コラム

 公開日: 2016-09-15  最終更新日: 2018-01-08

訪日旅行者(インバウンド)向けの旅行業の登録や通訳案内について

経営者は知っておきたい、旅行業登録

訪日旅行者(インバウンド)向けの旅行業の登録や通訳案内について

日本へ観光目的で入国する訪日旅行者向けに旅行やガイドに関するビジネスをしたい場合、
役所に何かしらの許可手続きは必要なのか?です。
そもそも、旅行業の登録が必要なのか?ですが、
旅行業の定義を知らなければなりませんし、
それに該当すれば、旅行業の登録が必要となります。
これは、通訳案内についても、同様です。


A 旅行業とは?
法律文をそのまま記載しても、何が何だかわからない、と思います。
そこで、観光庁は、
「旅行業とは、報酬を得て、一定の行為(旅行業務)を行う事業」としており、
基本的旅行業務、付随的旅行業務、相談業務に分けて示しています。

1基本的旅行業務
(1) 自己の計算における、
  運送・宿泊に関してのサービス(運送等のサービス)提供契約の締結行為
(2) 運送等サービスに関しての代理・媒介・取次・利用行為
 例として、航空券の販売、旅館の紹介、貸し切りバスを利用したツアーの販売

2 付随的旅行業務
(3 )  (1)に付随して行う、自己の計算における、運送等サービス以外のレストランの利用、
   観光施設入場等の旅行サービス(運送関連サービス)提供契約締結行為
(4) ( 2)に付随して行う運送等関連サービスに関しての代理・媒介・取次行為
(5) (1)及び(2)に付随して行う渡航手続き(旅券・査証取得)の代行、添乗業務等の行為

3 相談業務
(6) 旅行日程の作成、旅行費用の見積もり等の旅行相談に応じる行為

としており、旅行に関して報酬を得て行う事業は、
旅行業の登録が必要なのだな、ということがわかります。

ちなみに旅行業に該当しないものとして

・専ら運送サービスを提供する者のため、旅行者に対する運送サービスの提供について、
 代理して契約を締結する行為
 例として、航空運送代理店、バスの回数券の販売所 など
・運送、宿泊以外のサービスのみを手配するものや、
 運送事業者・宿泊事業者が自ら行う運送等サービスの提供等
 例として、観劇・イベント・スポーツ観戦などの入場券のみを販売するプレイガイド、
  バス会社の行う日帰りツアー、旅館の行うゴルフパック

尚、ラウンドオペレーターに関しては旅行サービス手配業として
平成30年1月4日より登録が義務付けられました。
旅行サービス手配業とは?
報酬を得て、旅行業者(外国人旅行業者を含む)の依頼を受けて、
旅行者に対する運送等サービス又は運送等関連サービスの提供について、
これらのサービスを提供する者と間で、代理契約・媒介・取次
(取引の公正、旅行の安全及び旅行者の利便の確保に支障を及ぼす
恐れのないものとして国土交通省令で定めるものを除く)
を行うことをいいます。

が、挙げられています。
まだ、理解ができない場合は、下記だとイメージができると思います。


B 旅行の態様による契約
1 募集型企画旅行
旅行者の募集のためにあらかじめ、旅行の目的地及び日程、
旅行者が提供を受けることができる運送又は宿泊サービスの内容
並びに旅行者が旅行業者に支払うべき旅行代金の額を定めた旅行に関する
計画を作成し、これにより実施する旅行
例として、パッケージツアー

2 受注型企画旅行
旅行者の依頼により、旅行の目的地及び日程、旅行者が提供を受けることが
できる運送又は宿泊のサービスの内容
並びに旅行者が旅行業者に支払うべき旅行代金の額を定めた旅行に関する計画
を作成し、これにより実施する旅行
例として、団体旅行や修学旅行

3 手配旅行
旅行者の委託により、旅行者のための代理、媒介、又は取次をすること等によ
り旅行者が運送・宿泊施設等の提供する運送、宿泊その他の旅行に関するサービ
スの提供を受けることができるように、手配するもの
例として、航空券、宿泊の単品手配

とあり、だいたいイメージがつかめたと思います。


C 旅行業の種類
上記を踏まえ、実際に旅行業の登録をするのですが、
対象の地域などによって、
第1種 海外の募集型企画旅行、国内の募集型企画旅行、
     受注型企画旅行、企画旅行以外の手配旅行など
第2種 国内の募集型企画旅行、
     受注型企画旅行、企画旅行以外の手配旅行など
第3種 主たる営業所の所在する市区町村と隣接市区町村の募集型企画旅行、
     受注型企画旅行、企画旅行以外の手配旅行など
の種類があります。
企画旅行とは、募集型又は受注型で、旅行に関する計画を策定するとともに、
運送又は宿泊サービスの提供にかかる契約を、
自己の計算において締結する行為です。
尚、
第1種、第2種、第3種の違いとして、基準資産額があります。
読んで字のごとく、資産額の基準値がある、ということです。
第1種は、3,000万円
第2種は、700万円
第3種は、300万円
です。
又、申請先も違っており、
第1種は、観光庁長官
第2種、第3種は主たる営業所を管轄する都道府県知事です。


