コラム

 公開日: 2014-12-04  最終更新日: 2014-12-08

Q.肩書きを変えるだけで税制上有利になる?~使用人兼務役員~

Q.当社の役員である甲は、「取締役営業部長」の肩書きで営業部を統括していますが、このような「~部長」のような肩書きがある役員であれば、一般の役員に比して税制上有利、といった話を聞きました。
肩書きを変えるだけで税制上有利になる、などということは本当なのでしょうか?


A.「取締役営業部長」のように、営業部長という使用人としての肩書きも持つ役員に対する使用人分給与のうち、使用人分給与として相当な部分に関しては、原則として役員給与税制の制限にかからないこととされています。


<解説>
中小企業の場合、取締役などの役員が、「経理部長」や「営業部長」として、部署を監督するようなケースが見られます。

このような役員は、「取締役営業部長」といった肩書きを有することになりますが、このような肩書きを持つ役員を使用人兼務役員と言います。
「経理部長」や「営業部長」は、会社経営を担う役員ではなく、会社に雇用される使用人(従業員)が就任するポストです。このため、使用人兼務役員は、役員としての業務も行いながら、使用人としての業務も行うという特殊な役員を意味しています。

つまり、肩書き等によって、役員でありながらも、使用人としての側面も見られる役員が、使用人兼務役員なのです。
この使用人兼務役員における「使用人」という用語の意義についてですが、税法上は「法人の使用人としての職制上の地位」を有する者としており、具体的には課長、部長はもちろん、支店長、工場長、営業所長、支配人、主任など、法人の機構上定められている使用人たる職務上の地位がある者をいうこととされています。

注意点としては、「取締役営業担当」といった、特定の部門の職務を統括している役員については、使用人としての側面がありませんので、使用人兼務役員とはなりません。

ところで、使用人としての側面も有する使用人兼務役員については、会社から支給される給与についても、使用人分の給与と役員分の給与の二つの側面があると言われています。

税制においてもこの点が考慮され、役員分の給与は役員給与税制の制限を受けますが、使用人分の給与に関しては、それが使用人の職務の報酬として相当な金額である場合に限り、原則として役員給与税制の制限を受けず、損金の額に算入されることとされています。

とりわけ、節税に大いに役立つのが「使用人兼務役員に対する使用人分賞与」です。

昨日の記述のとおり、役員賞与は定期同額給与に該当しませんので、原則として損金の額に算入されませんが、従業員に対する賞与は原則として損金となることと同様、使用人兼務役員に対する使用人分賞与のうち、使用人の職務の報酬として相当な金額である場合には、原則として損金に算入されるとされています。

このため、使用人兼務役員であれば、役員であっても賞与を支給する余地がある、ということになります。
ただし、その使用人分賞与に関しては、
①従業員に対する賞与の支給時期と異なる時期に支給すると損金にならない、
②従業員に対する賞与の支給時期において未払金として経理し、後日支給することも認められない、といった通常の使用人にはない制限が設けられていますので、支給に当たってはご注意ください。

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