コラム

 公開日: 2018-03-11 

会議診断

皆さんの会社ではどの程度会議が行われているでしょうか。私が以前所属した会社では、担当する部門にもよりますが、上席の管理職ほど関連する会議も多く、中には分刻みのスケジュールがバーコードのように埋まっている人もいて、これが本当のバーコード・リーダーだなどと冗談を言ったりしておりました。

会議については様々に調査統計が行われていますが、大企業が会議に費やす時間は、参加者の会議時間のみならず、会議を準備した時間も含めた関係するメンバーの関連累積時間の合計は、平均で年間30万時間にもなり、これは全体の業務時間のほぼ15%に相当するそうです。(Bain&Company/2014)ただ、重要な意思決定のためのプロジェクトであったりする場合は、専属の担当者が張り付き一日中そのための業務に専念することにもなり、正しくは会議自体が組織の優先順位付けの中で開催決定されているはずなので、単に時間の長短や頻度だけで判断することはできません。問題はその中身なのですが、一般的には「無駄な会議が多い」と感じているビジネスマンも多く(45%)、次いで「会議の時間が長い」(44.1%)、「会議の頻度が多い」(36.7%)と続いています。(gooリサーチ/2012)

「会議診断」とは組織内で開催されている会議をモニターすることによって、様々なことが見えてくるというものであり、有効な組織診断ツールとして活用することができます。

まずは、その会議自体が組織全体の時間リソースの優先順位の中で適切な時間配分になっているかという時間マネジメントの問題があります。無駄が多いと感じさせてしまう理由の一つに会議自体の多さ・長さがありますが、中間管理職の多い大企業ほど、自部門の都合で自由に会議が設定できてしまう傾向もあり、コミュニケーションの活発化と言う良い点もある一方で、何でもかんでも会議となってしまうことにもつながります。

次に、会議の省エネ化は適切かという問題があります。できるだけ会議で使う紙資料を少なくしようすることは最近では当たり前となり、以前は電話帳のようにコピー資料の山を準備した会議であっても、モニター画面を見ながら最小限の紙資料で議論し意思決定している会社も確実に増えてきています。とは言え、意思決定プロセス自体の省エネ化は中々進んでおらず、関係部門との事前合議や関係役員への根回しなど、特にスタッフ部門の事務局の苦労は変わりません。もちろん、リスク管理面から見た内部統制の縛りもあり、関係部門との協議、合意形成は組織が大きくなればなるほど求められている現実もあり、管理職のバーコード・リーダー化は中々解消しない現実もあると思いますが…。

会議診断においてこのような会議自体の位置づけやプロセス以上に注目するのが、会議自体の中身となります。会議の目的は何か、情報共有、意見交換、意思決定なのか。司会進行役はだれか。参加者はだれか。メンバーの構成は適切か。時間内で達成したいゴールの確認はしているか。安全で誰でもが発言できる民主的な場となっているか。参加者は全員が発言しているか。モチベーションの程度、態度はどうか。発言内容については建設的か。ポジティブ、ネガティブ比率はどうかなどを観ていきます。これらをじっくりとモニターすることで、日頃どのような組織運営がなされているか、また問題の所在はどこにあるかなどを発見することができます。私の場合は、役員会なども参考にはなりますが、より現場に近いところで開催される営業推進会議、商品開発会議、生産管理会議、CS推進会議、問題解決プロジェクト会議などに注目します。会社のアウトプットを直接的に担う現場チームで何が起こっているか、士気はどうかなどが会社全体の生産性を観る上で極めて重要であると認識しているからです。

昨年来日本相撲協会で起こった一連の問題で、理事会の始まる前の様子が一部テレビでも公開されていましたが、その後民主的で建設的な会議が行われるとはとても言えない雰囲気で、誰が見ても協会組織の内在する問題が推察される極めて印象的な画面となりました。会議診断では、このように組織運営のありようが象徴的に表出される場として、日常的に開催されているより現場に近い会議から様々な組織の持つ問題をあぶり出す手法として活用することができます。以上

この記事を書いたプロ

オフィス中村

経営コンサルタント 中村正巳

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