コラム

 公開日: 2013-05-19  最終更新日: 2014-07-31

初夏訪中修行(七)

訪中二日目、まだ中国に入国して24時間余りしか経っていませんが、なんとか北京市内にある天壇公園に到着しました。

シニア観光団体と一緒に入場。

天壇公園 チケット

ツアーガイドのお姉さんが、

「公園内には入場券を買わないと入れない特別な建物がありますが、外からでも見れます、私たちは更にお金を出して中に入りますか~?」

とみんなに質問をしており、元気なお爺ちゃんとお婆ちゃんたちは、

「買いませ~ん!」

と声を揃えて返事をしてたので、その光景が楽しくて、思わず途中まで同行してしまいました。

これが、その入場券を買わないと入れない建物の一つの『祈年殿』。

天壇祈年殿

もう何十回も見ていますが、世界遺産だけあって何度見ても心にグッときます。

そして、私が目指していた場所は、武術の練功者たちが集まる松林。

年間を通して比較的静かな場所です。

早朝は色々な門派の武術練功者たちが集まるので、気軽に足を踏み入れられない場所です。

特に、このような道具が設置されてある場所は、辺りを見渡して誰もいないのを確認してから写真を撮って、すぐに立ち去ります。

天壇公園

私はその松林の外周にある、樹の下に隠れられる場所をみつけて、さっそく八卦掌の練功に取り掛かりました。

前日の飛行機移動と、お昼の観光地調査で足が棒のように疲れていましたが、八卦掌の歩法を行うと直ぐに疲労はなくなりました。

お天気は曇りで、徐々に樹の下は暗くなってきましたが、いつも夕方の時間は体が安定しないので、ここぞとばかりに気合いを入れて練功します。

街なかの小さな公園と違って、広大な敷地の天壇公園は、大樹や芝生、各植物、そして公園内の衛生規則に守られているので、空気が澄んでおり、埃もありません。

雄大な歴史と気場を感じられる、今流行の言葉を使うならば、所謂パワースポットです。

私は行動力があるように思われるのですが、意外と単調な生活を送りがちで、同じ飲食店に通いつめたり、同じ映画を何ヶ月も何十回も観たり、同じ服をワンシーズン着たりするので、最近は積極的に変化を受け入れるようにして、順応できるよう意識して生活を見直しています。

一通りの練功メニューを終えると、少し疲れたので、荷物を置いていたベンチに横になって休憩しました。

天壇公園

空を見上げると、木々たちが私を包んでくれいていることに気がつきました。

「人は、本来自由なんだな……」

20代の頃、人生に迷って苦しんでいたとき、よくこう思いました。

「私は心次第で、いつでも、どこへでも行ける。私をさえぎる者は、私自身だ」

そう思うと、生きる勇気が湧いてきたものです。

体一つで中国へ飛び込んで、6年間という長い時間、中国伝統武術界を追い求めた経験を経て、いま思うことは、

「どこへでも行けるけど、自分自身が変わらなければ、どこにいても人生は切り開けない」

ということです。

結局は、自分自身の根元に至るための旅なのです。

心の旅をしなければ、ただ旅行に出掛けても、何も変わりません。

そんなことを考えて、暗くなるまで大きな天壇公園の中で、ひっそりと練功を行いました。

公園を出た頃には、真っ暗になっていました。

天壇公園 東門

観光客はほとんどいなくなり、地元の人たちが公園の入り口付近で管理者の人と話をしたり、門外でダンスをしたりしていました。

中国留学を終えて帰国してから定期的に北京の師のもとへ教えを請いに通うようになって、はや三年が経ちました。

いつも余裕がなく、ホテルと修行場所の行き来しかしていませんでしたが、前回の訪中修行の折に、師より、「もう我武者羅にやるべきときは過ぎた、これからは良く感じ、よく考えなさい」というお言葉を頂いたので、今回は八卦掌だけではなく、勉強不足であった中国という文化を学ぶきっかけを探そう、何か次の段階に進む兆しを感じよう、と心の準備をしようと思いました。

そんなことを考えながら、帰りの地下鉄に乗っていると、女性に乗り換えの方向を聞かれました。

私が太極拳・八卦掌を学び始めてから変わったことは、よく道を聞かれるようになったことです。

昔は、私自身が方向音痴だったので、道を尋ねられることなど皆無でした。

今でも方向音痴は治りませんが、誰かに場所を聞かれたら、一緒に掲示板を見たり、他の人に尋ねたり、携帯やマップを見て答えられるようになりました。

日本では、「ありがとう」と言ってもらえます。

中国では、「謝謝!」と言ってもらえます。

小さなことですが、幸せな気持ちをもらえます。

つづく

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