コラム

 公開日: 2016-04-19  最終更新日: 2016-06-19

【注意】プラチナでも金属アレルギーの原因になる!?

わたしのところには、金属アレルギーだから指輪をつけることを諦めている、という方が多く相談に来られます。

中でも、多くいただくご相談は、

「結婚指輪として買ったプラチナの指輪で金属アレルギーが出てしまうのですが、、」

というお話です。

ですので、今日は、ウェディングジュエリーとして、世の中の90%以上を占めるプラチナについて、金属アレルギーの原因と対策のお話をしたいと思います。


プラチナは白金?ホワイトゴールドとは何か?

よく混同される方がいらっしゃるので、まず、この説明から始めたいと思います。

というより、そもそもひと昔前のジュエリー屋さんが、混同するようにネーミングをしたという悪しき原因がありますので、説明しておかなければなりません。

まず、プラチナというのは、日本語の表記では白金(はっきん)のことです。これは例えば銀をシルバーというのと同じことです。

一方で、ホワイトゴールドというのは、翻訳すると白い金となるので白金とよく混同されがちですが、まったくの別物です。ホワイトゴールドというのは、金(ゴールド)に混ぜ物をして白い色に変えたものです。混ぜ物には昔はニッケルが、最近はニッケルが規制されたことを受けてパラジウムが使われます。

これは、プラチナが工業用途(特に自動車の排気ガスフィルター)に使われ、一気に価格上昇した1990年代に、高価になったプラチナに変わって安価な代替品として開発されたのがホワイトゴールドだという背景があります。

ニッケルやパラジウムは、どちらも金に混ぜると金の黄色味を消す脱色効果があります。重量比で金75%に対して、ニッケルまたはパラジウムを25%以上を混ぜると、真っ白な合金になります。

ニッケルはいまでこそ金属アレルギーの原因になる物質として規制を受けて使われることはありませんが、パラジウムはまだまだ添加物として使われています。14金ホワイトゴールドなどをよく見かけますが、これは24分率で14/24=58.3%が金、残りがパラジウムです。

このホワイトゴールドは地金の原価で言ったらプラチナの約半分で済むので、ジュエリー屋さんに薦められた方も多いのではないでしょうか?

しかし、この後で説明しますが、このホワイトゴールドに混ぜられたパラジウムが金属アレルギーの原因になることが多いのです。


金属アレルギーの原因となるパラジウム

では、プラチナであれば安心なのか?

というと、そうでもなく、一般的なプラチナにも、パラジウムが混ぜてあることが多いです。

世の中に出回っているプラチナジュエリーの95%以上は、プラチナ90%-パラジウム10%の合金、プラチナ900と言われるものです。

宝飾品の裏側にPt900という刻印がされているのを見たことがある方もいるのではないかと思いますが、これがプラチナ90%-パラジウム10%合金です。

プラチナは純粋な状態では柔らかすぎるために、何かを混ぜないと宝飾品として成り立ちません。そこで手頃でかつ、少しの添加量で硬さが出るパラジウムを混ぜてあるわけです。

ですので、宝飾品として出回っているプラチナ900も、ホワイトゴールドも、どちらもパラジウムが含まれている、ということになります。

このパラジウムは、リンパ球幼若化テストという金属アレルギー検査を行なうと、約半数の人が陽性反応が出る、と言われているほど、金属アレルギーになりやすい金属です。


パラジウムの危険性

パラジウムは歯科用金属として、よく使われていますが、歯科用金属のパラジウムに対する金属アレルギー反応が多く報告されています。

いわゆる銀歯と言われるものが、金と銀と銅とパラジウムの合金で出来ています。

宝飾業界では、まださほど厳しくはないのですが、歯科業界の特に医療先進国のドイツなどでは、パラジウムの使用について、「幼児及び妊婦に、銅を含有するパラジウム合金と、水銀・銀アマルガム合金を使用しない」という勧告を出しているほど、パラジウムは安全性に疑問がもたれており、現在ではほとんど使用されていないようです。

日本では、まだまだ使われているパラジウムですが、おそらく近い将来、まず歯科業界では使われなくなるでしょうし、宝飾業界でも遅かれ自粛の動きが出てくるでしょう。

ひと昔前は、ニッケルが同じような経緯で宝飾品には使われなくなりました。

しかも近年、宝飾業界では、パラジウムに力を入れて販売しようという動きが出ています。国際パラジウム協会というアメリカの団体が日本にも本格的に進出してきました。

ですので、プラチナジュエリーを選ぶ際は、混ぜ物が何なのか?パラジウムが混ぜられていないのかどうかを、確認することをおすすめします。


パラジウムを使わない場合、どうしたらいいのか?

