コラム

 公開日: 2016-06-19  最終更新日: 2016-09-13

離婚できますか? - 裁判上の離婚原因

離婚に関するご相談として、「離婚できますか?」といった相談を受けることがあります。
このようなご相談事項は、大きく2つの類型に分けることができると思います。ひとつは、生活費を受け取っている方からのご相談で、離婚しても生活していけるでしょうか、というものです。このような類型の場合、離婚後の生活費の問題や住居の確保の問題、子どもがいる場合には養育費の問題などが解決していくべき課題となります。
そして、「離婚できますか」というご相談の、もうひとつの類型としては、配偶者が離婚に同意していない場合に、「離婚が認められますか」というご相談です。原則として、相手が同意していなければ、離婚することができません。相手から同意してもらえない場合には、調停を経た後に、裁判をすることになります。そこで、弁護士のもとに、離婚の裁判を起こしたとして、「裁判で離婚が認められますか?」というご相談が寄せられることになるのです。今回のコラムでは、後者の問題について、どのような場合に裁判で離婚が認められるのか、についてお話してみたいと思います。

裁判上の離婚原因

話合いや調停で離婚の合意ができない場合において、離婚を求めるときには、離婚訴訟を提起します。離婚訴訟で離婚が認められるためには、「離婚原因」が認められるかどうかがまず問題となります。離婚原因は、民法770条1項に規定されており、(1) 配偶者に不貞な行為があったとき、(2) 配偶者から悪意で遺棄されたとき、(3) 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき、(4) 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき、(5) その他婚姻を継続しがたい重大な事由があるとき、と定められています。なお、(1)から(4)までの離婚原因があったとしても、裁判所が、一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときには、裁判上の離婚が認められない場合もあります。

(1) 不貞の行為があったとき
配偶者のある者が、自由な意思に基づいて、配偶者以外の者と性的関係を結ぶことをいいます。いわゆる不倫や愛人関係をもつ場合などがこれに当たります。

(2) 悪意で遺棄されたとき
「遺棄」というのは、正当な理由なく、同居を拒否、協力・扶助義務または婚姻費用分担義務などを履行しないことをいいます。相手を置き去りにして家を離れ、長期間生活費を送金しなかった場合などが、「悪意の遺棄」に該当する可能性のある事例といえますが、別居の目的や別居による相手方の生活状況、別居期間などを総合的に考慮して判断されることになります。

(3) 生死が3年以上明らかでないとき
3年以上、生死が不明な状態が続いている場合には、離婚事由となります。

(4) 強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
強度の精神病とは、その精神障碍の程度が婚姻の本質ともいうべき夫婦の相互協力義務殊に他方の配偶者の精神的生活に対する協力義務を十分に果し得ない程度に達している状態をいいます。なお、夫婦の一方が不知の精神病にかかっている場合でも、諸般の事情を考慮し、描写の今後の療養、生活等についてできる限りの具体的方途を講じ、ある程度において前途にその方途の見込みがついた上でなければ、離婚の請求は許されないとするのが判例です。

(5) その他婚姻を継続しがたい重大な事由があるとき
その他婚姻を継続しがたい事由は、婚姻関係が破綻して婚姻の本質に応じた共同生活の回復の見込みがないことを意味すると解されています。暴力がある場合などがこの離婚事由に該当する可能性があります。

裁判で離婚が認められるために

以上が法律によって定められている離婚事由ですが、たとえ上記で述べたような事実が現に存在したとしても、裁判の場において立証できなければいけません。
手元にある証拠だけで十分か、他にどのような証拠を集めるべきかなどは、弁護士にご相談ください。とくに不貞の場合には、夫婦間で離婚の話合いが始まった後に証拠を収集をすることは極めて困難ですので、不貞に気付いた段階で弁護士に相談することをお勧めします。

離婚問題について弁護士がお手伝いできることと、その弁護士費用はこちらのページをご覧いただければと思います。
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