コラム

 公開日: 2015-07-13 

ギリシャ問題で考える日本の政府債務(国民の負債)

現況日本のメディアに於いては、ギリシャの債務問題の報道が溢れています。
そこで頭を過るのが日本の債務です。日本の国債及び国庫短期証券残高は、平成27年3月末、1,037兆8,192億円でギリシャに比べ圧倒的な債務額です。
下表は2015年7月13日現在財務省ホームページ 国債等関係諸資料より記載しています。

ここに示されている金額が我々の日本国政府が発行し他国債の残高です。内国債だけで9,099,997億円になります。

150713日本国債残高の内訳(財務省ホームページ国債等の関係資料より)

■政府債務残高の国際比較とギリシャ
・ギリシャは現在、対GDP比で177%の債務です。一方日本は2015年には予算上では233.8%になると推計されています。比率ではなく金額で比較すると、ギリシャの公的債務は約3000億ユーロ(約40兆円)とされ、日本の公的債務の残高の3.9%に過ぎません。
ギリシャ政府の年間予算は95億ユーロ(約1.3兆円)ですので、日本政府一般会計予算96兆3,420億円の約1%の規模です。

IMFによれば、今後3年間で500億ユーロ(7兆円弱)の資金調達が達成できれば、危機が回避できそうだとのこと、それは、毎年の政府予算の1.75倍を投入すればどうやら危機を脱出できると予想されています。
この金額は日本の単年度地方交付税約15.5兆円の2分の1に相当した金額です。
日本から見れば、些少な金額で欧州が混乱する事態になっています。

・下図は、財務省HPのトップを飾る政府債務残高の国際比較DATAから筆者が作成したものです。
何といっても、日本の政府債務残高対GDP比は2000年の136.1%から2015年には233.8%へと100%上乗せになり233.8%にもなります。返済は不可能と評価する方が沢山います。
私もインフレ税で返すのは止めて欲しいと願っていますし、増税と構造改革で返済するのが正しい施策と考えます。

150713政府債務残高の国際比較(対GDP比)

・ドイツは2010年の84.0%から2015年には75.8%まで下げています。
リーマンショック後の財政改革が成功した例として、ドイツが他国に厳しく接するのも解ります。
それに引き替え我が国の債務残高の積み上がりは、IMF等から早急な改善が必要と厳しいコメントが発せられるのも致し方ありません。


■日本が債務危機に陥った場合
日本がギリシャと同じ状況になれば、下記のような問題が指摘されます。過去、ソ連、中国政府要人から「日本は世界一の社会主義国」と評価されていました。その日本も多くの社会主義国と同様、経済が成り立たなくなり崩壊したと評価されると推察しています。

1バブル崩壊後30年にわたって、経済の構造改革に取り組まなかった国民。
2.多額な借金を抱えているにも関わらず、年金等社会保障の改善が進まず、年々1兆円以上の増加が止められない国民と政治。
3.消費税(=付加価値税)は低く(平成27年度8%、平成28年度中に10%と想定されている。
4.政治家は族議員として働き、戸別保障、子供手当(現時点では廃止されている)等税金のバラマキで票をえている国
等々現況ギリシャを評したと同様、事実と誤解による評価が渦巻きます。

■ギリシャ債務と日本の違い
このような状況なのですが、日本は国債残高が積み上がっても、国債の暴落や取り付け騒ぎが起きないのでしょうか。
それは、債権者の違い、国の信用度と政府の信頼度の違いです。
ギリシャ国債は自国民が購入しない為、海外の投資家に頼ってきましたが、それも現段階では不能になり、IMF、ECB、(ギリシャ)支援機構等外国の公的機関が資金提供しています。
借金は返さなければなりませんが、債権者は外国ですので自国民よりも、厳しい要求に対応することとなります。

・日本の国債等債権者は下図の通りで、海外の投資家等の保有分は9.4%です。
最も多いのは単独では日本銀行で26.5%を占めています。次は国内の銀行で31.4%(国民・企業等の預金)、次が生損保等で19.2%を占めています。この3部門で保有額≒債権額の77.1%を占めています。銀行と生損保等は金融庁の管轄下にありますし、日本銀行も広義では政府の一員です。また、公的年金(国民年金・厚生年金等)5.4%と年金基金3.3%を合わせると85.8%になりますので、政府に注文を付けることが出来ません。


150712国債及び国庫短期証券(T-Bill)の保有者割合


■海外投資家の日本国債保有推移
下図は海外投資家の保有額と保有割合の推移です。過去は33兆円程度でしたが、日本国内での受け入れ額増大が難しくなるに伴い、徐々に海外投資家への売付量が増え、平成26年末で97.8兆円になり、今年度には100兆円を超えるものと思われます。
この額はギリシャの公的債務40兆円の2.5倍です。現況、日本国債の償還に不安がありませんので、金利は低いながらも売れています。

150713海外投資家国債保有額・割合の推移


■家計における日本国債の重み
一方我が国の家計に占める割合は1.6%です。その保有の推移が下図です。
保有割合のピークは平成20年21年で、4.6%でしたが、その後の低利率等で保有率が低下し、現在は1.6&迄低下しています。棒グラフのブルーの部分は個人向け国債の残高です。
現在の低金利と株価の上昇が続くと、まだまだ家計での保有率は下がると思われますが。分散投資の原則と株価と債券価格の逆相関から、私は債券保有(個人向け国債)をお勧めしています。

150713家計の国債保有額の推移

ただし、このまま政府債務が際限なく増加するとは思えません。GDP比250%を超えるあたりから、償還について懸念が生じるのではないかと考えています。
その前に、プライマリーバランスが均衡し、債務が若干でも減少するために、TTPの妥結と第3の矢が放たれることを望んでいます。(現況的外れ手力の無い矢になっています)

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