コラム

2012-02-01

スーパー堤防構想を応援する

以前のコラムで書かせて頂いた通り、
私はスーパー堤防化事業に対しての啓発活動を行っている。

今回、その活動に賛同の意を示してくれた
東京臨海病院の山本保博院長の寄稿文を紹介したい。

以下、原文通りに抜粋。

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 2011年3月11日、東日本をマグニチュード9.0の巨大地震と大津波、そして原発事故という未曽有の災害が襲い、21000人以上の死亡・行方不明者と5400人の負傷者を出し、災害廃棄物2258万トンは阪神・淡路大震災の2倍に近く、処理は放射線汚染も伴って遅々として進んでいません。

現地では、東日本は第2次世界大戦後から65年を経過して再び敗戦し、
故郷は焦土と化したと長老が涙を溜めていたのが印象的でした。

 災害における復興とは、何を学び、何を見直すのかを考えながら元に戻すことではなく、より良い地域の将来を創造することです。自然を改造・支配することが不可能なことは改めて思い知らされました。

 我々城東地区の地域地番設計の重要な要素は、防災と環境であるとつくづく考えます。
4月24日の江戸川区長選挙で、多田正見現区長が4期目の当選を果たしました。

彼は所信表明の中で、古来からいくら金をかけても「治水に無駄なし」と言われており、
荒川と江戸川のスーパー堤防構想を貫徹させたいと強調されました。

このスーパー堤防は、防災と環境の切り札になることは間違いないでしょう。

 私は中学と高校を荒川区にある開成学園で過ごしましたが、勉強はほどほどに博物部に入部し、自然観察や昆虫採集などで、毎日、谷中から上野公園、荒川から隅田川など4~5コースをぶらぶらするのが好きでした。

野鳥には特に興味があり、フィールド望遠鏡での観察は忘れませんでした。私は経験的な考えを基に、自宅の葛飾区上平井から江戸川区西葛西まで野鳥の動向を観察しながら地域の自然再生を考えてみたいと思います。

 当時の東京の河川や海には自然が十分残っていました。荒川では瑠璃色に輝くカワセミが小高い土手の穴から顔を出して魚を狙っていたり、川岸の穴に手を入れれば、ハゼを素手で捕ることができました。

 河川のスーパー堤防構想は、川岸に樹木が生い茂り、水辺にはアシやヨシが自生する広々とした
川辺環境の創生です。これは人間にとっても楽しい自然再生の場と言えるでしょう。

 自然再生のもう一つの鍵は野鳥のケモノ道を再生することと私は考えます。

野鳥達が山から平野をスムーズに移動するのに有利な条件は、
キラキラ流れている水面とその周囲の樹木が適度に生えている街道なのです。

野鳥達は水面を渡る風を利用して川を下ってきますが、この時樹木は隠れ場所として重要なのです。
 もちろん、このスーパー堤防構想は大洪水による壊滅的な被害から都市を守ることを第一義とすることは当然です。

この堤防は市街地を盛土し、堤防の高さの30倍の幅の緩やかな傾斜の盛土地で
災害に強い町づくりと水辺の空間作りを計画するものです。

実際には、堤防から200m~250mの幅の市街地作りとなりますが、用地買収は必要ではなく、
一時的には移りますが、新しい町ができた時点で戻る計画です。

 2010年度の事業仕分けで、当時の蓮舫行政刷新担当大臣は、「200年に一度の大洪水を想定するのは百歩譲ってわかるが、全部の完成までに400年かかるというのは現実的なのか。」とスーパー堤防は廃止と判定されたのです。

 東日本大震災の津波被害の教訓を踏まえ首都直下型地震では、東京湾も大津波が起こる危険が高いと修正されました。この構想は東日本大震災のような大津波に対しても必要なのは当然と考えます。

 スーパー堤防の意義は、治水による強い町づくり構想の一環と位置づけられるとともに
私は野鳥のケモノ道復活が自然再生の切り札となると考えています。

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テーマ : スーパー堤防事業

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