コラム

 公開日: 2016-03-24  最終更新日: 2016-03-25

日本で一番わかりやすい経営戦略(6)基本的な経営戦略4つ

前回、「100年前に生まれたアンゾフ先生の製品・市場マトリックス」ということで、次の4つの戦略をご紹介しました。

 Ⅰ市場浸透戦略
 Ⅱ市場開拓戦略
 Ⅲ新製品開発戦略
 Ⅳ多角化戦略

製品市場マトリックス

今回はそれぞれの戦略について、事例をご紹介しましょう。

Ⅰ市場浸透戦略


あなたがいる場所は、表の左上「Ⅰ市場浸透戦略」のところです。今のお客様たち(既存市場)に対して、今の製品・サービス(既存製品)を売ろうとしています。チラシを配ったり、営業を頑張ってりして、販売促進活動をがんばるわけですね。これは、企業がとる基本的な戦略です。それはそれでよいのです。

でも、その市場が縮小している場合(例えば、本屋さん、和菓子屋さん、畳屋さん等、潜在的なお客さんがどんどん減っている場合)はどうしましょう?

既存製品(本、和菓子、畳など)をどんなに頑張って売ろうとしても、遅かれ早かれ天井がやってきます(売上の伸びどまり)。ですので、この表でいうと、下(市場開拓戦略)か、右(新製品開発戦略)に戦略変更することが必要です。

Ⅱ市場開拓戦略


市場開拓戦略は、今のお客さんとは異なる新しい市場を開拓する、ということです。

和菓子屋さんでいえば、基本的にはより若い年齢層の顧客開拓が必要でしょう。あるいは、海外市場の開拓がよいかもしれないし、低所得者層の開拓かもしれません(和菓子は今や高級なお菓子ですから、低価格で良いものを出せれば、それを喜ぶ市場はあります)。
どらやき

畳屋さんでいえば、個人客との直接取引が必要でしょう。(現状では多くの畳屋さんが、工務店などの事業者から受注しています)インターネットという市場がよいかもしれないし、こちらも、和菓子と同様に海外展開の可能性があります。

Ⅲ新製品開発戦略


新製品開発戦略は、既存のお客さまに、新しい製品やサービスを提供する方法です。

ここでは「製品」にこだわらず、「品揃え」「サービス」「技術」と広くとらえてよいでしょう。
有名なところでは、アップル社が i-tune に続いて、i-pad、i-phone、i-watch と次々に製品を出していますが、
基本的は同じ市場を狙っての市場開拓です。

コンビニエンスストアも、デザートやお弁当部門では新製品を次々に投入しますね。新しい製品を出すとAppleファンが飛びつくわけです。

畳だと、洋間に置くための置き畳、というものが開発され、定番化しています。
置き畳
(インテリアショップゆうあい)

他にも、畳ベッド、据え置き式畳掘りごたつ、畳収納、等、畳を利用した製品は色々あります。

畳屋さんが、畳の張替をする際に、ふすまや障子もきれいにしてあげる、というサービスも、取り扱う製品をがらりと変えるという意味で、製品開発戦略に入れて良いでしょう。

Ⅳ多角化戦略


そして、最後の戦略。そして、最強の戦略は、新規のお客さまに、新しい製品やサービスを提供する方法です。特に、市場が縮小している業種・業態は、本気で考えるべき戦略です。

建設業をしている会社が、都心の待機児童が多いことを「チャンス!」とみなして、保育園事業に乗り出したこともありました。これも多角化です。(その後、あまり儲からないことが分かって譲渡しましたが。)
保育園

バブルのころに和菓子屋さんがスパゲティ屋を始めたことがありました。これも多角化です。(そして、そのスパゲティ屋は利益を出せずに、負債だけが残ることになったのですが..)

文房具屋とプリントサービスをやっていた会社が、人に頼まれて、おずおずと手探りで「温泉のお土産屋の受託運営」を始めました。こちらは大成功で、数千万円の売上だったものが、今は5億円に届こうとしています。
温浴施設

あなたのもとに入ってくる情報で、全く新しい商売のネタがあったとしたら、それはリスクである可能性も大きいですが、過剰投資を避けられるのなら、リターンが最も大きい戦略でもあるのです。もしあなたが30代、40代と若い経営者で、かつ、成長が見込めない業界でビジネスをしているのならば、ぜひ試してみるべき戦略です。

ハイリスク事業を慎重に乗り越える方法は「(4)新しい事業の落とし穴」で紹介しています。大丈夫、誰にでもできます。

戦略の決め手は3つ


はい、4つの戦略があることは分かった、でも、色々思いついて、どれがいいか決められない、あるいは
そうはいっても、「Ⅰ市場浸透戦略」(広告宣伝パターン)以外に何も思いつかない、という方がいるかもしれません。

そんなあなたのために、戦略を考えるポイントを3つお伝えしましょう。

 1.お客様の視点で考える
 2.喜ぶお客様が多い方がよい
 3.競合が少ない方がよい

はい、この3つです。詳しくは次回お伝えしていきましょう。

なるほど、でもうちの会社の場合はどうなるの? ...と思ったら、あなたも質問しませんか?<お問い合わせフォームをクリックしてお気軽にどうぞ。>

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