コラム

 公開日: 2016-02-07 

遺言の書き方 – 遺言の方式や遺言でできること

遺言とは

一般的に、遺言という用語は、「身寄りの方のために遺す言葉」というような意味合いで使われているものと思いますが、法律上の制度としての「遺言」(いごん)は、遺言者の生前になした意思表示について、遺言者が亡くなった後に、法律上の効力を認めるという制度のことをいいます。遺言者が亡くなった後に効力が発生するという性質から、遺言の内容を実現するために一定の行為などを要する場合には、遺言執行者(いごんしっこうしゃ)となった方が遺言を執行することになります。

遺言でできること

遺言は、遺言者が亡くなった後に効力が発生するものですから、遺言の内容に不明確な部分や疑問点があった場合に、遺言者に遺言の意味を尋ねることはできません。そのため、遺言を遺された方々の間で争いとならないように、法律上、遺言でできることが定められています。具体例を挙げれば、(1)遺贈などの財産の処分に関する事項、(2)認知などの身分上の事項、(3)相続分の指定など相続に関する事項、(4)遺言執行者の指定などの遺言の執行に関する事項、(5)祭祀主宰者の指定などです。

遺言ができる条件

15歳に達した方であれば、遺言をすることができます。ただし、遺言の内容とその法律効果を理解判断するのに必要な能力を備えていることが必要とされています。

遺言の方式

遺言の方式には、(1)普通方式と(2)特別方式の遺言があります。
(2)特別方式の遺言は、普通方式による遺言ができない場合に利用されるものです。具体的には、 (i)疾病などにより遺言者に死亡の危険が迫っている状況での危急時遺言、(ii)船舶遭難の状況下での船舶遭難者遺言、(iii)伝染病により隔離された者がする伝染病隔離者遺言、(iv)船舶中にいる者がする在船者遺言があります。このように特別方式の遺言は、特別な状況下での遺言の方式であり、特別な状況が過ぎ去って、普通の方式によって遺言をすることができるようになってから6カ月間生存していたときには、特別方式の遺言は効力を失います。

普通方式遺言の作成方法

普通方式の遺言には、(ア)自筆証書遺言、(イ)公正証書遺言、(ウ)秘密証書遺言という作成方法があります。遺言の作り方は厳格に定められており、要件を満たさない場合には、遺言が無効となってしまう可能性がありますので、注意が必要です。以下では、作成方法の概略をご説明しておりますが、作成する際には、法律の規定を確認されるか、または法律専門家の助言を受けることをお勧めいたします。

(ア) 自筆証書遺言
遺言者が、その全文、日付および氏名を自書して、押印します。「自書」が要件となっており、本人が自ら書く必要があります。
費用がかからず、容易に作成できるというメリットがありますが、一方で、加除訂正の方法も厳格に定められているなど、要件が厳格であることから、方式不備により無効となる可能性が高いともいえます。

(イ) 公正証書遺言
公正証書遺言は、遺言者が、遺言の趣旨を公証人に口授し、公証人が遺言者の口述を筆記して作成します。遺言者と公証人のほか、証人2人の立会が必要です。公証人が筆記した遺言の内容を遺言者と証人に読み聞かせ、または閲覧させ、遺言者と証人が筆記が正確であることを確認したのち、各自、署名して押印します。最後に、公証人がその証書が方式に従って作成したものであることを付記して、公証人が署名押印します。このように公証人が関与して作成されるため、方式の不備により無効となる可能性をなくすことができ、また、公正証書遺言の原本が公証役場に保管されますので、遺言書が破棄されたりするおそれもありません。

(ウ) 秘密証書遺言
秘密証書遺言は、遺言者が遺言書(自筆証書遺言と異なり自書であることは要件とされていません。)に署名押印をしたうえで、この遺言書を封じ、遺言書に用いた印章をもって封印し、公証人と証人2人以上の前にその封書を提出して作成します。封書の提出を受けた公証人は、証書が提出された日付と遺言者の申述(自身の遺言書であることと筆者の氏名および住所)を封紙に記載し、遺言者と証人とともに封紙上に署名押印をします。

弁護士による遺言書作成のサポート

弁護士が、遺言書の作成をお手伝いいたします。
私の弁護士費用や業務内容などはこちらのページをご覧いただければと思います。
>> 遺言書の作成

この記事を書いたプロ

渋谷法律事務所 [ホームページ]

弁護士 金子剛

東京都渋谷区渋谷2-10-16 スガハラビル5階 [地図]
TEL:03-5468-8688

  • 問い合わせ

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

1

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
弁護士費用の目安

法律相談料は、1時間5000円(税別)です。目安として1時間と記載しておりますが、時間を少しでも経過したら追加料金が発生するということはありませんので、あ...

Webサイト
弁護士金子剛(渋谷法律事務所・東京弁護士会所属)

「少し前まで家庭で問題を抱えていたけど、弁護士さんに相談してもいい問題だとは思わなかった」たまたま知り合った方が話してくださったこの一言から、私のホームペ...

 
このプロの紹介記事
金子剛 かねこたけし

弁護士として、丁寧に話を聴き、最良の解決を目指し、誠実に業務に取り組む!(1/3)

 金子剛さんが所属する渋谷法律事務所は、表参道駅からほど近い青山通り沿いのビルにあります。渋谷法律事務所は40年以上前から渋谷で開業している歴史のある弁護士事務所で、現在は金子さんを含めて、ベテランから若手まで8名の弁護士により、質の高い法...

金子剛プロに相談してみよう!

朝日新聞 マイベストプロ

相談者と真摯に向き合い、丁寧に話を聴くこと

事務所名 : 渋谷法律事務所
住所 : 東京都渋谷区渋谷2-10-16 スガハラビル5階 [地図]
TEL : 03-5468-8688

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

03-5468-8688

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

金子剛(かねこたけし)

渋谷法律事務所

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる
プロのおすすめコラム
遺留分 – 遺産の一定割合は家族が受け取る

 遺留分とは 遺留分とは、簡単にいえば「遺産に対する家族の最低限の取り分」です。典型的な例でいうと、祖...

[ 相続 ]

相続人の確定 - 遺産は誰が相続できるのでしょうか

前回のコラムでも触れましたが、相続人が複数いらっしゃる場合、亡くなられた方(「被相続人」(ひそうぞくにん)...

[ 相続 ]

遺産分割調停を利用する - 申立てから終了まで

相続によって、亡くなられた方(「被相続人」といいます。)の遺産を、相続人が引き継ぎます。相続人となる方が複...

[ 相続 ]

相続の手続と期限 - いつまでに何をすればよいのでしょうか

相続は、人生に何度も経験することではありませんので、はじめて経験される方は、どのような手続をとればよいのか...

[ 相続 ]

離婚できますか? - 裁判上の離婚原因

離婚に関するご相談として、「離婚できますか?」といった相談を受けることがあります。このようなご相談事項は...

[ 離婚 ]

コラム一覧を見る

コラムのテーマ一覧
スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