コラム

 公開日: 2013-09-26 

マンションの長期修繕計画書の問題点

マンションの維持管理には区分所有者の組合員で構成する管理組合が設立され維持管理の現場は管理組合が委託した管理会社によって行われているのが一般的です。なお、マンションを購入した時点で分譲会社が管理組合を既に設立しており、管理費も修繕積立金の金額も確定しているのが通常です。

 
マンションには長期修繕計画書があり、その計画に従って「日常修繕」、「小規模修繕」、「大規模修繕」を実施することになりますが、今回問題にするのはこの長期修繕計画書です。今は情報化の時代ですので、長期修繕計画書の殆どはソフトがあり、データを入れれば自動的に作成されます。建築単価や設備機器価格の時点修正も難なく出来ます。区分所有法が出来て区分建物が出来始めた昭和30年代~40年代と比べると雲泥の差がありますが、世の中は甘くはありません。便利になったという事は、現場の声が反映されずに机上の理論が先行することでもあります。

 
マンションは商業ビルやオフィスビルに比べると設備的には少ないですので、長期修繕計画書では建築部分にウエイトが置かれています。殆どの管理組合は同様ですが、理論的な経年劣化や設備機器の耐用年数で更新する長期修繕計画を使用しています。建物は立地や環境、更にはメンテナンスによって劣化の度合いが大きく異なります。良く言われることですが、イニシャルコストを抑えればランニングコストが掛かると言う相関関係があります。分譲マンションの場合にはイニシャルコストは分譲会社しか分かりませんので、昔の時代はマンション購入に際しては請負った建築会社のレベルによって建物の出来具合を判断したものです。しかし、バブル経済が崩壊し、デフレ経済が長期化し、公共投資が減少した時代には建築会社だけでは建物の出来具合を判断することは出来なくなりました。簡単に言えば、大手建設会社も背に腹は代えられないとばかり、発注金額が厳しいデベロッパーの工事も請け負うようになったからです。建設会社のレベルに合った施工は工事価格の引き下げ要請に勝てなくなったのが現状です。

 建設会社レベルの比較で建物の良し悪しが分からないとすれば尚更、ランニングコストが掛かると考える必要があり、日常のメンテナンスが重要となります。イニシャルコストが抑えられたマンションでランニングコストも抑えたら大規模修繕時に痛いしっぺ返しを受けることになります。この様な事をなくすためには長期修繕計画書が大事なのですが、上記で解説したように机上の理論で構築されたソフトで作られた長期修繕計画が殆どですので、意味がないと言えます。本来は、建物のメンテナンスの状況を踏まえて長期修繕計画書を手直しすることが必要であり、設備機器に関しては更に部品取替えで済ませるのか、寿命の長い製品に更新するのかなど細かい検討が必要となります。建築部分に関しても戦術的に対処するか戦略的な対応で行くのかで大分違いがでますし、特にコストを優先する場合には、長期修繕計画書作成で現場のデータを考慮して作らなければ効果が出ません。

 当社は商業ビルやオフィスビルの管理を通して「日常修繕」、「小規模修繕」、「大規模修繕」のノウハウを培ってきました。マンションの場合には予算が少ないこともありますので、特にきめ細かい日常の管理の必要性や現実的な長期修繕計画書の作成が重要となることを痛感しています。

 このため、マンション管理組合の役員になり何かお困りの点がありましたら、当社の「無料相談」を是非ご活用いただきたく思います。電子メールでも結構です。



株式会社東拓企画
http://www.totakukikaku.jp

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