コラム

 公開日: 2014-07-07  最終更新日: 2016-06-19

【素材比較】タンタル VS ハフニウム どっちを選ぶ??

「金属アレルギーの心配がない結婚指輪がいいので、タンタルかハフニウムのどちらにするか迷っている」

「それぞれのメリットとデメリットを教えて欲しい」

という質問をよくいただきますが、同じようにお考えの方はいらっしゃるのではないでしょうか?


こちらの記事「金属アレルギーの方に朗報!金属アレルギーにならない結婚指輪」でもお話している通り、タンタルとハフニウムは、金属アレルギーの心配が無い素材ですが、どちらも、インターネットで検索しても、詳しい情報が見つからないし、取り扱っているところもほとんど無いので、判断基準が分からないのではないかと思います。

せっかくの結婚指輪ですから、慎重に決めたいですし、選んだ後で後悔したくはないものです。


そこで、僕がこれまでに8年をかけて研究、開発してきたこの2つの希少金属、タンタルとハフニウムについて比較し、検討の材料を提供したいと思います。


金属アレルギーの発生しやすさについて


タンタル、ハフニウム、ともに不動態膜が強固であり、非常に化学的に安定している為、どちらも金属アレルギーの心配がありません。

世の中に「絶対に」ということはありませんが、理論的にはどちらも金属アレルギーになる要素が存在しません。

そして、これまでに、どちらも金属アレルギーが発症した例もありません。

ちなみに、タンタル、ハフニウムは非常に珍しく、日常的な場所では触れる事が想定されていないので、金属アレルギーのパッチテストの項目にさえも存在しません。

では、どうやって確かめたらいいのか?ということになりますが、手軽な金属アレルギーのテスト方法として、「Oリングテスト(キネシオロジーテスト)」を行なう医者の方もいらっしゃるようなので、試してみてもいいかもしれません。

Oリングを使った金属アレルギーのテストは、こちらのサイトなどが詳しいです。
http://www.metal-allergy.jp/

専門家の僕から、お伝え出来ることがあるとすれば、この2つの金属は金属アレルギーのテストをする必要さえないということです。それは例えば、セラミックの素材について金属アレルギーのテストをする必要がないことと同じだからです。


重さについて


タンタルもハフニウムも、どちらも私のところでは、純度99.9%以上のものを使いますので、それぞれの重さは、密度そのままとなります。

タンタルは1立方センチメートルあたり16.5g、ハフニウムは1立方センチメートルあたり13.3gです。指輪ひとつあたりの体積は、サイズや幅によっても異なりますが、だいたい0.5立方センチメートルぐらいなので、タンタルは指輪ひとつで8グラムちょっと、ハフニウムは7グラム弱と言う事になります。

どちらもシルバーなどに比べてズッシリとした重みがあります。


硬さ・丈夫さについて


タンタルに比べて、ハフニウムのほうが硬いです。

ビッカース硬度という金属の硬さを表す指標で言うと、タンタルはHV130~HV150ぐらい、ハフニウムはHV200ぐらいです。

この硬さは、例えばプラチナと比較すると分かりやすいのですが、プラチナのビッカース硬度はHV70ぐらいなので、プラチナでは変形してしまうような細いデザインでもハフニウムなら変形しづらいものが出来上がることになります。

また、硬いということは、キズがつきづらいということでもあります。特にハフニウムは、つくキズが小さくて済みます。ただタンタル、ハフニウムいずれにしても金やプラチナなどの貴金属の2〜3倍の硬さがあるので、非常に丈夫ということが言えます。


希少性について


希少性、といった場合、地殻存在度と、市場的な希少性の2つの尺度があると考える事が出来ます。

タンタルの地殻存在度は1.7ppm、ハフニウムの地殻存在度は3.3ppmなので、タンタルのほうがハフニウムの半分ぐらいしか、地殻には存在しないという事になります。

ppmとは、百万分の1を表す単位なので、地球の岩石を1トン用意すると、平均してタンタルは1.7グラム、ハフニウムは3.3グラムが含まれていると言う事になります。

比較材料として、チタンは6100ppmなので、ハフニウムもタンタルも、ものすごく希少な事が伺えます。

市場的な存在度に関しては、ハフニウムを扱うのは世界でただひとつ、僕のところだけなので、まだハフニウムは30ペアぐらいしか存在しません。タンタルは、300ペアぐらいは存在しているはずです。


