コラム

 公開日: 2013-05-20  最終更新日: 2014-07-31

初夏訪中修行(八)

訪中三日目、前日の遠出が祟り、朝起きたらぐったり疲れていました。

今日は近場で練功しようと思い、とりあえず朝食を摂りにいつもの軽食チェーン店へ。

■朝ごはんの素菜包子と皮蛋(ピータン)痩肉粥
素菜包子と皮蛋(ピータン)痩肉粥

このお店は、伝統的な内装が気に入っていたのですが、最近改修して近代的な内装になってしまったので、少し寂しいです。

軽く食べて近くの公園に向かうと、この日は強風でした。

柳の樹の綿と砂埃で、目と鼻と耳が耐えられません。。

「ううっ、どうしよう……」

困りましたが、困ってもどうしようもないので、なんとか風の弱い場所を探して八卦掌の練功を開始。

北京郊外の公園

しかし、強風に煽られて全身を打ちつけてくる、柳の綿と砂埃の攻撃に15分と耐えられず、やはり地下鉄に乗って再び天壇公園へ向かうことにしました。

北京の春から初夏にかけては、風が強く砂埃が立つので、我々練功者にとっては辛い時期です。

まだ氷点下の極寒の方がましです。

砂埃を防ぐためか公園の地面をどんどんコンクリートで覆っていくので、全体的に考えると植物が育ちにくくなり、緩やかに悪化していると思います。

しかし、現地で生活している人たちの苦しさを考えると、一概に良い悪いとは言えません。

とにかく、師にお会いするまでにしっかり練功に取り組まなければならないので、すばやい決断が求められます。

私はそのままホテルには戻らず、地下鉄に乗りました。

気分が優れなかったので、向かう途中にある『前門』という観光地に少しだけ寄ろうと思いましたが、降りたらこれまた凄い強風で、吹き飛ばされそうになりました。

■北京市内の観光地『前門』
北京市 前門

せっかく降りたので、様子だけでも見ようと門に入ってみましたが、一見して『中華街』の雰囲気だったので、すぐに引き返しました。

北京市 前門

私には、前日見学した『南锣鼓巷』の方が新鮮だったようです。

貴重な時間に寄り道をしてしまい、自己嫌悪になりそうになったので、急いで地下鉄に乗り、目的地へ向かいました。

「天壇公園へ行きさえすれば、なんとかなるはずだ……」

もう決死の思いです。

そして、すでに空腹です。

天壇公園内には飲食店が無いので、入場する前に近くの吉野家で牛丼を食べました。

吉野家を出たところで、スターバックスで日光浴をしながら寛いでいる外人さんグループを発見。

北京のスターバックスで寛ぐ観光客

私には、神々しくすら見えました。

太極拳や八卦掌を学び始めてから、まったく西洋文化に興味を失っていましたが、ここにきて西洋人の方の習慣に深く興味を抱くようになりました。

私はいつも時間に追われて、あくせくしています。

たった30分、ゆっくりカフェで過ごす心の余裕もありません。

楽しむことに、罪悪感すら覚えます。

ストイック、というと響きは良いですが、単純に心の隙間を感じるのが怖いのです。

深く反省です。

「闇を見つめよ」

という最初の師の言葉で心が救われ、本当の生き方を見い出せたのに、気がつけばまた、「明るいほうへ、明るいほうへ、頑張れ、頑張れ、右肩上がり!」の価値観に追い回されています。

「違う、こんな生き方は違う!」

何かが強く私を叱りつけました。

しょんぼりとして、とぼとぼと力なく天壇公園に向かいました。

若さに任せて頑張りぬく歳は、もう過ぎました。

来年は38歳です。

疲労する生き方には限界があります。

太極拳論を実践しなければ、と切に思いました。

「太極拳は、労働ではなく、運動である」

この宇宙は、生命の運動場であり、真理を映し出す舞台です。

この苦しみにもきっと意味があるはずだ。

そう思いながら、練功場所へと歩きました。

つづく

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