田浦裕子

たうらゆうこ

アロマ&ハーバルセラピー粋香 -Sui・ka-

[ 府中市 ]

職種

コラム

 公開日: 2015-06-11 

香りで変わる味覚、そして飲用可な精油

五感のうち、嗅覚と味覚は “化学的感覚” とされるところが同じ。
しくみとしても深いつながりがありまして

よくある話としては
風邪をひいて鼻の調子がおかしくなると、味の感じ方が変わる、ということ。
ご経験おありの方も少なくないでしょう。

つい先日、ネットのニュースで見た、外国での話なのですが

とある食品メーカーさんが、
栄養面での成分を若干補強する、という趣旨の商品リニューアルをした後に
永年愛用していた多くのお客さまから、
「とても不味くなった」という苦情が殺到したのだそうです。
メーカー側は、味をいじったつもりはなかったようですが、お客さまの反応は違った。

これはあくまで記事を読んだだけの私の意見ですが
そのリニューアルの際に、これまで入れていた食品香料を
どういう理由かはわかりませんが、入れないようにしたこと、が大きく影響しているのでは…

具体的には
バニラの香料を加えるのをやめたことが響いているのではないかしらと。

子供のころに自宅でお菓子作りを手伝っていて
最後にバニラエッセンスを加えただけで
なんだかとっても甘く美味しいお菓子が出来上がったような気分になったことを覚えています。

バニラエッセンスは食品香料ですが
アロマ的にもバニラっぽい香りはあります。

それがベンゾイン(安息香)です。
エゴノキ科の木の樹脂から、溶剤抽出される粘度の高い精油で
そのままでは植物油にもなかなか馴染んでくれません。

私が愛用しているニールズヤードでは、かつてティンクチャー(チンキ)の形で販売していましたが
現在は(少なくとも日本では)取り扱いをやめてしまいました。
ベンゾイン
…ということもありまして、とてもよい香りなのですが、
残念ながら、普段はアロマトリートメントに使うことはありません。

精油は「雑貨」です

さて、話を精油に移しましょう。

精油はいろんな植物から抽出されます。
食用としてなじみのある植物から採られるものもかなりあります。

オレンジやレモンなどの柑橘類はまさにそうですし、
ペパーミントもそうです。

たとえばペパーミントは、原材料の植物は、そのものが「食用」として売られていたり
ハーブティとして売られていたりしますが、精油はあくまでも「雑貨」です。

精油が「雑貨」であるということは
医薬品(内服薬)でも食品でもないということで
それはすなわち、経口摂取(飲んだり食べたり)は想定していません。

昔、知人から紹介されたアロマのプロの方が
喫茶店に入るなり、カバンの中からレモンの精油を取り出し、
お店の人が出してくれたお水に数滴滴下して、ゴクリ。
「あ~、やっぱりお水がおいしくなるわ。あなたもどう?」

もちろん、丁重にお断りさせていただきました。

精油の内服・経口摂取は、直接法律で禁止されているわけではありません。
先の方のように、自己責任で、
少量を飲み物に滴下するなどして口-食道-胃-腸のルートで体内に取り入れられる方もいます。

また、医師などの指導のもと、内服を行うケースもあります。

ですが、本来、食用でも、また医薬品でもないものを安易に口から体内に取り入れることは
安全性の面で、(とくに医療従事者ではない一般人は)やはり慎んだ方が良いように思います。
万が一、それで何かが起こっても、自己責任、
すなわち、そういうこと(経口摂取)をした本人の問題・責任、ということにしかなりません。

飲める(内服できる)精油の例

私が属する公益社団法人 日本アロマ環境協会でも “おすすめしません”という表現で
精油の内服を控えるように注意喚起をしています。

そうした中
先日、こんな表示のある精油を見つけました。

ハッカ(ペパーミント)
ハッカ油

それから、オレンジ
添加物表示

『食品添加物』 だそうです。
ハッカ油の表示
服用法の表示

わざわざそこまで表記されているのであれば

それについて飲用は絶対ダメ、とわざわざ言い切ることはいたしませんが

やがり精油として、自然界で植物の体内にあるときよりも濃い形で提供されていますから、
やっぱり積極的に飲んだりはしない方が良いと思います。

また、仮に何かの飲料に滴下して飲むとしても
過剰摂取にならないよう
外箱やボトル表面にある表示をよく読んで

その指示の範囲内で、十分注意しながら楽しむようにしましょう。

『食品添加物』 ということで、一定の安全性は確保されたようですが
安心して飲めるかどうかは、ちょっと微妙。
少なくとも、私自身は精油を敢えて飲もうとは思いません。

安全と安心は違います。
精油を何らかの形で経口摂取する前に、その違いについて改めて考えてみてください。

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