D 訪日旅行者の向けの旅行業に適していると考えられる種類は?
訪日旅行者向けの旅行業の場合は、
日本に入国後の旅行であり、滞在日数も短いことから、
対象地域は日本全国とは考えられず、
営業する市町村と隣接する市町村での企画旅行や手配旅行ができる
第3種の旅行業登録をしておいたほうが良いのかな、と考えます。

東京都庁登録の第3種旅行業では、下記が取り扱えます。
営業所の所在地とそれに隣接する市区町村内の募集型企画旅行
海外・国内の受注型企画旅行
海外・国内の手配旅行
他社実施の募集型企画旅行契約の代理締結
(1つの営業所につき、1人以上の旅行業務取扱管理者を選任する必要がありますが、
海外旅行を取り扱う場合は、総合旅行業務取扱管理者を選任することになります)

例えば、東京都世田谷区を主たる営業所にすれば、
東京都世田谷区、大田区、目黒区、渋谷区、杉並区、狛江市、調布市、
三鷹市、神奈川県川崎市
において
訪日旅行者に勧めたい、観光スポットや、体験してもらいたいコトを取り入れた
募集型企画旅行(パッケ―ジツアー)の造成・募集ができることになります。
大手や有名な旅行会社と競わずに、
地域の観光資源に着目した旅行商品の創出が可能になるわけです。
例えば、世田谷区だったら、
世田谷八幡宮秋季例大祭(奉納学生相撲)と招き猫で有名な豪徳寺
を組み合わせるとか、です。

現実として、大手や有名な旅行業者と競争してもかなわないと思うので、
通訳案内士との連携や、自ら通訳案内士となり幅を広げることによって、
地域限定や特色のある旅行業を営むこともありでしょう。

短期滞在査証(ビザ)を発給してもらわないと日本に入国・観光旅行ができない国の場合、
例えば、中国がそうなのですが
あらかじめ関われる旅行業者が、
日本国内と中国国内の双方で決められていることもあるようです
(日本政府が決めた団体に加入することになるようです)。

しかし、査証(ビザ)免除国・地域の人々が対象であれば、
彼/彼女たち自身で、出発前に手配することになるので、上記のことは無い、
と考えますし、
その中で、一つ又はいくつかの国・地域に絞り、
その国・地域の生活上使用されている言葉を用いて(必ずしも、英語ではない)、
ウェブサイト、Facebookなどで、ご当地の見て欲しい観光スポットや体験してもらいたいコトについて、
発信することも必要かもしれません。
その場合は、
留学生のアルバイト、外国人を雇用し、発信してもらうことや集客すること、
そして、外国人の視点からの快適な旅行のプラン作りが大事でしょう。

参考 通訳ガイド制度について
報酬を受けて、外国人に付き添い、外国語を用いて、旅行に関する案内をする業を営もうとする方は、
観光庁長官の行う通訳案内士試験に合格し、都道府県知事の登録を受けなければなりません。

観光庁のウェブサイトから転載

訪日外国人旅行者の受入環境の整備を図るため、通訳案内士資格に係る規制を見直すとともに、
旅行の安全や取引の公正を確保するため、
旅行に関する企画・手配を行ういわゆるランドオペレーターの登録制度
の創設等の措置を講じる「通訳案内士法及び旅行業法の一部を改正する法律」(平成29 年法律第50 号)が、
昨年6月2日に公布され、本年1月4日に施行となりました。

2. 通訳案内士法の主な改正内容
(1)業務独占規制の廃止・名称独占規制のみ存続
「通訳案内士」ついては、業務独占資格から名称独占資格(※)へと見直し、
幅広い主体による通訳ガイドが可能になります。
※資格を有さない者が、当該資格の名称や類似名称を用いることを禁止する規制。
また、改正法により、これまでの「通訳案内士」は「全国通訳案内士」とみなされますので、
既に資格をお持ちの方は登録証の再発行等の手続きは必要ありません。

