コラム

 公開日: 2016-02-16  最終更新日: 2016-04-12

原因別売上UP法4) 潜在顧客が少なすぎる場合

潜在顧客が少ない=池の魚がそもそも少ない


原因別売上UP法1)消費が減っている場合 では、釣りでいうところの、「池から魚が少なくなっている状態」ということ書きました。

今回お伝えする「潜在顧客が少なすぎて売上が伸びない」というのは、「そもそも池に魚がとても少ない」ことを指します。

あなたの住むエリアで考えてみましょう。
あなたの家を中心として、半径2キロの円を描きます。この中に住む人が1万人だったとします。
この中で、コンビニに行く人は何人くらいでしょう?
おそらく、幼児と歩けないほどの高齢者を除いて、人口の70%、7000人はコンビニに行くでしょう。
これは、「池に魚が多い状態」です。

では、同じ円の中で、「本屋さん」に行く人は何人くらいでしょう?
インターネットではなく、実店舗での営業、しかもコンビニの半分くらいの広さの絵本専門店だとしましょう。

このエリアの人口1万人だとすると、1%くらい(100人に1人くらい、エリア内に100人)くらいかもしれません。

絵本屋の潜在顧客が100人いたとしても、コンビニのように毎日来るわけではなく、数か月に1度の利用でしょうから、毎月の売り上げは、最初からたいして見込めないお店なのです。

これが、「池に魚がとても少ない状態」です。

「池の魚がそもそも少ない」ビジネスあれこれ


話を分かりやすくするために「絵本屋」という事例を出しましたが、「そもそもそれを誰が買うの?」というビジネスに、私はこれまでたくさん出会ってきました。


●バーチャルリアリティのゲームを使って子供に「ロジカルシンキングを」(勉強を、ではなく。)教える新スタイルの学習塾
(受験用学習塾やプールなどの既存の習い事を超える魅力がありません)

●視覚障がい者向けにブザーで部屋の明暗(現在昼か夜か)を知らせる機器
(社会的な意義は高いですが、視覚障がい者自体が全人口に対して少ないですし、この特定のニーズを持つ人はさらに少ないでしょう。)

●海外での散骨サービス
(火葬の後の骨を粉砕し、遺族をハワイ等の南洋の島に連れて行き、チャーターした船の上でセレモニーを行って散骨するサービスです。日本ではまだかなりニッチですね。)

いずれも、100人に1人、1000人に1人、もしかすると10万人に1人というごく限られた人しか利用しないであろう商品・サービスであり、客数の確保に苦戦することが見えています。

潜在顧客が少ない場合の対応策


対策は3つの方向があります。 
1)大衆向けの商品に変える
2)現状のビジネスのまま広域から顧客を集める
3)現状をビジネスを他の客層向けにアレンジして、広域から顧客を集める

対策1)大衆向けの商品に変える


現在1000人に1人しか買わないようなものを売っているなら、それを100人に1人が買ってくれるよう、商品の性質そのものを変えてしまうとことです。 この時の便利なキーワードは

 「よりEveryday, よりEverybody」

今よりも高い頻度で使ってもらえるように(=everyday)、今よりもより多くの人に使ってもらえるように(=everybody)ように、商品やターゲット顧客の組み合わせを変えてみてください。

例えば、重度身障者用の車いすに使うクッションを20年以上作っていたある会社が、そのノウハウを生かして、腰痛に悩む一般ドライバー向けのクッションを作って売り出したところ、売り上げが右肩上がりで伸び始めています。

また、1個400円のケーキを売っていた地元密着型のケーキ屋が品質と価格を見直し、300円台主体の価格構成にしたところ、より多くの客数(つまりリピート)を確保できるようになりました。(価格を下げることは、潜在客数を増やすことを意味します。)

対策2)現状のビジネスのまま広域から顧客を集める


今のビジネスのままがんばる、という選択です。そのためには、たとえ1000人に1人しかあなたの商品を買ってくれなかったとしても大丈夫なように、「広く網を張る」工夫をするということです。例えば...

