コラム

 公開日: 2017-08-15  最終更新日: 2017-08-24

自立しながらみんなといられる、コージーコーナーの作り方

コージーコーナー。真っ先にケーキをイメージする方が多いかもしれませんが、本来は「暖かくて居心地のよいこぢんまりしたスペース」を意味します。 ヨーロッパの昔の家は、レンガ造りのため、大きな窓が取れません。リビング中央まで太陽の光や暖かさを導くのが難しいので、窓際や暖炉の傍に、リビングダイニングなどのメインスペースとは別の、数人でおしゃべりやお茶を楽しむことができる暖かいコーナーを作りました。 現代日本であれば、部屋中が暖かく明るい家が多いですが、「メインスペースとは別の」居心地のよい小さなスペース。そのある種おまけのような場所が生活を豊かにしてくれるのではないかと思います。 このまとめでは、そんなコージーコーナーがある事例をご紹介します。

一箇所抜けのあるL型ソファ

ソファの背面に、奥様用のちょこっとデスクを置いて、一箇所ソファの背をなくしたキューブを入れたL型配置のソファです。 作業をしながら後の会話を小耳にはさむ、背面側からちょっと腰掛けて参加する、ゆっくり団欒に参加する。いろいろなシーンを選べるソファ配置です。


段差を利用したベンチまでも取り込んだソファ配置

こちらも抜けがあるL型配置ですが、プライベートな少人数でも、ビジネスでの大人数でも使用する想定だったので、L型の背の部分も抜いてしまい、段差を利用したベンチシートに対して開いた配置です。 少人数の時はソファだけの範囲でカウチ風に、大人数の時はベンチも含めた大きなスペースまで展開できます。


ソファ脇の、ちょこっと座ったりものを飾ったりできる階段

L型ソファはいろいろな形に展開できますが、場所を取ってしまいます。コンパクトなI型配置ではどんな可能性があるでしょうか?
ダイニングと連続して壁の前にソファを置いたごく一般的な配置ですが、隣にある半階上の寝室に上る階段が+αのスペースとなります。 趣味で買い集めた小物を飾るほか、ちょっと腰掛けておしゃべりしたりできるちょこっとコー ナーです。


見通せない作業スペース

マンションの改装事例です。がらんとしたリビング部と、箱状の収納とロフトベッド。箱の奥にちょっとした書斎スペースがあります。 好きなことに集中したいけど、閉じこもりたくない。リビングにいるときも、ちらっと見えるけど、完全開放は落ち着かない。 斜めに張ったフローリングと合わせて斜めに切ったデスクの効果も相まって、開放的なのにちょっとこもったような感覚もする、そんな見えがくれする作業場です。



ほっと一息つける休憩所

次は家事の合間にほっと一息付ける階段です。ここでいう事例は下の写真。上の写真は階段から眺められる風景です。気持ちのよいソファもあるので、のんびりしたいときはもちろんそこに座るけど、ほんの数分ちょこっと休憩したい時、選べる場所の一つとしての気持ちのよいスペースがいくつもあるといいですよね。 子供部屋に上る階段ですが、麻のカーペットが張ってあって、さわり心地もよく、明るくて、玄関にある緑化塀のきれいな緑も眺められるので、ちょっとした休憩にちょうどよいと、好評頂いた階段です。



専用の窓がある自分だけのスペース

ダイニングから一段下がった通路の正面にある小さな書斎スペース。家族がいるリビングとつながりつつも、専用の窓があって、好きなものに囲まれた場所。80cm×50cm程度の極小コーナーですが、あるのとないのとでは大違いです。


0か100かではない、中間スペースとしてのコージーコー

現代はどこにいても外の世界とつながっていますし、それにともなって家にいても家族の時間と個人の時間の境界がなくなってきています。昔のように、家族で集まるときは100%団欒、外とつながるのは、来客や電話のときのみ、という時代には、良くも悪くも戻れません。 だとしたら、0と100の間をつなぐ、中間スペースとしてのコージーコーナーは、現代的なスペースともいえるのではないでしょうか。

求心性が高いソファセットやダイニングしかないLDKではなく、個室まで行かなくてもちょっとした作業ができる場所があること。ちゃんとした休憩時間を取らなくても、ちょこっと一息つく 気持ちのよい場所を選ぶことができること。そういう、ゆるい関係をつなげられるコージーコーナーを取り入れてみませんか。

--
津野建築設計室 津野恵美子
ちょっとしたことでも結構ですので,お気軽にお問い合わせ下さい!
http://www.t-troom.com/cn5/contact-form.html

この記事を書いたプロ

一級建築士事務所 津野建築設計室 [ホームページ]

一級建築士 津野恵美子

東京都世田谷区成城 [地図]
TEL:03-3415-5365

  • 問い合わせ
  • 資料請求

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

0

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
 
このプロの紹介記事
くつろぎを寸法という数字に置き換え、住まいをつくる一級建築士 津野恵美子さん

人や物に対して心地よさを感じる距離を設計に反映する(1/3)

 一級建築士事務所「津野建築設計室」主宰の津野恵美子さんは、主に一戸建て住宅、別荘、マンションリノベーション等の設計を手がけています。建築雑誌でも、その建築が紹介されるなど業界でも注目度の高い一級建築士です。 東京大学工学部建築学科在学...

津野恵美子プロに相談してみよう!

朝日新聞 マイベストプロ

心地よさという感覚を数値化し、空間や暮らしに適切な寸法を出す

事務所名 : 一級建築士事務所 津野建築設計室
住所 : 東京都世田谷区成城 [地図]
TEL : 03-3415-5365

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

03-3415-5365

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

津野恵美子(つのえみこ)

一級建築士事務所 津野建築設計室

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる このプロに資料を請求する
プロのおすすめコラム
現代住宅にもマッチする引戸。引戸のメリットとデメリットの検証
イメージ

日本の伝統的な家屋に使われてきた引戸。そのため引戸=和風のイメージがあるのか、洋風のインテリアでは、無...

[ インテリア ]

ちょこっと作業に便利な、小さな書斎の個性的 な事例9選
イメージ

書斎。どちらかというと男の空間のイメージが強いかもしれません。 設計のお仕事を頂いても、書斎のご要望...

[ インテリア ]

家の庭を考える〜身近にグリーンがある生活
イメージ

緑の多い街並みは歩いていて気持ちがいいですよね。都会の住宅地の中では、個人の宅地のグリーンが、街...

[ エクステリア ]

はじめまして
イメージ

はじめまして.津野建築設計室の津野と申します.世田谷の成城で,住宅を主に建築・内装の設計監理をしていま...

[ 雑感 ]

コラム一覧を見る

コラムのテーマ一覧
スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