プラチナは、何かを混ぜないと、柔らかすぎて宝飾品には使えないという話をしました。

純プラチナは、針金と同じぐらい柔らかいです。針金は軟鉄や純アルミで出来ていますから、硬度は純プラチナ同じぐらいです。当然、身に着けているうちに曲がったり歪んだりしてしまいます。留めた石も落ちてしまいます。

ですので、パラジウム以外のものを混ぜてプラチナを硬くする場合に、何を混ぜて硬くしたらいいのか、という話をしたいと思います。

プラチナに混ぜて硬くする作用のある金属を挙げると、
ルテニウム
イリジウム
パラジウム

コバルト
ニッケル

あとは変わったものでは、アンチモンなども硬くする効果があります。

銅、コバルト、ニッケルは金属アレルギーの原因になるので、除外したほうがいいでしょう。すると、ルテニウムとイリジウムが残ります。

ですので、金属アレルギーの原因になりづらいプラチナは、

・プラチナ950-ルテニウム50合金
・プラチナ900-イリジウム100合金

の2つの合金が挙げられる事になります。

ルテニウムは、少量の添加でも大きく硬度を上げる効果があるので、5%だけを添加したプラチナ950-ルテニウム50という組成で用います。しかも鍛造加工を施すことによって硬度の上昇が大きいです。

一方でイリジウムは、硬度を上げる効果がルテニウムほど大きくなく、10%を添加して、プラチナ900-イリジウム100という組成で用います。

欧米のブランドで地金に気を使っているところはPt950を使うところも増えてきました。鍛造を謳っているブランドのPt950は、ルテニウム5%を添加した合金のようです。

一方で、プラチナ950-ルテニウム50は、偏析しやすく、鋳造の湯流れも悪く、鋳造加工による大量生産には向かないというデメリットもあります。


プラチナにさえ金属アレルギーが出てしまう方も

ここまでは、プラチナに混ぜたパラジウムという金属が、金属アレルギーの原因になるという話をさせていただきましたが、プラチナ自体に金属アレルギーが出てしまう方もいるということを、書き加えておきたいと思います。

元素周期表を見ても、プラチナは、10族に上からニッケル、パラジウム、プラチナ、と並んでいるので、これらはお互いに性質が似ています。



下に行くほどイオン化傾向が低いのでニッケルよりもパラジウムのほうが金属アレルギーの原因になりにくく、パラジウムよりもプラチナのほうが金属アレルギーの原因になりにくいのですが、それでも完全に大丈夫ということではありません。

つまり、純プラチナや、前述のプラチナ950-ルテニウム50合金やプラチナ900-イリジウム100合金は、プラチナ900ーパラジウム100ほど金属アレルギーの原因にはなりづらいですが、それでも金属アレルギー反応がでてしまう過敏な人もいるということです。


プラチナに金属アレルギーが出てしまう方におすすめの金属

プラチナにさえ、金属アレルギー反応が出てしまう方には、金属アレルギーの心配が全くない「タンタル」や「ハフニウム」という金属がおすすめです。

この2つの金属は、プラチナが溶けてしまうような強酸にさえ溶けないという、非常に高い耐食性を持ちます。

現在、お持ちのプラチナの結婚指輪をご持参いただけましたら、全く同じデザイン(もしくはサイズ変更なども可)で、タンタルやハフニウムの素材で、結婚指輪をお作りさせていただきます。どうぞご相談ください。



また、「タンタル」、「ハフニウム」について詳しくは、こちらの記事「【保存版】金属アレルギーにならない指輪の選び方」「金属アレルギーにならない指輪の選び方」に、金属アレルギーのメカニズムと併せて説明をしていますので、どうぞ、お読みください。



金属アレルギーにならない結婚指輪
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〒150-0034
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ホームページ:http://ringology.org/
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*ご来店いただかなくても、メールのやり取りだけで遠方からでも、ご注文可能です。お気軽にお問い合わせください。




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