コラム

 公開日: 2014-07-05  最終更新日: 2016-06-19

【注意】パラジウムが金属アレルギーの原因になる!?

最近、よく、

「パラジウムが金属アレルギーの原因になるって、本当ですか??」

という、ご相談をいただきます。


そこで、今日はパラジウムの金属アレルギーについて、詳しく書きたいと思います。


実のところ、最近、宝飾業界では、パラジウムに力を入れて販売しようという動きが出ています。国際パラジウム協会というアメリカの団体が日本にも本格的に進出してきました。

確かにパラジウムは、プラチナと似た白い輝きで、プラチナよりも安いという点で、魅力的です。しかもジュエリーメーカーにとっては、原価も安いので力を入れたい気持ちも分かります。

実際、2014年6月の時点で、プラチナの相場価格が5200円/1グラムに対して、パラジウムの相場価格は2800円/1グラム。しかも、プラチナの比重21.5に対して、パラジウムの比重は12なので、同じ体積のジュエリーを作ろうと思うと、重さも約半分、価格も約半分で、4分の1の原価で作れることになります。

ところが、金属アレルギーの原因という点で見ると、パラジウムには注意が必要です。


パラジウムが金属アレルギーの原因になる


実際、リンパ球幼若化テストという金属アレルギー検査を行なうと、約半数の人がパラジウムについて陽性反応が出る、と言われています。

宝飾業界では、さほど厳しくはないのですが、例えば歯科業界の特に医療先進国のドイツなどでは、パラジウムの使用について、「幼児及び妊婦に、銅を含有するパラジウム合金と、水銀・銀アマルガム合金を使用しない」という勧告を出しているほど、パラジウムは安全性に疑問がもたれており、現在ではほとんど使用されていないようです。

日本では、まだまだ使われているパラジウムですが、おそらく近い将来、まず歯科業界では使われなくなるでしょうし、宝飾業界でも遅かれ自粛の動きが出てくるだろうと、僕は予想しています。ひと昔前は、ニッケルが同じような経緯で使われなくなりました。(今となってはニッケルは金属アレルギーの原因の代表的な金属です)

元素周期表で見ると、パラジウムは、上にニッケル、下にプラチナという位置に並んで、ニッケル族と言われています。パラジウムは、ニッケルにもプラチナにも似ている、というわけです。


パラジウムが含まれる宝飾品


そんなパラジウムですが、宝飾品にはかなりの割合で含まれています。

まず、プラチナ900。
プラチナ900、Pt900と表記されたりしますが、世の中のプラチナ製品のほとんどは、このプラチナ900であり、プラチナ90%+パラジウム10%の合金です。プラチナにパラジウムを混ぜると適度な硬さに調整できるので、宝飾品には好んで使われています。宝飾用のプラチナの95%以上が、このプラチナ900です。

次によく見るのが、ホワイトゴールド。
ホワイトゴールドは、WG18KとかWG14Kのように表記されることが多いですが、これは金とパラジウムの合金です。WG18Kは金75%+パラジウム25%の合金、WG14Kは金58%+パラジウム42%の合金です。
ホワイトゴールドも、高価なプラチナの代替材料として、宝飾品によく用いられています。

シャンパンゴールド。
シャンパンゴールド、と呼ばれる淡い金色の金属も、パラジウムと金の合金です。場合によって銀も混ざっていることもあります。

ピンクゴールド
ピンクゴールドは、金と銅とパラジウムの合金です。

その他、稀に、シルバーに混ぜてあることもあります。
パラジウムは、白くて美しい見た目であるだけでなく、金の色味を白色にする効果や、銀の硫化、銅の酸化、サビなどを抑制する働きがあるため、宝飾用の金属に好んで混ぜられています。例えばゲルマニウムシルバーには1%のパラジウムが添加してあって、黒色硫化を防ぐ役割を果たしています。


有用なパラジウム


ここまで書くと、パラジウムがいかにも危険な金属のような印象を与えてしまっているかもしれませんが、それは金属アレルギーの人にとってはお勧めしない、ということに限った話です。

金属アレルギーの心配がない人にとっては、パラジウムは全く問題がありません。むしろ錆びない、美しい、プラチナより軽くて安いなど、メリットの方が大きいので、宝飾業界でも力を入れているのだと思います。

僕自身は金属アレルギーを発症しないので、いろいろな金属にパラジウムを混ぜて、錆びなくさせたり、色の調整をしたり、パラジウムを取り扱うことが大好きです。機能的には、とても有用な金属だと思います。

ちなみに、半分の人にパラジウムの金属アレルギー反応が出ると言われていても、反応の軽重の差があると思いますし、世の中にはパラジウムよりも金属アレルギーの原因になりやすい金属はゴマンとあって、例えば100円玉や500円玉はニッケル合金ですし、ステンレスにはニッケルとクロムが含まれています。


パラジウムフリーのジュエリー


パラジウムフリーとは、パラジウムがフリー(無い)ということです。パラジウムを含まないジュエリー用の金属がありますので、書いておきたいと思います。

イリジウム×プラチナ合金(Pt900-Ir100)
まず、プラチナをイリジウムで割った、イリジウム×プラチナ合金が挙げられます。イリジウムを10%添加して、適度な硬さを与えたプラチナです。このイリジウム×プラチナ合金は、パラジウムフリーで金属アレルギーの心配が少ないだけでなく、金属の色がパラジウム×プラチナ合金よりも白くて美しいことが特徴です。価格はパラジウム×プラチナ合金よりも1割増しぐらい高価です。
ただし、プラチナやイリジウムに金属アレルギー反応が出る方もごく稀にいらっしゃいますので、金属アレルギーテストをおすすめします。

