コラム

 公開日: 2017-07-17  最終更新日: 2017-07-18

遺言者も知っておきたい遺留分減殺請求権の話

こんにちは。
練馬区の行政書士・ファイナンシャルプランナー上野誠です。

前回前々回と「遺留分」にまつわるお話しをしてきました。
今日はそれに関わるお話しとして、「遺留分」を侵害された相続人の側における請求、「遺留分減殺請求権」についてお話しします。
遺言書を書く方のお話しではなく相続人側のお話しですが、遺言者側としても参考として知っておくべき知識です。
相続人に争いが起こり得ることを考えておく必要がありますからね。

遺留分減殺請求とその方法

まず遺留分減殺請求に関する条文を見てみます。
民法第1031条です。

 「第1031条
   遺留分権利者及びその承継人は、遺留分を保全するのに必要な限度で、遺贈及び前条に規定する
  贈与の減殺を請求することができる。」

この条文の主語は「遺留分権利者及びその承継人は」となっています。
これは遺留分権利者となっている人だけでなく例えば遺留分権利者の相続人も対象になる、ということです。

また条文では遺贈や贈与のはなしになっていますが、実際には相続人同士で遺留分の争いになることも多いはずです。
いろいろと難しい見解はありますが、基本的に遺言等によって自身の遺留分を侵害された相続人は他の相続人に減殺請求ができると考えてください。

ところでこの遺留分減殺請求は具体的にどういう方式で行うのでしょうか?
実は意外に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、特に決まりはない、というのが答えと言えば答えになります。
最高裁判所の判例に次のようななものがあります。

 「遺留分権利者が民法一〇三一条に基づいて行う減殺請求権は形成権であつて、その権利の行使は受贈者または受遺者に対する意思表示によつてなせば足り、必ずしも裁判上の請求による要はなく、また一たん、その意思表示がなされた以上、法律上当然に減殺の効力を生ずるものと解するのを相当とする。
 (裁判所ウェブサイト内 最高裁判例 昭和41年7月14日 より一部引用)

ここにもあるように裁判でなくても、遺留分減殺の意思表示をすればいいということになります。
とはいえこの権利を行使するということは裁判になる可能性も高いということになるでしょう。
実際には相手方に対して内容証明郵便を使うことが一般的です。

遺留分減殺請求のできる期間

さてもう一つは遺留分減殺請求はいつまで行うことができるのか?ということです。
これについても民法の条文を見てみましょう。
第1042条です。

 「第1042条
   減殺の請求権は、遺留分権利者が、相続の開始及び減殺すべき贈与又は遺贈があったことを知っ
  た時から一年間行使しないときは、時効によって消滅する。相続開始の時から十年を経過したときも、
  同様とする。」

相続が発生して相続人の一人がが、自分の遺留分が侵害されていることを知って、これが減殺できるとわかった時から1年というのが一つの考え方です。
また相続そのものが発生してから10年経ってもこの権利は行使できなくなります。

とざっとですが、遺留分減殺請求のお話をしました。
とはいえこの請求が出るときは冒頭にも触れましたが相続人間で争いが起きることになるときでしょう。
各ご家庭の事情もあるかとは思いますが、遺言書を作る方は、遺留分の存在を考慮して減殺請求による争いが起きないような遺言書を作成することをぜひ考えていただきたいところです

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