コラム

 公開日: 2016-10-13  最終更新日: 2016-10-14

平成27年事務年度版金融レポートに見る、個人投資家に適さない金融商品 貯蓄性保険商品

金融レポートには、たとえば米国と日本の投資信託にかかる費用比較が出ています。

投資信託費用日米比較


160923規模の大きい投資信託の日米比較(金融庁資料より)

米国の大きな投資信託には、日本よりもインデックス・ファンドが多いので費用が安くなる傾向がありますが、圧倒的に米国の投資信託が顧客に対して有利です。日本の投資信託は過去10年、毎年0.11%の損失が出ており、一方米国の投信は5.2%収益を上げています。これらを知らずに、知識がないまま銀行窓口で相談するのはリスクの高い行為です(いわゆる鴨ネギの状態)。
金融庁が指摘しているようにコストが高いアクティブファンドで、{特定の種類の資産、特定の国の資産、特定業種の株式等}を購入することは避けるほうが良いと思います。

個人年金保険(特に外貨建て)


次いで購入を避けるべきは、個人年金保険(外貨建ての物は特に)などの貯蓄性保険商品です。
下図は銀行の販売手数料の推移です。為替リスクはあるが、円建商品よりも高利回りが期待できる(一時払い)外貨建保険が、着実に販売を伸ばしています。

160923販売手数料等の比率推移金融庁資料より)

購入者として、それら商品のリスクを理解して購入しているのか心配です。為替リスクがありますと言われたら、どのくらいの%で、下落率はどの程度かなどを確かめなければなりません。100万円を投資したら、最悪ケースでは損失はどの程度出ますかと聞きましょう。その損失がご自身として納得できるものであれば購入しても宜しいかと思いますが、ただし、窓口の担当者が正しく答えられるかは疑問です。

本件に関しては投資の原則として、比較的単純な商品を個々に提供することで、より低コストで同じ経済効果を得られる選択肢があるにもかかわらず、顧客に対し、そうした情報提供を行わないまま、商品構成が複雑なパッケージ商品を提供し、高い手数料を徴収するといった行為が蔓延している実態が明らかにしています。
例えば、上記のような場合、掛け捨てで生命保険をかけ。豪ドルの国債を購入する、豪ドルMMFを購入するという選択も考えられます。このような簡単な説明もしないまま、高度の仕組みを合わせて、手数料の高い商品が売られています。

商品特性の説明が金融レポート67ページに記載されています。この内容は我々のようなフィーオンリーのアドバイザによく知られている内容ですが、きちんとご認識いただくため。金融レポートの分を引用します。
「貯蓄性保険商品の中でも、近年、運用を定額部分と変額部分に分けた一時払い外貨建保険の販売が伸びている。仕組みとしては、定額部分を外国政府が発行する債券等で運用し、運用期間終了時に、当初払い込んだ(外貨建の)保険料全額を最低保証するとともに、変額部分は元本保証のない投資信託等で運用しており、それに外貨建の死亡保険を組み合わせるといった、内容が複雑なパッケージ型の商品となっている。

一方、このパッケージ商品を構成する外国債券と投資信託、(掛け捨ての)死亡保険を別々に購入・契約することでも、このパッケージ商品と同等の経済効果を得ることができる。例えば、豪州ドル建ての一時払い保険と、それと同程度の経済効果を得られるように豪州国債と低コストの投資信託(あるいはETF)、掛け捨ての死亡保険を組み合わせた場合とで、顧客の支払いコストを比べると、後者の方が10 年で10%程度低くなることがある。また、比較的単純な商品を個々に説明することで、説明の負荷もパッケージ商品より軽くなるものと考えられるが、今回の検証においては、金融機関代理店の中で、このような代替策を提案しているところは見られなかった。

フィディーシャリーデューティーの欠如例


このように、比較的単純な商品を個々に提供することで、より低コストで同じ経済効果を得られる選択肢があるにもかかわらず、顧客に対し、そうした情報提供を行わないまま、商品構成が複雑なパッケージ商品を提供し、高い手数料を徴収するといった行為は、顧客のニーズよりも、販売・製造者側の論理で金融サービスを提供しているのではないかとの見方ができる。」
レポートはここまで踏み込んで、金融機関のフィデューシャリーデューティーの欠如を非難しています。

