでした。

最近はご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、夫婦ではなく親子間で使える税制の特例がいくつかあるため、これらの制度を利用した住宅購入を検討されるケースも多いようです。
そこで今日は親子で住宅を購入する際の基本的な注意点をお話しすることにします。

親御さんの立場 「買主」として共有するのか?「贈与者」として資金援助するのか?

まず話をシンプルにするため例として完成された建売住宅を購入するケースで考えることにします。
建売住宅の価格帯もいろいろありますが、わかりやすくするため諸費用込みで5000万円という金額で話を進めていきます。
仮に子供さんが500万円を自己資金、3500万円はローンを組み、親御さんが1000万円を出してこの物件を購入するとします。
この1000万円を親御さんが買主として売主さんに支払うのか、それとも贈与者として子供さんに渡すのかで、まず契約や持分についての考え方が変わります。

まず買主として売主さんに支払った場合はお子さんと一緒に売買で購入したことになります。
したがって親御さんはお子さんとともに買主として売主さんと売買契約を交わさなければいけませんし、登記をお願いする際の持分には親御さんの持分を入れなければなりません。
この例での持分はお子さんが5分の4(5000万円のうち4000万円)、親御さんが5分の1(5000万円のうち1000万円)となります。
親御さんが1000万円売主さんに支払ったのに、持分を持てずお子さんが単独名義にしてしまうと、基本的に親御さんからお子さんへ贈与があったことになり贈与税がかかってしまうことになってしまいます。

ただ最初から親御さんがお子さんに資金援助として贈与する意向であれば話は違います。
この場合、親御さんはお子さんに贈与としてお金を渡すわけですから親御さんは買主にはなりません。
したがって売買契約はお子さんだけが売主さんと契約することになりますし、登記も単独名義でお願いすることになります。
したがってまず親御さんが買主として一緒に持分を持つのか、資金贈与をしてお子さんが単独名義で所有するのかをはっきりさせる必要がでてきます。

資金贈与と特例の利用

さて親御さんがお子さんに資金贈与をして単独名義にする場合、何もしなければお子さんはただでお金をもらったことになります。
ただでお金をもらうことは「贈与」になりますから、先程触れたケースと同じように贈与税の課税対象になってしまいます。
しかしお子さんが住宅を購入する場合、親御さんからの資金援助については冒頭お話ししたとおり税制の特例が存在します。
今日(平成30年1月7日)時点において、まとまった金額の資金援助については二つの特例が考えられます。

一つは「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税」という特例です。
一定の要件を満たせば平成32年3月までは「良質な住宅用家屋」であれば1200万円まで、「それ以外の住宅用家屋」であれば700万円までを非課税で贈与できる特例です。
ちなみに「良質な住宅用家屋」というのは省エネルギーや耐震性、バリアフリーの面で一定の条件を満たした住宅を指します。
先程の事例では建売住宅の購入でお話ししていますので、要件を満たしている住宅かどうかは売主である業者さんに確認するといいでしょう。
またこの制度は資金贈与された年の1月1日時点で資金援助を受ける方の所得が2000万円を超えると利用できないことになっています。

もう一つの制度は「相続時精算課税」制度の利用です。
これも要件を満たせばですが、60歳以上の父母又は祖父母から(平成33年12月31日までは住宅取得資金の場合、要件を満たせば贈与者の年齢が60歳未満であっても可)20歳以上の子や孫へ贈与が2500万円まで非課税ですることができ、後日相続発生時に相続財産として計算する制度です。
将来相続税を支払う可能性がなければ税金を支払わずに贈与できることになります。

さて大切なことは、これらの制度は条件や内容などきちんと確認しないと適用できない可能性が出てくるということです。
実は自己流で判断していざ利用しようとしたらできなかった、というお話しを以前に聞いたことがあります。
国税庁のウェブサイトにも説明はありますが、表現が難しい部分は当然にあると思います。
制度の利用を検討されている方は、必ずご自身で税務署や専門家に相談、確認の上利用してください。

今回は親の援助を受けて住宅購入する際に「知っておきたい」ことをお話ししました。
次回は同じテーマで「気を付けたいこと」についてお話しすることにします。
よろしければ次回もお読みいただけると幸いです。

この記事を書いたプロ

うえの行政書士FP事務所 [ホームページ]

行政書士 上野誠

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