コラム

 公開日: 2013-03-15  最終更新日: 2014-07-31

春季訪中修行(十)

2013年3月15日、春季訪中修行7日目。

この日の朝も、日本から持ってきた登山用のインスタントお粥を食べて公園に練功に行きました。

訪中八卦掌修行用非常食

このお粥には本当に助けられています。

同じシリーズのご飯物もあるのですが、朝は前日の練功の疲労を感じやすい時間帯なので食べられません。

お粥だと、どんなに眠くても、しんどくても一気に目が覚めて元気になります。

お気に入りは「しらす雑炊」です。

外に出てみると空気が良くなかったので、まず大樹の下で八卦掌の基本功を行いました。

毎日同じリズムで練功をしていると、自分の心がよく見えてきます。

普段の生活で如何に雑念に支配されているか、そして焦りに翻弄されているか、痛いほど見えてきます。

練功を行うことで、つかの間ですが平常心になれます。

そして、ここ数日、外腹斜筋(肋骨と腰骨の間の筋肉)と背筋をかなり使っていることについて考えてみました。

外腹斜筋は訪中修行の度に多少は筋肉痛になるので不思議には思わなかったのですが、背筋は久しぶりの筋肉痛だったので興味深いと思いました。

現在の師である麻林城老師に学び始めたばかりの頃は、試練の真っ最中だったので、連続5時間休憩なしで八卦掌の歩法をひたすら歩かされたりしましたが、その頃は、もうどこが筋肉痛というより、全身筋肉痛、骨以外は細胞と脳みそに至るまで筋肉痛という状態で、朝起きると体が焼けたようになっていました。

しかし、一度も怪我をしたことはありません。

それどころか、年々元気になっていきます。

そんなことを思い出していると、空気が少し澄んできたので場所を変えて練功を続けました。

北京の公園 八卦掌修行

背筋を意識して練功を行っていると、この数日の自分の動きの変化に気がつきました。

まず股関節が開放され、腰がかなり深いところから動けるようになりました。

それだけでなく腰の力が背筋まで伝わるようになり、今までは大きな脚力を必要としていた動きを背の力で行える感覚があります。

「!!!」

そうか、という気づきがありました。

股関節ではなく、「心」を開放してみました。

八卦掌の動きの要求である、

「行走如龍、回転若猴、換勢似鷹、威猛如虎」

(歩法は龍の如く、猿のように機敏に、鷹のように体勢を変え、虎の如く勇猛に)

という師のお言葉が、一瞬乗り移ったように感じました。

「ああ、古文は形容ではなく本当のことだったのだ」

まだまだ私はその真似事すらできませんが、体がそれぞれの動物の特徴を現そうとしはじめています。

そういえば、動物はみな背を使って動いています。

ちょっと集中しすぎたので、午前の練習はここでやめておきました。

気がつけば、もう11時になっています。

昼食を食べて休憩をとってから、午後の練功に向かいました。

午後はまた空気がよくありませんでしたが、それでも站椿功(たんとうこう、立禅)を行っている人がいました。

北京の公園で站椿功(立禅)を行っている人

環境に文句を言っても仕方がありません。

私も頑張って練功を行いました。

以前は公園で動き始めるとすぐに見物人に囲まれていたのですが、最近は遠目で見られるだけです。

邪魔されないので助かりますが、そんなに近づき難い雰囲気を出してしまっているのか、と思うとちょっと反省もします。

さすがの集中力も7日目となると切れてきますが、ここからが本当の修行です。

無になって動くことの大切さを実感します。

焦りも、欲も、不安も、怠け心も無くなります。

というより、静かな状態の中では雑念は浮かび放題なので、放っておくと考え過ぎて飽きてしまい、自然と考えなくなるので、なにも特別なことはしていません。

自分の限界のスピードで動いても、呼吸が乱れなくなってきました。

大気汚染と騒がれていますが、肺活量大解放です。

苦しい動きの中に、徐々に心地よさを見出せるようになってきました。

そして、今日の教訓です。

「練功に疲れて休憩をとるときは、なるべくだらしない姿勢にならないこと!」です。

練功中は体が柔らかくなっているので、休憩中に気を抜いてダラダラ動いていると、一気にバランスが悪くなります。

いくら練功で頑張っても、一日の大半の時間は日常生活を行っているので、そこを見直していかないと中々上達できません。

練功の帰り道で、猫ちゃんが顔を洗っていました。

北京の猫

北京の午後の空

この日でちょうど春季訪中修行の半分が過ぎました。

今までで最も良い状態です。

残り半分、たくさんのことを学んで帰国したいと思います。

つづく

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