文責
FP学会会員
独立系顧問料制ファイナンシャル・アドバイザー
オフィス マイ エフ・ピー 代表 吉野 充巨
ファイナンシャルプランニングと投資助言で人生設計から資産形成までサポートする保険や投資信託等金融商品を販売しないフィーオンリーのアメリカ型ファイナンシャル・プランナー≒独立系顧問料制アドバイザー。
【登録】
投資助言・代理業:関東財務局長 (金商) 第2227号
あなたのライフ・プランに適した期待リターンとリスク許容度で資産配分とポートフォリオ構築を口座開設から銘柄選定までサポートします。
注:投資助言に関するリスクの所在は下記に掲載しています。
http://www.officemyfp.com/toushijogentorisk.html

『このコラムは、投資判断の参考となります情報の提供を目的としたものであり、有価証券の取引その他の取引の勧誘を目的としたものではありません。
投資による損益はすべて読者・ご相談者ご自身に帰属いたします。投資にあたりましては正規の目論見書、説明書等をご覧いただいたうえで、読者・相談者ご自身での最終的なご判断をお願いいたします。
本コラムは、信頼できると判断した情報に基づき筆者が作成していますが、その情報の正確性若しくは信頼性について保証するものではありません。』

この記事を書いたプロ

オフィス マイ エフ・ピー [ホームページ]

ファイナンシャルプランナー 吉野充巨

東京都中央区日本橋1-6-7 日本橋関谷ビル4F [地図]
TEL:03-6447-7831

  • 問い合わせ

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

0

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
サービス料金
150503オフィスマイエフピー

□ 初回面談時、30分は無料です。コンサルタントとしての吉野と、ご相談者のマッチング時間です。ご相談者が面談を継続されたのち下記の相談料が発生します。料...

サービス・商品

将来のの不安や心配事で悩んでいませんか?そのようなときこそ、お気軽にご相談ください。保険・投信・不動産の販売や仲介は行っていません。貴方のためのアドバイ...

 
このプロの紹介記事
ファイナンシャルプランナー・投資アドバイザー  吉野充巨さん

夢と希望に満ちたライフプランを実現する資産形成。FP&中立的な投資アドバイザー。(1/3)

 江戸時代から町人街、文化の中心地として栄え、現在でも日本を代表する商業の街である日本橋。この街に10年間事務所を構え、多くの人々の生涯の夢・目標を叶えているファイナンシャルプランナー(FP)が、吉野充巨さんです。投資助言・代理業に登録し、...

吉野充巨プロに相談してみよう!

朝日新聞 マイベストプロ

FP+堅実な投資助言で人生設計~資産形成までトータルサポート

会社名 : オフィス マイ エフ・ピー
住所 : 東京都中央区日本橋1-6-7 日本橋関谷ビル4F [地図]
TEL : 03-6447-7831

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

03-6447-7831

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

吉野充巨(よしのみちお)

オフィス マイ エフ・ピー

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる
プロのおすすめコラム
金融庁が金融機関に手数料の明示、行動原則等を求めています

11月25日の日経新聞朝刊に、投資商品の手数料明示 金融機関に行動原則 金融庁案、顧客本位へ7項目 という記事が...

[ 金融庁金融レポート ]

トランプ氏勝利後の株高・円安はどこまで続く?
イメージ

 株価概況 11月第4週世界の株価指数の多くは上昇に転じています。MSCIオールカントリー指数は1.38%の上...

[ 株価・国債利回り・商品価格週間騰落率 ]

平成27年事務年度版金融レポートに見る、個人投資家の正しい投資戦略
イメージ

金融レポートで金融庁は個人投資家に 長期 積み立て 分散投資 長期、積み立て、分散投資を薦めています...

[ 金融庁金融レポート ]

平成27年事務年度版金融レポートに見る、個人投資家に適さない金融商品 ファンドラップ
イメージ

 ファンドラップ 次いでファンドラップにもダメ出しをしています。こちらはシンプルに通常の投資信託とファ...

[ 金融庁金融レポート ]

平成27年事務年度版金融レポートに見る、個人投資家に適さない金融商品 毎月分配型投資信託
イメージ

9月に、金融庁から平成27年事業年度版の金融レポートが発表されました。http://www.fsa.go.jp/news/28/20160915-...

[ 金融庁金融レポート ]

コラム一覧を見る

コラムのテーマ一覧
すべて表示する
スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