(2)地域通訳案内士制度の全国展開
これまでの各特例法に基づき導入されていた各地域特例ガイドについて、
通訳案内士法の本則に位置づけ、新たに「地域通訳案内士」制度として全国展開を図ります。
また、改正法により、これまでの「地域限定通訳案内士」と「地域特例通訳案内士」は
「地域通訳案内士」とみなされますので、既に資格をお持ちの方は登録証の再発行等の手続きは必要ありません。

(3)全国通訳案内士試験の試験科目の見直し、既有資格者に対する経過措置研修の実施。
全国通訳案内士試験の筆記科目について、新たに「通訳案内の実務」に係る科目を追加します。
また、これに伴い、既有資格者に対して「通訳案内の実務」に関する知識を補うため、経過措置研修を実施いたします。(平成31年度末までを予定)

(4)全国通訳案内士に対して定期的な研修受講の義務づけ
全国通訳案内士には、旅程管理の実務や災害時の対応等の通訳案内士が実務において求められる知識について、5年ごとに登録研修機関が行う定期的な研修を受講することが義務づけられます。(平成32年度より順次開始予定)
全国通訳案内士が定期的な研修を受講しない場合、都道府県は当該通訳案内士の登録を取消すことができます。(取消しから2年間は、再登録することができません。)



全国通訳案内士とは


全国通訳案内士は、通訳案内士法において「報酬を得て、通訳案内(外国人に付き添い、外国語を用いて、旅行に関する案内をすることをいう。)を業とする。」とされています。全国通訳案内士は国家試験に合格した方であって、高度な外国語能力や日本全国の歴史・地理・文化等の観光に関する質の高い知識を有する者であり、「全国通訳案内士」として都道府県の登録を受けた方々になります。



全国通訳案内士になるには

全国通訳案内士になるには、通訳案内士法第6条に定められた全国通訳案内士試験に合格し、居住する都道府県知事に登録をしなければなりません。
全国通訳案内士として登録を受けた方は、「全国通訳案内士登録証」が交付されます。
都道府県知事登録については、居住する都道府県庁の担当課へ直接お問い合わせください。



全国通訳案内士試験
全国通訳案内士試験は、全国通訳案内士として必要な知識及び能力を有するかどうかを判定することを目的として毎年1回実施されます。
試験を行う言語、会場などにつきましては、以下のウェブサイトをご覧ください。 独立行政法人 国際観光振興機構(JNTO)通訳案内士試験ウェブサイト別ウィンドウで表示

地域通訳案内士とは


地域通訳案内士は、特定の地域内において、「報酬を得て、通訳案内(外国人に付き添い、外国語を用いて、旅行に関する案内をすることをいう。)を業とする。」とされています。
地域通訳案内士は、特定の地域において、その固有の歴史・地理・文化等の現地情報に精通した者であり、
各自治体が行う研修受講を通じて「地域通訳案内士」として登録を受けた方々になります。

地域通訳案内士になるには

既に地域通訳案内士制度を導入している地域においては、募集時期、方法等が各地域によって異なりますので、
各自治体にお尋ねください。
また、地域通訳案内士制度を導入していない地域にあっては、各自治体が「地域通訳案内士育成等計画」を定め、
観光庁長官の同意が必要になります。
その計画に記載された研修を受講することにより、地域通訳案内士として登録を受けることが可能になります。
また、地域通訳案内士として登録を受けた方は「地域通訳案内士登録証」が交付されます。
※地域通訳案内士育成等計画は「地域通訳案内士の育成等に関する基本的な指針」に基づき作成する必要があります。

通訳案内士の資格をもたない方


全国通訳案内士や地域通訳案内士の資格をもたない方であっても、今般の法改正により、有償で通訳案内業務を行うことが可能になりますが、その場合、全国通訳案内士や地域通訳案内士、又はこれに類似する名称を使用することができません。

尚、査証免除国・地域は下記のとおりです。
外務省のウェブサイトへ
http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/visa/tanki/novisa.html

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「外国人の招へい、採用した外国人の在留手続きを承ります」

経営者は知っておきたい、外国人社員の雇用の際の在留資格申請のポイント
当事務所は、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を得るサポートをしています。
・外国人を雇用できるか、どうか
・雇用契約に基づく採用理由書の作成
・会社の業務内容と外国人の仕事内容について、入国管理局へ説得力のある伝え方
・申請書作成と申請書の提出
許可を得るためには、上記の4点は相互に関連しあっています。
http://pro.mbp-tokyo.com/orimoto/column/10576

外国人旅行者(インバウンド)向けビジネスと外国人材に関する記事のまとめ
http://pro.mbp-tokyo.com/orimoto/column/?jid=3615

外国人材を雇って新事業を展開。交付されそうな補助金のまとめ
http://pro.mbp-tokyo.com/orimoto/column/54973

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