コラム

 公開日: 2015-05-08 

資産運用はコストと手間の観点からご自身で行うのがベストです。

シニアの方が金融機関に相談に行かれると、現役時代よりも収入が減少するので、大きな損失が出ないような、バランス型の投資信託を薦められることが多くなります。
確かに、大きな損失を抱えない為にも、資産配分に留意して、ご自身のリスク許容度に合わせた、アセットアロケーション戦略が必要になります。

と、同時に、コストが低い運用も考慮することが大切です。というよりも、低コスト運用は成功する秘訣でもあるからです。

■アクティブ・ファンドよりもインデックス・ファンド
前回説明した、日本株式での分散投資の場合、個別株式に投資するに資金がある程度必要です。シニアの方達の貯蓄額の平均は、2,000万円以上の貯蓄があるにしても、1銘柄50万円を投じた場合で40銘柄しかできません。その他の資産(国内債券・外国株式・外国債券・国内REIT、海外REIT)への配分も必要ですから、個別株での分散投資は一考を要します。

150508一世帯当たり収入貯蓄負債

一方、様々な実証データで、ファンド・マネジャーの多くは、長期的にはインデックスに勝てないとされていますし、良い成績を上げるファンド・マネジャーを事前には選べません。
従い投資信託では、インデックス・ファンドを選ぶのがシニアには適しています。

また、インデックス・ファンドは連動対象のインデックス、例えばTOPIX連動のインデックスであれば、東京証券取引所一部上場企業全てに投資する事になりますので、銘柄の分散の観点からも最良の選択になります。日経平均225を対象とするインデックス・ファンドであれば、日経新聞が選定した225社全てに投資する事と同義です。

上場投資信託(ETF)にも、TOPIXに連動するものや、日経225に連動するETFがあります。従って、ファンドの運用パフォーマンスは夫々同等と考えることが出来ます。
ただし、信託報酬が投資信託>ETFですので投資家から見た場合には、コストの面でETFでの運用がベターです。

■ インデックス・ファンドとETFの信託報酬の差
TOPIXに連動するインデックス・ファンド信託報酬は三井住友AMのインデックスe0.40%です。ETFは日興AMのものが0.088%です。夫々を500万円分買い付けた場合、信託報酬は20,000円と4,400円ですから、年間15,600円の差になります。10年保有すると156,000円の差になります。
コストとしては、ETFの場合口座開設する証券会社ごとに、買付・売却、口座管理等の費用が異なります。

インデックス・ファンドの場合取り扱う金融機関が限定されます。
シニアの運用は、少額を積み立てていくことは少なく、運用開始時に一定の金額で銘柄を購入いたします。
従って、私は購入・保有・売却コストが相対的に安い上場投資信託(ETF)での運用をお勧めします。

■ETF上場投資信託の良さとして
・指数に連動するものが多く、内容が分かりやすい。
・信託報酬が通常の投資信託に比べて低い。→長期投資に適している。
・証券取引所で売買が行われているので、投資家が買値・売値の指定が可能。
・取引時間内でリアルタイムに価格が変動する
 (投資信託は市場が終わってから分かる)
・買付手数料は株式と同等=価格が明瞭
・全銘柄どこからでも購入可能(日本市場に上場している銘柄)
・上場廃止のリスクはあるが倒産は無い。
・証券会社によっては累投銘柄がある。
・銘柄により信用取引が出来る。
■デメリットは
ETFは銀行では取り扱いがありません。従ってETFでの運用をお考えの場合には、証券会社で口座開設の必要があります。
 ・売買は株式同様単位ごとに行う為、金額指定(例えば1万円買う、売却する)が使えない
 ・再投資口は無く、配当はファンド内に置けず、投資家に配当金として支払われる。
 ・取引量が少ない銘柄では、取引不成立・思わぬ価格で取引成立などが発生する。

■コストと手間の観点からシニアの資産運用はご自身で行うのがベター

コストという切り口で、資産運用を考えた場合、下図のようなイメージ図が出来ます。
最もコストが高いのが、ラップ口座と言われる一任勘定で運用を任せる場合です。次いで販売会社に薦められた投信の中でファンドオブファンドを買う場合です。
最もコストが低いのは、読者ご自身が運用を勉強して個別株式と債券(日本は個人向け国債)を購入するケースです。次いで上場投資信託を購入するケースです。
この場合、手間はかかりますが、資産運用の醍醐味を味わえます。

150508資産運用手間とコストのイメージ図

■シニア世代のファンドの構成。
会社勤めを終えたあと、ご自身の資産の運用に励まれる時間が取れたシニアの資産運用は是非ご自身で行われるようお勧めします。
シニア世代であれば、下図のような資産(ファンド)を保有されています。時間の余裕がある、シニア層こそご自身のファンドを有効に運用する必要があります。

150508あなたのファンド構成

なお、ご自身で、株式や債券を保有されていないとの認識をお持ちの方も大勢いらっしゃいますが、我々の年金を管理運用しているGPIFは世界最大のファンドで、国内外の株式と債券を保有しています。
シニア世代がこれから受け取る年金の内、このファンドから支払われる分もありますので、すでに国内外の株式と債券を保有している投資家の一員です。

FP学会会員
独立系顧問料制ファイナンシャル・アドバイザー
オフィス マイ エフ・ピー 代表 吉野 充巨

【保有資格】
ファイナンシャル・プランナー:日本FP協会認定CFP®
プライマリー プライベート バンカー:日本証券アナリスト協会認定
宅地建物取引主任者 (東京)第188140号
ロングステイ財団登録ロングステイアドバイザー&登録講師

独立系顧問料制アドバイザーとは
http://www.officemyfp.com/komonryouseiadviser.html

『このコラム又は回答は、投資判断の参考となります情報の提供を目的としたものであり、有価証券の取引その他の取引の勧誘を目的としたものではありません。
投資による損益はすべて読者・ご相談者ご自身に帰属いたします。
投資にあたりましては正規の目論見書、説明書等をご覧いただいたうえで、読者・相談者ご自身での最終的なご判断をお願いいたします。
本コラムは、信頼できると判断した情報に基づき筆者が作成していますが、その情報の正確性若しくは信頼性について保証するものではありません。』

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