コラム

 公開日: 2015-01-07  最終更新日: 2015-01-08

Q.役員登記していないのに役員報酬??

あけましておめでとうございます。

昨年は築地に事務所を移転し、変化の多い一年でした。

今年は更に更に内容の濃~い、充実した年にしたいと思っております。

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。


Q.弊社の社長は、役員登記をしていない社長の父親から経営指導を受けています。タダ働きは申し訳ないので、気が向いたときに社長は父親に20 万円程度報酬を支払っていますが、この度税務調査で「社長のお父様は御社の役員であり、この報酬は損金に算入されない役員給与になります。」という指導を受けました。
登記もされていない役員が、役員とされることなどあるのでしょうか?



A.法人税における役員は、役員登記される一般的な役員(私法上の役員)にとどまらず、一定の要件を満たす使用人などの者も、役員に含まれるとされています。
このような役員(みなし役員)も法人税の計算上は役員とされますので、役員給与税制の制限を受けることになります。



<解説>

取締役など、一般的に役員と言われる方は、会社法などの法律で規定された「役員」です。

このような役員は当然に法人税法上も役員とされますが、それに加え、税法上は「みなし役員」と言われる、会社法などの法律で規定された役員(「私法上の役員」といいます)ではない特殊な者も、役員に該当するとされています。

役員給与に対しては厳格な制限が設けられているところ、単に法人税における役員を「私法上の役員」に限定してしまうと、その制限を安易に逃れることが可能になります。
こうならないよう、「実質的に」役員と同様、会社経営に従事していると考えられる者を、税法上はみなし役員としているのです。

このみなし役員には、下記①及び②の者が含まれるとされています。

① 使用人以外の者で経営に従事している者
会社によっては、雇用関係はないものの、顧問や相談役と言った肩書きを与え、経営相談等を行っている者として報酬を与えることがあります。

中には、先代社長の引退に伴い、その先代社長が後継社長に助言等をすることを目的として、先代社長が相談役や顧問として経営に携わることも見られます。
一般的に、顧問や相談役という肩書きが付与されているだけでは、みなし役員には該当しないとされていますが、顧問や相談役となっている先代社長などの中には、いわゆる「相談」や「顧問」の業務範囲を超え、未だ会社経営に実権を持っている、といったケースもあります。

このような顧問や相談役であれば、単に役員としての名目が外れただけで、実質的には会社経営者である、といった判断をすることが可能でしょう。
このような、いわゆる「名目的な」相談役や顧問といった地位や職務を有する方で、「実質的には」経営に従事していると判断できる方は、みなし役員に該当するとされています。

みなし役員も法人税の世界では役員ですから、役員給与税制等、役員に関する税法上の特殊な取扱いを原則として受けることになります。

② 同族会社の使用人のうち特定の者
同族会社の使用人、すなわちその同族会社と雇用関係にある従業員のうち、下記のすべての要件を満たす者は、みなし役員になります。

(1)その会社の株主グループをその所有割合の大きいものから順に並べた場合に、その使用人が所有割合50%超の第一順位の株主グループに属しているか、又は第一順位と第二順位の株主グループの所有割合を合計したときに初めて50%超となる場合のこれらの株主グループに属しているか、あるいは第一順位から第三順位までの株主グループの所有割合を合計したときに初めて50%超となる場合のこれらの株主グループに属していること。

(2)その使用人の属する株主グループの所有割合が10%超であること。

(3)その使用人と配偶者の所有割合が5%超であること。


みなし役員の大前提として、株式の保有割合等に着目しています。

株式とは言い換えれば、会社の意思決定に参加する権利を意味しますので、所定の保有割合等があれば、会社の経営に大きな影響を与えることができます。

とりわけ、同族会社においては、その株式は上場企業の株式のように売買できるものではなく、経営者の一族でその会社の株式を占有することがほとんどです。

この点を踏まえると、同族会社においては、役員としての肩書きを持たずに敢えて使用人となるものの、所定の株式を持って会社経営に影響を与える、といった形で、実態としては役員でありながら、役員給与税制の制限を逃れる、という安易な節税を容易に行うことが、何も制限なければ可能になります。

この点が懸念され、同族会社の法人税の計算においては、その肩書きは役員ではなくても役員と同視することができる一定の使用人を役員として取り扱う、とされているのです。



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