コラム

 公開日: 2016-01-30  最終更新日: 2016-09-12

相続人の確定 - 遺産は誰が相続できるのでしょうか

前回のコラムでも触れましたが、相続人が複数いらっしゃる場合、亡くなられた方(「被相続人」(ひそうぞくにん)といいます。)の遺言がないときには、相続人同士が、話し合って遺産を分ける必要があります。これを「遺産分割協議」(いさんぶんかつきょうぎ)といいます。遺産分割協議は、原則として共同相続人の全員が合意をしなければいけません。戸籍から判明している共同相続人の一部を除いて遺産分割協議を行ったとしても、その遺産分割協議は無効です。このように、誰が相続人であるかは重要な事項といえますので、遺産分割協議を始めるまえに、相続人を調べるという作業を行う必要があるのです。

法定相続人と相続人の順位

民法では、配偶者と血族関係にある方が相続人となるものと定められています。配偶者は常に相続人となり、血族関係にある方については、(1)子、(2)直系尊属、(3)兄弟姉妹、と順位が定められ、先順位の相続人がいない場合に、次順位の血族関係にある方が相続人となります。以下、それぞれの順位の相続人について、補足してご説明します。

(1)子
子が、第1順位の相続人です。したがって、亡くなった方に子どもがいる場合には、配偶者と子どもがまず相続人となります。養子も実子と同じ相続人の資格があります。
相続が起きるよりも前に、相続人となるはずの子が死亡しており、かつその方に子ども(孫)がいる場合には、その孫が相続人となります。これを「代襲相続」(だいしゅうそうぞく)といいます。被相続人の子が、あとにご説明する相続欠格事由に該当するときや相続から廃除されたときにも、同じように孫が代襲して相続人となります。
ちなみに、相続の時点で、胎児がいる場合、相続については、胎児は既に生まれたものとみなすという民法の規定があります。すなわち、被相続人が亡くなったときに胎児であった子は、まだ出生していなかったとしても、原則として相続人となるということです。ただし、死産の場合には、この規定は適用されませんので、はじめから相続人でなかったことになります。相続の時点で、相続人に胎児がいることが分かっている場合には、遺産分割協議は出生を待ってから行うべきでしょう。

(2)直系尊属
子がいない場合には、直系尊属(親など)が第2順位の相続人となります。直系尊属が複数名いらっしゃる場合には、親等の近い方が相続人となります。つまり、亡くなった方の父母と祖父母がご存命のときには、親等の遠い祖父母は相続人とならず、父母だけが相続人となります。

(3)兄弟姉妹
直系尊属にも相続人となる人もいない場合には、兄弟姉妹が相続人となります。

相続人の調べ方

被相続人の出生から死亡までの戸籍を調べます。
詳しくはこちらのページをご参照ください。
>>戸籍の調べ方-戸籍謄本の取り寄せ方

相続の欠格事由

戸籍上は相続人の資格があったとしても、たとえば故意に被相続人や先順位の相続人を死亡させたりするなど、一定の事由があった場合には、民法は、相続権を認めないこととしています。遺言書を破棄したり、隠匿したりした場合にも、相続の欠格事由に該当することもありますので、注意が必要です。

推定相続人の廃除

遺留分を有する推定相続人(相続が開始した場合に相続人となる人をいいます。)が、被相続人に対して虐待をしたり、重大な侮辱を加えたり、著しい非行があったときには、被相続人は、その推定相続人の廃除を家庭裁判所に請求することができます。廃除をされた者は、相続人となることができません。なお、廃除の意思表示は、遺言ですることも認められています。遺言によって、廃除の意思を表示したときには、相続が開始してから、遺言執行者が家庭裁判所に申立てを行います。

相続放棄

誰が相続人となるかをご説明してきましたが、法定相続人として定められている方でも、自らの意思で相続を放棄することもできます。相続は、プラスの財産だけでなく、借金などのマイナスの財産も引き継ぐことになるからです。相続放棄をすると、はじめから相続人ではなかったことになります。

弁護士としてお手伝いできること

こちらのページもご参照いただければ幸いです。
>> 遺産分割
>> 相続放棄のサポート

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