コラム

 公開日: 2015-06-04 

自分で作ろう 保有コストが安いバランスファンド(低信託報酬ファンド)

日経平均が20,000円を回復し、東証時価総額が終値ベースで600兆円を超えるなどバブルの再来が囁かれるなか、NISA等投資に関する新制度も相まって、主要証券10社の預かり資産が2014年度末で297兆円となり、都市銀行の預金残高303兆円に迫っていると報道されています(日経新聞5月13日朝刊より)。著者は投資に回る資金が増えるのは良いことと捉えています。
特に、NISAではバランスファンドが好調、そしてラップ口座での残高も伸びています。
高コストの投信や資産運用は、厳に戒めることとして
多くの評論家が「投資の原則」として(買付・保有)コストが低い金融商品を勧めています。

■ご自身で作るバランスファンドの作り方を紹介します。
バランスファンドは国内外の株式と債券で構成されます。
まず、アセットアロケーションはが必要ですので、年金積立管理運用独立行政法人=GPIFの例をとります。
図は平成27年4月から目指している資産構成割合です。この構成にあわせた構成として、

150604平成27年GPIF資産構成割合

● 国内債券は
日本国が発行している、個人向け国債10年変動型が適しています。
当該国債は買付手数料も無く、保有期間はコストゼロです。
また、インフレになれば利率も変動しますのでインフレ対策としても一定の効果が見込まれます。

● 国内株式は
東京証券取引所に上場しているETF(上場投資信託)から、
①対象指標をTOPIXとするものが4本 信託報酬は 0.078%~0.11%
②対象指標を日経225とするものが7本 信託報酬は0.14%~0.225%
③対象指標をJPX日経インデックス400とするものが5本 信託報酬は0.078%~0.2%
夫々の買付手数料は証券会社の株式手数料が適用されます。

①は東京証券取引所一部上場企業全体を対象としていますので、最も分散効果が高く、日経225でも225企業に投資する事と同様な分散効果になります。
対象の中から、流動性の観点から、比較的に売買高の多い銘柄の中で信託報酬の安いものをお勧めします。
最も高いものでも保有コストは0.225%ですから、日本株式を対象とするインデックス・ファンドの3分の1~2分の1程度の信託報酬で済みます。

● 外国株式
 日本以外の先進国を対象とする指標で良く知られているのはMSCIコクサイです。
東京証券取引所に上場しているものは3本あり、それぞれ信託報酬は0.25%程度です。
2.と合わせれば、世界の先進国の株式に分散投資したことと同じ効果が得られます。

● 外国債券
 日本以外の国債の対象指標としてシティ世界国債インデックス(除く日本、ヘッジなし・円ベース)があります。この指標に連動するものは1本だけで信託報酬は0.25%です。

■信託報酬=保有コスト
以上の中から、1本ずつ銘柄を選んで買付・保有するコストは
証券会社の買付手数料にプラスする信託報酬はもっとも高い銘柄を購入した場合でも
国内債券0%(=0.0%×35%)+国内株式0.05625%(=0.225%×25%)+外国株式0.0625%(=0,25%×25%)+外国債券0.0375%(=0.25%×15%)=0.15625%
となります。
信託報酬が約0.16%のバランスファンドは現状存在しない安さです。
1,000万円の投資で年間信託報酬は16,000円以下です。
日本株を対象とするもので信託報酬が最も安い0.078%のものを選ぶと11,950円の信託報酬です。

■難点
難点は、再投資口が選べないことです。個人向け国債は利息として、ETFは分配金としてお手元に支払われます。シニアの投資としては元本分が手つかず残りますので、毎月分配型投信のように非効率な投資先とは異なる、真っ当なファンドとしてお勧めできます。

■株式が多いとお感じの方に薦める資産割合
株式への配分が大きすぎるお考えの方には、平成26年までのGPIFの資産配分がお勧めです。国内債券に61.81%を投じています。
上記と同じ銘柄で組んだ際の最も高い信託報酬は0.0656325%となり、1,000万円の投資で信託報酬は6,564円です。


150604平成24年度末資産構成



■平成24年の企業年金連合会の資産割合
余りに債券比率が高いとお考えの場合には、平成24年3月末の企業年金連合会の資産割合をお勧めします。
不動産部分は東証リート指数を対象としたETFが5本あり、信託報酬は0.22~0.32%です。
この資産割合で上記の銘柄で構成するともっとも高い信託報酬は0.15451%となり、1,000万円の投資で信託報酬は15,451円です。

150604平成24年度末企業連合会資産構成割合

以上述べました通り低い信託報酬のバランスファンドがご自身で作れます。もし、今現在投信を保有している、ファンドラップに口座がある方は、上記試算値と比較ください。
1%の差があれば、1,000万円の投資で10万円の差額が出ます。10年で100万円の違いになります。

今回各資産ごと1銘柄を選択しましたが、日本株でも複数の指標に、外国株式は先進国だけでなく新興国も含めたいなどのご希望によって、対象とする指標と銘柄は異なります。

私のコラムに世界の指数を掲載しております。
5 月24日 原則 海外ETFの購入はインデックスの検討から始める
を参照ください。

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