コラム

 公開日: 2017-09-04  最終更新日: 2017-09-21

シャーロッツビル事件で考えるリーダーのあり方

アメリカでまた人種差別を巡る事件があり、またまた、大統領の言動が物議を醸しています。
人種差別今回取り上げるシャーロッツビルでの事は、南軍の英雄リー将軍の銅像を、人種差別主義やだとして撤去することとした市の決定に、南軍の英雄の像の撤去に反対する人たち(白人至上主義者といわれる人が主催)と撤去派(?)の人たちとが衝突、車が撤去派の群衆に突っ込んで1人が死亡、多くのけが人が出たというものでした。

シャーロッツビルの事件についてのトランプ大統領の発言、「様々な側からもたらされる憎悪、偏見、暴力に、可能なかぎり最も強い言葉による抗議を表明する」、そう「どっちも悪い。
この発言にからわかるように、トランプ氏は少なくとも、両者を同等の価値があるものと考えていることがわかります。この発言のあった終日後、移民への厳しい取扱で有罪判決を受けていた元保安官に恩赦を与えて、先ほどの「どっちも悪い」発言の真意をさらしてしまいました。(というより、「どっちも悪い」といった時点でわかりますね)

多くの移民によってつくられたアメリカという国のリーダーが、(近い将来、少数派になるだろうといわれているくらいるつぼ状態のなかで)白人がいちばんといっているのですから、公然と。当然、反発も強いでしょうし、人々の間の軋轢も強まりますよね。

アメリカ大統領とまではいかなくとも、ここでリーダーについて考えましょう。
会社や組織で、もめごとや対立はよくあることですよね。ないに越したことはないですが・・・。
それぞれに言い分があり、多くの場合、どちらもそれなりに正しいかったりします(少なくとも、当人はそう思っています)。

白人至上主義者的には、「今の繁栄の基礎を作ったのは自分たちだし、それは俺たちが優れているからだ」ということでしょうし、平等を訴える人たちは、「今の繁栄は、植民地の負担の上に成り立っているし、現代社会はすべての人種の参加がなければ社会も経済も成り立たない。そんなことより、白人が他の人種より優れているなんてことは、まったく根拠なんてない」ということでしょう。

白人至上主義は、進化論に根拠を求めたりするようですが、それは、ダーウィンが唱えたころの進化論ですから、今となっては、科学的に論証することは不可能でしょう。

「昔の実績を鼻にかけるばかりで、IT社会の現代になじもうとしない社員だって、だからと言って首にするわけにはいかない、戦力になってもらわなくちゃ。」
「今どきの若者も、時代遅れの分からず屋だからといって、隅に追いやってばかりでは、生産性が悪くなって、ますます溝が深まるばかり・・・。」
理屈でいくら説得しようとしても、どちらも自分の考えに自信を持っていて、折り合えそうにない。
そんなときリーダーがなすべきことは・・・。

人種の問題は、何千年もの昔にさかのぼらなければなりませんが。それより、ずーっと前、私たちホモサピエンスが、他の霊長類との生存競争に勝ち残ったとされる3万年から7万年前にそのヒントがあるのです。

認知革命と呼ばれるそれは、具体的な事柄から虚構を作りだすこと=抽象的な概念を獲得したことです。
その抽象的な考えや目標の基に一致した行動をとることができた(すなわち、一緒に力をあわせて、明日、マンモスを捕まえる計画を立てて実行するとか、同盟を結んで敵を倒す)から、生き残れたのです。
それは、皆が共通して受けいれることができる「神」という考え方が一番典型的ですが、私はそれを「物語」と呼んでいます。

リーダーの仕事は、皆が共有できるような目標や理念、夢や理想を示し、ここの意見の違いをその理想に向けて収斂させることが必要なのではないでしょうか。

アメリカファーストとか日本ファーストでは、夢でも希望でも、物語でもなく、自分が良ければいいということですし、他者を無視するその行動の結末は、「できもしない」という意味での虚構=うそになってしますことくらい、人はわかりますよね。

先の見えない、今、ナポレオン時代のプロイセンの軍事学者クラウゼヴィッツのこんな言葉があります。
「予期し得ないものとの不断の争いにも幸いにも耐えるためには精神に二つの特性が不可欠である。第一は、ますます募る暗黒のなかでも内部の光明を燃やしつづけ、真実に導く知性であり、そして、第二は、このかすかな光明を頼りに従っていく勇気である。」(「戦争論」日本クラウゼヴィッツ協会訳 芙蓉書房出版)

人種問題は、根の深い難しい問題ですが、それ乗り越える知恵がはるか昔から私たちに備わっている。元気が出てきませんか?

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