コラム

 公開日: 2016-01-24 

相続の手続と期限 - いつまでに何をすればよいのでしょうか

相続は、人生に何度も経験することではありませんので、はじめて経験される方は、どのような手続をとればよいのか分からないことも多いと思います。また、身内の方であれば、葬儀の手配や親戚への連絡、遺品の整理など、相続以外のことにも時間を取られてしまって、なかなか相続の手続をする時間的な余裕がないのではないでしょうか。
他方で、相続の手続は、手続のための書式が決められていたり、手続をすべき期間が定められていたりする場合もありますので、注意が必要です。
今回のコラムでは、相続のはじめから終わりまでの手続の流れをイメージしやすいように、わかりやすくまとめてみたいと思います。

相続の開始に伴う手続

死亡の事実を知ったときから7日間以内に「死亡届」を提出します。死亡届の提出先は、市役所、区役所または町村役場です。死亡診断書を添付して提出します。死亡届を提出するのは、お亡くなりになった方の同居の親族、その他の同居者などの方々です。

遺言書がある場合には、遺言書の検認

遺言書を保管している場合や遺言書を見つけたときには、遅滞なく、遺言書の「検認」を請求します。検認の手続は、家庭裁判所が行います。封印のある遺言書は、検認の手続を経ないで、開封してはいけませんので、注意が必要です。なお、遺言書が、「公正証書遺言」であるときには、検認の手続は必要ありません。遺言書の検認について、詳しくは、こちらのページ「遺言書を開封する手続があることを知っていますか?」をご参照ください。

相続放棄・限定承認

相続というのは、財産だけでなく、相続人の「債務」も引き継ぎます。そこで、債務を承継したくない場合などには、「相続放棄」や「限定承認」という手続をする必要があります。限定承認というのは、簡単にいえば、相続財産の限度で債務を相続するという方法です。相続放棄または限定承認も、自分のために「相続の開始があったことを知った時から3カ月以内」に行う必要があります。詳しくは、こちらのページ「資産がなければ相続は関係ない?相続放棄という選択肢」もご参照ください。

所得税の準確定申告

通常の所得税の確定申告は、毎年1月1日から12月31日までの1年間の所得について、翌年の2月16日から3月15日の間に申告と納税をすることとされています。しかし、年の途中で亡くなられた方については、相続人の方が、1月1日から死亡日までの所得について申告し納税します。これを所得税の準確定申告といいます。所得税の準確定申告は、「相続の開始があったことを知った日の翌日から4カ月以内」にする必要があります。

相続税申告

相続や遺贈などによって取得した財産について相続税がかかる場合には、財産を取得した方は「相続の開始があったことを知った日の翌日から10カ月以内」に相続税を申告し、納税する必要があります。なお、延納や物納の方法を利用する場合にも、この期限内に手続をとる必要があります。

遺留分減殺請求

兄弟姉妹以外の相続人の方には、相続財産について、遺留分という一定の額を受けることが認められています。遺言などによって、遺留分を侵害された遺留分権利者の方は、遺贈または生前贈与を受けた方に対して、財産の取戻しを請求することができます。これを遺留分減殺請求といいます。遺留分減殺請求は、相続の開始、贈与または遺贈があったことを知ったときから1年以内に請求する必要があります。詳しくは、こちらのページ「遺留分について」をご参照ください。

遺産分割

遺言がない場合には、相続人同士の話合いで遺産分割を行います。話合いがまとまったときには、不動産の名義変更などのために遺産分割協議書を作成します。もし、相続人同士で話合いがまとまらない場合や話合いをすることができない場合には、家庭裁判所を利用することもご検討ください。詳しくは、こちらのページ「遺産を分ける-遺産分割」をご参照いただければと思います。

以上が、相続の一般的な流れとなります。相続放棄など、期間制限があって、しかも手続の選択を誤ると取り返しがつかないことも想定されますので、ご不明な点がございましたら、税理士や弁護士などの専門家にご相談されることをお勧めいたします。

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