コラム

 公開日: 2015-05-28 

保有外貨建てファンドの収益は実力? それとも円安効果?

前回は債券のパフォーマンスに連動する海外ETFのインデックス(指数)を紹介しました。
ところで、皆様が保有されている外貨建て商品の収益率は如何でしょうか。
私が口座を開設している証券会社2社のマイページの欄には、常に外貨建て(多くはドル建て)と円建ての評価が掲載されています。
従って、ドルでの収益と円貨での評価が比較出来ます。この場合、円貨での評価がいかに高率でも、ドル建てでマイナスの銘柄は、購入判断が間違っていた可能性が高いといえます。

A社の米国株口座の評価損益率はドル建てでは9.86%です。
しかしながら円換算すると評価損益率は27.89%に上がります。
この場合、ドル建ての損益率9.86%がベンチマークであるS&P500と比較して高ければ評価に値します。
残念なことに、ベンチマークに追いついていません。尤も、債券を対象とするETFやヨーロッパの株式を対象とするETFも併せているので、S&P500より劣るのは致し方ないと考えています。
当日のA証券のドル・円為替レートは123.05円(05/27 07:39)でした。

上記は証券口座で確認が出来る例です。
ただし、投資信託は円建てでの表示ですから、新しく始まったトータル・リターンで確認できるのは円での評価だけです。
従い、海外の株式や債券及びREITを対象とした投資信託の表示されるリターン(収益率)は円安効果含まれたもので、
投信運用本来の実力とは別な収益率と考えざるを得ません。
また、円高になれば、お化粧が剥げます。その時に慌てないよう、保有ファンドの実力が必要です。

なぜ、このことを今回説明するのかといいますと、円安が進み過ぎているからです。

皆様も御存じのあのビッグマック指数は下図の通りです。

120112ビッグマック指数2012

阿部内閣総理大臣・黒田日銀総裁が実現する前の2012年1月12日のビッグマック比較では、1㌦は76.92円でした。当日の円ドル相場の仲値は76.92円(三菱UFJリサーチ&コンサルティングの為替相場調べ)で殆ど同じレベルです。
ビッグマック指数は、各国で販売されているビッグマックの価格を比較することで、簡便な物価で比べた為替レートです。

下図は、同じビッグマック指数で比べた2015年1月の為替レートです。

150527平成27年1月のビッグマック指数

1㌦は73.24円に下がっています。2012年1月に比べ約3.87%円高となっています。
両国のインフレ率の差(米国が日本に比べ高い)が反映されています。

ところで2015年5月28日に三菱東京UFJ銀行Eメール配信サービス
で発信された「外国為替相場情報」による公表相場(実物)の円ドルレート仲値123.66円をどのように考えたら良いのか、それは為替操作により引き起こされた円安と考えざるを得ません。

なぜなのかといいますと。下図は名目と実質の実効為替レートの1980年~2015年1月までの推移です。
2010年を100とした指数になっています。
ちなみに2010年3月31日のドル円相場は93.04円でした。
2010年以降も米国のインフレ率と日本のインフレ率は米国が高かったので、2015年は当時よりも円高になっても不思議ではありません。
また、2011年以降は名目が実質を上回っており、過去のトレンドとは異なっています。

150522名目・実質実効為替レート


このように見て参りますと、為替の影響として、2010年に比べ外貨建て商品の評価損率は32.91%≒30%ほど上乗せされていると考えても良いのではないかと思われます。

私のA証券の評価損益率ではドル建てと円建てで18,03㌽の差があります。ドル建て評価を正とすると円建ては約20%上乗せされています。

ところで、5月21日の日経新聞電子版で、121円台に上昇した20日にミセス渡辺が50億ドルものドル売りがあったと報道されています。日本のFX投資家は120円を超えたところでドル売りに転じていますので、著者はFRBが金利を上昇に転じても円安にならない、そろそろ円高にふれる転機になる可能性もあるのではと考えています。

円安になっても、輸出が増えないという体制に日本経済は変化しています。
今後円高にふれても、利益が確保できる投資対象なのかを見極める時期と思われます。
それには、現地通貨で収益が出ているのかを確かめてください。

各年度ごとの為替相場と現在までの為替の影響を掲載します。
表の使用例は、米国の株式を対象とする銘柄であれば、
2012年5月25日以前のものは、収益率で52.72%は円安効果が含まれる、2015年であれば19.34%の円安効果が含まれる。
ユーロ圏の債券に投資する投資信託であれば、2012年5月以前のものであれば円安効果が33.75%含まれる。
豪ドルは2013年、2014年は円安効果がなく、収益率はそのファンドの実力と考えられるとしてお使いください。

150527各国通貨円安度


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独立系顧問料制ファイナンシャル・アドバイザ
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