コラム

 公開日: 2015-12-10  最終更新日: 2015-12-21

その損益計算書は経営判断の役に立ちますか?

東芝が経営再建のため赤字が続く海外テレビ事業から撤退するとのニュースです。
収益性の高い事業に人材、資金などの経営資源を集中して成果を追求するだけでなく、このように不採算事業を譲渡したり閉鎖することで全体として収益性の改善・強化をはかることは中小企業やベンチャー企業にとっても必要な経営判断です。

例えば歴史があり事業の多角化が進んでいる中堅企業では、過去からの積み重ねで不採算事業の見直しや撤退判断が先送りにされていることが少なくありません。
他方で、新製品や新サービスの開発・販売によって急成長をはかろうとするベンチャー企業にも、売上の増加を追いかけるあまり収益性を的確に把握しないまま、実際は採算の合わない事業に人員や設備投資を重ねているケースも見られます。
その結果は増収減益です。

「成長事業に力を入れる」言葉でいうのは容易ですが、本当にセグメント別に収益性をみて経営のかじ取りをしていくためには「損益計算書」をどれだけ見ていても的確な判断はできません。
製品やサービスのジャンル別、マーケット別、顧客別、部門別、店舗別、案件別、商品別など、経営の考え方でセグメントをどのように区別するかそれぞれであっても、区分別の原価、販売費等を考慮した営業利益までを把握したうえで判断をしなくては経営を誤ってしまいます。
受注請負型のソフトウエア開発やホームページ制作、ITツール開発など比較的小規模なITベンチャー企業でも当然必要です。

新たなお客様に訪問しますと「この部門が事業の柱です」とか「成長分野はこの事業です」などのようにご説明を受けても、事業として実は赤字というケースも見られました。低収益・不採算という実態を認識しないまま規模を追いかけることは体力のないベンチャー企業では危険。スケールが大きくなることで黒字化を目指すこともありますが、それも明確な計画になっていればこそ。

月次決算で作成する損益計算書からもう一歩踏み込んで損益計算書をセグメント別に分解することによって経営者にとって心強い判断材料が手に入るわけです。
導入に際しては経理部門だけでなく、営業部門や購買部門の事務にも影響がありますので、こうした関係部門との調整を進めながら早期にできることから始め、段階的に精度を上げていく工夫も必要かもしれません。

リアルに数字が見えるようになると驚くほど社内が変わります。
経営者の自信も。
これまで見積りに甘かった営業部長の顔つきも。
経営にかかわってるという実感をもった経理担当者も。
もちろん会社の利益も。
数字に基づく必然の一手を。

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税理士 長谷川正和

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TEL:03-5651-5331

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