価格について


タンタルのグラム単価は約200円/1グラム、ハフニウムは約1200円/1グラムです。

ただし、どちらの金属も大きな塊から指輪を削り出して制作します。しかも非常に高価な材料から効率よく指輪を削り出すために、以下の写真のようにペアリングの場合はひとつの材料から2つのリングを切り出します。


ハフニウム材料
レーザー加工でカット

ハフニウム材料
内と外が、それぞれ指輪に

ハフニウム材料
指輪形状に削り出し

この1つの材料から、2つの指輪を切り出して作る方法は、こちらの記事に詳しくまとめています。
http://ameblo.jp/ringology/entry-11825485591.html

ですので、価格としては、ひとつのみをお作りする場合と、同じ材料でペアリングを作る場合とで、異なることになります。

タンタルは、
指輪を1つのみお作りする場合は、17万円~、
ペアでお作りする場合は、30万円~。

ハフニウムは、
指輪を1つのみお作りする場合は、19万円~、
ペアでお作りする場合は、34万円~、となります。



加工をする僕の感想


タンタル、ハフニウム、ともに、ロウ付けが困難で、熔接も非常にむずかしい素材なので、どちらも金属の塊を削り出して、指輪にします。

加工しやすさ、という点でいうと、ハフニウムのほうが素直であり、比較的切削性もいいので、やりやすいです。

タンタルは、ものすごく加工が困難です。NC加工機を使って自動で大量に切削ということはほぼ不可能ですし、切削をする際の刃物がどんどん消耗してゆきます。

世の中に、タンタルやハフニウムを扱うメーカーが無いのは、この加工のしづらさ、加工設備の特殊性によります。


鉱物の産出について


タンタルは、ニオブとともに、コルンブ石として産出します。ニオブよりタンタルの含有量のほうが多いものをタンタル石と呼びますが、産出量としては稀です。僕が用いているタンタルは、オーストラリアで産出したものを用いています。

ハフニウムは、ジルコニウムとともに、ジルコンとして産出します。僕が用いているハフニウムは、南アフリカで産出したものです。

ちなみに岐阜県苗木地方で見出される世界で最も多くのハフニウムを含有する苗木石には、最大で7%のハフニウムが含まれます。(余談ですが、苗木石から精製したハフニウムは出回っているのを見かけたことはありませんが、僕の地元なので、いつか鉱石を掘ってハフニウムを精製してみたいものです。)


見た目について


タンタルは、すべての金属の中で最も黒い金属です。

一方で、ハフニウムは、プラチナに次ぐ白さです。チタンやジルコニウムよりも明るい色調です。

どちらも磨き上げると、非常に美しく輝きます。

従って、黒い輝きを選ぶならタンタルを、白い輝きを選ぶならハフニウムを選ぶといいと思います。



まとめると、金属アレルギーの心配、という点ではどちらもクリアしていますが、ハフニウムのほうが白くて、やや価格が高く、市場的な希少性も高い。

一方で、タンタルのほうが、黒い輝きがデザイン的には渋くて、ずっしりと重い、という事になります。


タンタル 結婚指輪
タンタルの指輪


ハフニウム 結婚指輪
ハフニウムの指輪


結論としては、どちらの方が、機能的に見て優秀だということはありません。好みで選んでいただくという事になります。



ほかにも金属アレルギーの心配がない、タンタル、ハフニウムの指輪は、こちらで見る事が可能です。
http://ringology.org/


代官山までお越しいただけましたら、タンタル、ハフニウム、どちらも実際に手に取ってご覧いただく事が可能です。

ご予約が必要ですが、お気軽にお問い合わせください。



金属アレルギーにならない結婚指輪
RINGOLOGY 代官山指輪工房
〒150-0034
東京都渋谷区代官山町20-6-203 代官山駅から徒歩1分

ホームページ:http://ringology.org/
TEL:090-3581-0401(365日 8時~23時)
MAIL:taiyo.chikyu@gmail.com
問い合わせフォーム:http://ringology.org/grape1/(365日 24時間)

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