チタン
金属アレルギーにならない金属の代表のような素材がチタンです。ただし強アルカリや、海水でわずかに腐食するので、ごく稀にチタンでも金属アレルギーが発症する方はいらっしゃるようです。色は灰色で、ごくわずかに茶色っぽい色味が含まれています。世の中にはチタンジェリーと言われていても、部品の中にチタン以外のものが含まれていて(真鍮やステンレスなど)、それらが金属アレルギーの原因になることもあるので、オール純チタンであることを確認した方がいいです。

ハフニウム
プラチナと同じ周期に位置している希少金属(レアメタル)である、ハフニウムも宝飾用の素材として美しく、安全性が確証されています。色はプラチナほどの白さではありませんが、金属アレルギーにならない素材の中では、もっとも白い金属です。硬さもプラチナの2.5倍ぐらいあるので、キズや変形に強いのも特徴です。

タンタル
タンタルもプラチナと同じ周期に位置している希少金属(レアメタル)で、宝飾品として重厚な高級感があり美しい素材です。酸にもアルカリにも全く溶けないので(唯一フッ酸にのみ微溶)、まったく金属アレルギーの心配がありません。ただし色が重厚な黒色をしているので、好みが分かれます。硬さはプラチナの2倍ぐらいあり、キズや変形にも強いです。


ですので、金属アレルギーに困っている方は、宝飾店でパラジウムを含まないものを相談されるといいと思いますし、僕のところでは上記のイリジウム×プラチナをはじめ、まったく金属アレルギーにならないタンタルやハフニウムを扱っていますので、ご相談ください。


以上、パラジウムと金属アレルギーのお話でした。



追伸:


この記事を書いた後、

「パラジウムの金属アレルギーはどれぐらいひどい状態になるのでしょうか?内蔵などにも悪影響は起こるのでしょうか?」

というご相談をいただきました。

これについては、人によって金属アレルギーの程度は違いますので、一概に言うことは出来ないのですが、軽い症状の方は着けている部分のみが赤く腫れる(炎症が起こる)というものです。

人によっては身につけた部分以外にもかゆみや発疹が広がる場合もあります。ただ、食品によって重金属が取り込まれる場合とは違うので、内蔵などに悪影響が出ることは、ほとんど無いと言えます。



金属アレルギーにならない結婚指輪
RINGOLOGY 代官山指輪工房
〒150-0034
東京都渋谷区代官山町20-6-203 代官山駅から徒歩1分

ホームページ:http://ringology.org/
担当直通TEL:080-7826-6811(365日 8時~23時)
MAIL:taiyo.chikyu@gmail.com
問い合わせフォーム:http://ringology.org/grape1/(365日 24時間)

*土曜日・日曜日・祝日は、予約枠が埋まりやすいので、お早めにご連絡ください。

*ご来店いただかなくても、メールのやり取りだけで遠方からでも、ご注文可能です。お気軽にお問い合わせください。

この記事を書いたプロ

東京ダイヤモンド株式会社 [ホームページ]

ジュエリーデザイナー 廣瀬一京

東京都渋谷区代官山町20-6-203 [地図]
TEL:080-7826-6811

  • 問い合わせ
  • 資料請求

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

0

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
 
このプロの紹介記事
東京ダイヤモンド株式会社の代表 廣瀬一京さん

ジュエリーデザイナー、マーケティングディレクターという異なる分野で活躍(1/3)

 ジュエリーデザイナー、マーケティングディレクターという全く異なる二つの肩書きを持ちながら、双方の分野で話題を集める廣瀬一京さん。東京ダイヤモンド株式会社の代表、ジーニアスファクトリージャパン株式会社の執行役員として活躍する彼の足跡を辿るこ...

廣瀬一京プロに相談してみよう!

朝日新聞 マイベストプロ

金属アレルギーにならないレアメタル素材によるジュエリー制作

会社名 : 東京ダイヤモンド株式会社
住所 : 東京都渋谷区代官山町20-6-203 [地図]
TEL : 080-7826-6811

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

080-7826-6811

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

廣瀬一京(ひろせいっけい)

東京ダイヤモンド株式会社

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる このプロに資料を請求する
プロのおすすめコラム
2016年・2017年、年末年始も休まず営業いたします。

気付けば今年もあと2ヶ月。 つい先日まで真夏だったはずなのに、急に冬の訪れを予感するような、そんな季節に...

[ 営業日・営業時間 ]

鍼灸によるヒフの炎症。金属アレルギーかも。

鍼灸治療とは東洋医学で用いられる治療法のひとつで、鍼や灸で体表のツボから刺激を与え、さまざまな病気を改善し...

[ アレルギー対策用ジュエリー ]

じんましんの原因は何?金属アレルギーかも

突然、蚊に刺されたような大小の赤い発疹が発症し、強いかゆみが起こるじんましん。その特徴は全身のあちこちに現...

[ アレルギー対策用ジュエリー ]

結婚指輪も気をつけなければいけないアトピーの症状

アトピー性皮膚炎は現代社会に増え続け、もはや国民病ともいえるアレルギー疾患です。子どもの時にかかって大...

[ 指輪とアレルギー ]

金属アレルギーと間違う主婦湿疹とは?

手は乾燥、水仕事、紫外線など常に刺激を受けやすく、またいろいろな物に触れる機会も多いので肌トラブルも発症し...

[ アレルギー対策用ジュエリー ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