 ●乗降者数が10万人を超える駅(東京でいえば、山手線の主要駅など)から徒歩3分以内の立地に出店する
 ●より多くの広告費を使って、より多くの人に自社の商品・サービスを知らせる
 ●より広い範囲で営業活動をして、たくさんのお客さんをつかまえる
 ●値段を上げて、少ないお客さんでも売上を維持できるようにがんばる。

実際に、最低でも1万円するという高級フラワーショップが、麹町から大手町に店を移したら、売上が立つようになったという例があります。潜在顧客がより多い場所に移動することで、広く網を張れるのですね。

・・・あなたはもう気づいたかもしれませんが、こちらの選択は、お金も労力もかかります。あなたがお金も人もたくさん使える立場にあるなら話は別ですが、中小企業には1)か3)のほうが楽なことが多いのです。

対策3)現状をビジネスを他の客層向けにアレンジして、広域から顧客を集める


今ある店・商品・設備などを生かしながらアレンジを加えることで、広域から違う客層のお客さんを集められることもあります。

●ガーデンレストランの場合<ウェディングから観光へ>

九州にとある美しいガーデンレストランがあるのですが、ウェディングレストランとしてオープンから15年、結婚式の需要が減ってきてここ数年赤字がつづいていました。

 ここは、本当にすばらしい花が咲く庭があり、それを見ながら食事を楽しめ、100人以上の人を収容できるホールを持つが強みです。ですので、年に数回、他のエリアから「花を見るためのバス観光客」がやってきていました。私たちはここに目をつけ、今後はバス会社や旅行会社を新しい販路として、バス観光を拡大して巻き返しを図ろうとしています。バス会社や旅行会社にとっては、エンドユーザーが喜ぶ企画(花を見ながら食事をする)ことや、大人数を収容できるこ洒落たレストランというのは価値が高いはずです。

●北海道のスキーリゾート、ニセコ町の場合<日本人対象からオーストラリア人対象のリゾートへ>

 バブルのあおりで一旦経営難に陥り、その後スキー人口の低下でさらに再生できずにいたニセコエリアですが、現在ではオーストラリア人向けのリゾート地として再開発され、特にひらふエリアでは、スキー客の半数以上がオーストラリア人をはじめとする外国人になっています。レストランも英語表記、スーパーの店員もオーストラリア人がいたりします。

 夏の長期休暇で、パウダースノーと温泉が楽しめる、というのはオーストラリア人にとっては魅力なのですね。((その時日本は冬)オーストラリアの資本と国内の資本と町とが共同で、新たなリゾート地を作り上げています。

●常に外からお客を呼び込むラスベガスの場合<離婚合法化から法人税無料まで>

 1年に4000万人の観光客が来るというラスベガスという町(ネバダ州)ですが、自治体を上げて常に外から人を呼ぶための工夫をしています。 80年以上前、このエリアはほぼ何もない砂漠で銀等の鉱物の産地だったのですが、銀が採れなくなってから人口が減り財政難に陥いりました。この時にとった”集客策”が、アメリカで初めて離婚を合法化する、という法律でした。その後、賭博の合法化も行われましたが、主な目的は他の州からの訪問や移住を増やして財源を増やすためです。

 ギャンブルのイメージが強くなってファミリーでは楽しめなくなったので、現在では各ホテルが多彩なショーを繰り広げたり、水族館を作ったり遊園地を作ったりして、ファミリーでも楽しめる街になっています。企業向けの法人税なくす、電話一本で法人の設立ができる、所得税なし、などの優遇措置で、企業誘致にも積極的です。

最後のふたつは規模の大きな事例ですが、成長する企業(団体)がどれだけアグレッシブにチャンスを探して、果敢にチャレンジするかが分かるでしょう。あなたのビジネスでは何ができるでしょうか?

なるほど、でもうちの会社の場合はどうなるの? ...と思ったら、あなたも質問しませんか?<お問い合わせフォームをクリックしてお気軽にどうぞ。>

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