コラム

 公開日: 2015-07-03 

新築住宅の購入は割に合わない投資の可能性大

前回は中古住宅を購入する観点で中古住宅探しの注意点を述べました。
今回は、住宅購入という資産運用について考えます。

■住宅総数を年代別に区分したものです。
築35年を超える住宅は1,369万戸で、且つ新耐震基準に切り替わった1981年以前の建物が、1,369万戸存在しています。不動産売買ではこの住宅の建物の価値はゼロになっています。

150703建築年代別住宅ストック総数

日本の住宅の滅失住宅の平均築後経過年数は、下図の通り米国、英国に比べ低いので、
この1,369万戸は売却が困難な住宅と推察出来ます。

150703滅失住宅の平均築後年数の国際比較

なお、日本の不動産業界では、木造住宅を売却する際には、築後20年で価値が無いとして見積もられます(著者は理不尽と思うのですが実際に取引されている多くの物件はこれに準拠しています) 。

日本の不動産業界では、木造住宅を売却する際には、築後20年で価値が無いとして見積もられます(著者は理不尽と思うのですが実際に取引されている多くの物件はこれに準拠しています) 。
従いまして購入する側にとってこれらの住居が経っている土地は、土地代だけで住居が手に入るとことと同義に為ります。
リノベーション可能な住宅であれば、手を入れて住む、不能であれば新築するという選択が可能となります。

■住宅投資額と資産残高の乖離
このように、住宅の滅失が各国に比べ短期すぎるので、下図のように、昭和44年~平成25年にかけて住宅に投資した累計残高と住宅資産高には大幅な乖離が生じています。
累計投資額は893.3兆円にもなるのに、平成25年の資産残高は349.8兆円にしかなりません。差額の約500兆円が無くなっているのです。現状は住宅投資が全く理に合わないことが分かるのではないかと思います。

150702住宅投資額累計と住宅資産額

従って、購入するのであれば、中古住宅で程度の良い物件を探して住まうのが理に適っていると思われます。

物件の程度を確認するのは、建築士、不動産鑑定士という専門家に依頼できます。購入するとなれば、土地代と合わせれば物件価格は数千万円になるのですから、専門家に鑑定を依頼する費用は微々たるものです。それにより、程度の悪い物件をつかむリスクも無くなりますし、高すぎる買い物も無くなります。

まだまだ日本では中古住宅の売買=流通体制が整備されていませんが、徐々に中古物件の活用・リノベーション専門の専門家が現れています。今後急速に広がるものと予想しています。

■地価変動の推移
上記は住宅という資産に関して、投資額と資産額の推移を見ましたが、土地の価格についてはどのような推移を経てきたかが分かるのが下図です。

昭和57年を100として対前年の変動率を表わしています。全国の住宅地はピンクの線で表しています。昭和60年~平成3年にかけて地価は上昇しましたが、その後は毎年前年を割っています。漸く平成20年に一度プラスになりまた前年割れ、そして平成27年に100%迄上昇しました。三大都市圏の場合で見ても、19年、20年は全国に比し付和ブレしていますが大勢は変わりません。

今後いっそうに少子高齢化が進み、また、空家の処分が進みますから、一部東京・名古屋・大阪の都心近くの住宅地は値上がりがある可能性も否定できませんが、それ以外の土地は対前年割れが続くと考えます。

150703地価変動率推移

■公示価格の推移
下図は公示価格の推移です。昭和57年を100としています。
全国全用途(緑)で平成27年は85.4迄下がっています。全国住宅地も97.7まで下がりました。三大圏住宅地と東京圏住宅地は105.5と103.9で、まだ100には達していませんが
いずれ下がる見通しです。

150703地価水準の推移

このように、住宅の資産価値は急速に損じますし、土地の価格もここ20年は下がり続けていました。
このような状況の中で、新築住宅を購入する経済的な合理性は無いのではないかと考えます。次回は持ち家派と賃貸派の家計をデータで検証したいと思います。
文責
FP学会会員
独立系顧問料制ファイナンシャル・アドバイザー
オフィス マイ エフ・ピー 代表 吉野 充巨場合があります

【保有資格】
ファイナンシャル・プランナー:日本FP協会認定CFP®
プライマリー プライベート バンカー:日本証券アナリスト協会認定
宅地建物取引主任者 (東京)第188140号
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独立系顧問料制アドバイザーとは
http://www.officemyfp.com/komonryouseiadviser.html

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