コラム

 公開日: 2015-12-23  最終更新日: 2016-01-23

サージカルステンレスの金属アレルギーに注意!

最近、「サージカルステンレスのピアスを着けていて金属アレルギーの症状が出てしまった」、というお客さまが相談に来られました。

世の中の廉価なアクセサリーには、サージカルステンレスだから金属アレルギーの心配がないと謳った商品が多く、前々から大丈夫か?と思っていました。

また、それらのサージカルステンレスの商品説明の文面上は、僕のところで扱っているタンタルやハフニウムとほとんど同じように見えますので、裏付けを元にちゃんと書いておかなければと思った次第です。


サージカルステンレスとは?


サージカル=医療用の、ステンレススティール=錆びない鉄という意味で作られた言葉で、医療用メスやその他様々な医療用器具に使われている合金です。ピアスを開ける器具ピアッサーも、このサージカルステンレスで作られていることが多いです。

鋼材の規格としてはSUS316という合金ですので、医療用以外にも、海水による腐食に強く、海水ポンプ、配管部材、船舶部品、バルブなどにも広く用いられています。

SUS316は組成としては、クロムが18重量%、ニッケルが12重量%、モリブデンが2.5重量%、残りの67.5重量%は鉄です。

モリブデンとクロムの添加によって、耐食性を向上させた鉄、という訳ですが、組成を見ても分かる通り、金属アレルギーの代表的な金属であるニッケルが12%含まれていますし、鉄も金属アレルギーの原因になりやすい金属です。


サージカルステンレスは危険?


それでは、サージカルステンレスは、金属アレルギーの原因となりうる可能性はどの程度なのでしょうか?

これは、個人差もあるので、一概には言えないのですが、クロム18%・ニッケル12%・モリブデン2.5%、鉄67.5%という合金組成からおおよその傾向は測れるでしょう。

それは、一般的なステンレス(SUS304=クロムが18%、ニッケルが8%、残りの74%は鉄)よりは、いくらか金属アレルギーやその他金属の腐食による問題に配慮している、という程度です。

鉄ベースの合金という点で、どう見ても工業的に量産を考慮した安価な材料ですし、もっとモリブデンやクロムの量を増やして耐食性を向上させたステンレスはいくらでもあります。

更に、高純度鉄と高純度クロムの2元合金で、不純物を限りなく減らしてゆくと、耐食性はもっと向上します。もちろん鋼材の価格は高くなりますが。

ですので、サージカルステンレスというのは、医療用器具として、ある程度以上の耐食性を確保しつつ、一方で大量生産可能な安価な材料で、機能とコストがバランスしている材料ということが言えます。

事実、医療用メスや鉗子など、手術時に生体に数時間程度触れるものにはサージカルステンレスが使われますが、インプラントや人工骨など半永久的に生体内に埋め込まれるようなものにサージカルステンレスが使われることはありません。

インプラントや人工骨の金属材料にはもっと高価なチタンや、コバルト×クロム合金、タンタルなどが使われる訳です。

だからといってサージカルステンレスが危険だとは言いませんが、サージカルステンレスだから安全とはならないのです。


金属アレルギーの原因になりやすい順に並べると


金属素材で金属アレルギーになりやすいものを(つまり腐食しやすいもの)、順番に挙げると、

一番金属アレルギーになりやすいのが、
ニッケル、

それから

コバルト
スズ
水銀
パラジウム
クロム

アルミニウム

と並んで、そのあとに


モリブデン
タングステン

次に貴金属である

プラチナ
イリジウム



そして、バルブメタルという金属群がさらに安全で、

チタン、
ジルコニム、
ハフニウム、
ニオブ、
タンタル

というような順になります。

ですので、サージカルステンレスを使うぐらいだったら、僕ならば少なくともニッケルを混ぜないで純モリブデンを使いますし(純モリブデンの価格は純チタンと同程度)、代官山工房では金属アレルギーの原因にならないことを宣言している以上、貴金属とバルブメタルしか用いないのです。


人工心臓などに使われる医療用素材『タンタル』


弊社では、2011年に人工心臓などに使われる医療用素材『タンタル』を技術転用し、「金属アレルギーの原因にならない指輪」を開発しました。

開発時は年間10件程度だった金属アレルギーについての相談は、5年間で10倍以上に急増。2015年は、136名の方が相談に訪れました(12月初旬時点)。

当社における金属アレルギーについての相談者数の推移は、以下のようになっています。

2011年:12名
2012年:17名
2013年:58名
2014年:109名
2015年:136名(12月初旬時点)

そして、タンタルの指輪で金属アレルギーが発症したという報告は皆無です。

さらに、プラチナに比べて色が黒いタンタルよりも、「もっと色が白い金属素材は無いか?」 という要望を受けて、タンタルとほぼ同じ性質を持つ白い金属『ハフニウム』に着目。ハフニウムの指輪も開発しました。

結果、「一生、指輪を着けられないと思っていた」という金属アレルギーの相談者から、たくさんの喜びの声をいただいております。


こちらの代官山工房ホームページでは、制作事例とお客さまの声を、写真画像付きで公開しています。最近はご注文数が多く、3日~5日おきに新しく更新していますので、どうぞご覧ください。
↓    ↓
http://ringology.org





金属アレルギーにならない結婚指輪
RINGOLOGY 代官山指輪工房
〒150-0034
東京都渋谷区代官山町20-6-203 代官山駅から徒歩1分

ホームページ:http://ringology.org/
担当者直通TEL:080-7826-6811(365日 8時~23時)
MAIL:taiyo.chikyu@gmail.com
問い合わせフォーム:http://ringology.org/grape1/(365日 24時間)

*土曜日・日曜日・祝日は、予約枠が埋まりやすいので、お早めにご連絡ください。

*月間の制作数は13組が限界です。そのため現在、ご注文から完成まで3.5ヶ月をいただいておりますので、お早めにご連絡ください。

*ご来店いただかなくても、メールのやり取りだけで遠方からでも、ご注文可能です。お気軽にお問い合わせください。

この記事を書いたプロ

東京ダイヤモンド株式会社 [ホームページ]

ジュエリーデザイナー 廣瀬一京

東京都渋谷区代官山町20-6-203 [地図]
TEL:080-7826-6811

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