コラム

 公開日: 2017-08-01  最終更新日: 2017-11-30

家の庭を考える〜身近にグリーンがある生活

緑の多い街並みは歩いていて気持ちがいいですよね。都会の住宅地の中では、個人の宅地のグリーンが、街並みの緑化率に大きく関わってきます。 とはいえ、人に見せるだけで、家の中から楽しめないグリーンではもったいない。 外から見ても中から見ても気持ちのよい、そんなグリーンについて考えてみた事例です。

三つの庭から垣間見えるグリーン

ここの敷地は道路から1m上がっていたのですが、二世帯住宅なので、車二台置ける駐車場と、玄関は段差なくアプローチできることが、ご要望でした。また、リビングと一体に使えるプライベートな庭をとのご要望もあり、そうすると道路に対して完全に閉じた、閉鎖的な家になってし まいます。
そこで三つの庭を準備して、道路からもスキマから緑が垣間見えるような提案としました。


リビングと一体になった中庭

メインのお庭は、南東向きの、リビングと一体になった中庭です。生け垣とL型の配置の建物に囲まれて、バーベキューや子供プールも使える石のテラスと、明るく清潔な白玉砂利とメインツリーのある、さわやかな空間です。


子供部屋と親世帯の中間領域としての二階の中庭

子供部屋から、二階の中庭を通しておばあちゃんの家を見た景色です。三方囲われた中庭は、駐車場の上にあたり、80cm近くの深い土が入っているので、大きな木が育ちます。 比較的在宅時間が長い親世帯や、小さなお子さんが、四季の変化を感じられるように、葉の色の移り変わりが美しい、イロハモミジを植えています。


二階の空中庭園や一階の中庭の緑は、駐車場や大きな開口を通して道路からも楽しむことができ ます。そして、道路に対しては最低限の開口しか開いていない、プライベートな室内からも、スキマを通してこれらの緑がいろいろな部屋から楽しむことができます。


垂直の庭としての二世帯共有玄関

こちらは二世帯共有の玄関・階段ホールです。 北側のこのスペースは、隣地との間に70cmのスキマがありました。このスキマを利用して、 塀を緑化することで、薄暗く、閉鎖的になりがちな、二世帯共有玄関を、見て楽しめる垂直の庭として位置付けました。


一階の子世帯リビングから垂直の庭を見たとこ ろです。 二階の親世帯に続く階段も重なっています。 共有玄関を緑や風を取り込むための気持ちのよ いスペースにすることで、いつも開放的に過ご せる、お互いの気配を伝え合うスペースとなり ました。


緑化塀の詳細です.鉄板を風通しがいいようにカットして折り曲げた塀に、金網にヤシマットと人工土を詰めた鉢をハンギングしています。グリーンは明るい色のアイビーとピンカマジョールというキョウチクトウの一種の蔓植物です。 狭いスペースの水やりは大変なので、プランターの上に穴あきホースを長し、室内にある蛇 口をひねれば水やりできるようにしています。

スキマのある家

旗竿敷地の二世帯住宅のグリーン

次は30坪の旗竿敷地に建つ二世帯住宅の事例です。

通路部分は、車と自転車置場を確保したら、あとは人が通れる寸法しか残りません。
そこで、この家では通路部分とは性格の違う前庭空間を用意しました。オープンな旗竿の通路を通り過ぎると、黒い外壁と鉄板の門扉という重厚な玄関スペースですが...

門を一歩入ると、デッキとメインツリーのエゴノキがかわいらしいエントランスコートです。 白くて明るいこの庭は二世帯の共有玄関です。

この前庭のメインツリーは、外からみてきれいなだけでなく、一階の室内からも、目に美しく、また外からの自然を緩やかに遮ってくれま す。

二つ前の写真のエントランスコートの四年後です。メインツリーもいい感じに育ち、わんちゃんのお気に入りスペースとなっているそうで す。

光と風を共有する家

グリーンは、植えてからも手間暇掛けてあげな ければいけないものですが、その分育てる楽しみがあります。 そんな手塩に掛けたグリーン、お客様にも見て欲しいし、日常の暮らしの中でも身近に楽しみたいものです。 庭と言っても広さも条件も千差万別。その中で理想のグリーンが身近にある暮らしを実現してみませんか。

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