コラム

 公開日: 2014-10-15 

相続・節税バブルにご注意を !!! 相続の多くは相続税が発生しません。

2014年10月10日NHK朝のニュースで「相続税バブル」の状況を伝えていました。番組はデータなどのベースもしっかり押さえられ、かつ節税対策のリスクも報道しています。このように節税効果だけでなく、その対策が将来に亘って有効かを検証したのちに節税策を行うことをお勧めします。

財務省資料「相続税の課税状況の推移」によれば、平成23年の死亡者数は1,253,066人でしたが、課税件数は51,559件で4.1%でした。この比率がどれだけ上がるかとの推計では、概ね1,5倍ですので、6~7%程度と思われます(倍数の出所2014年9月13日発行週刊ダイヤモンドP33) また、その記事には、今年度見込み約7万人から増税後は約11万人に増えると書かれています。11万人の場合に、平成25年死亡者数推計(厚労省平成25 年(2013)人口動態統計の年間推計)で、1,275,000人ですので、課税件数の割合は、
110,000人÷1,275,000件×100≒8.63%に過ぎません。
相続人の90%以上の方達は、今回の相続税法の改正による影響がないことが分かります。

私が相続のご相談に与る際、ご相談者は基礎控除額そのものを知らず、遺産額総額に相続税がかかると理解していらっしゃる方達が大勢いらしゃいます。
今回の改正の得大きなポイントは、基礎控除額の引き下げですが、それでも、
3,000万円+600万円×法定相続人数が基礎控除額になります。
現在と平成27年1月1日~との差は、法定相続人が3名(配偶者と子供2人)の場合で、
現在 5,000万円+1,000万円×3人=8,000万円
新法 3,000万円+600万円×3人=4,800万円
差は3,200万円です。もし、現在正味の遺産額が8,000万円の場合には、相続税はかかりませんが、平成27年以降であれば、基礎控除後の3200万円に相続税がかかることに為ります。
それでは、税額はいかほどになるかを調べました。

相続税は、国税庁タックスアンサー4155 相続税の税率、[平成25年4月1日現在法令等]の記載では相続税額の算出方法は、各人が相続などで実際に取得した財産に直接税率を乗じるというものではありません。
正味の遺産額から基礎控除額を差し引いた残りの額を民法に定める相続分によりあん分した額に税率を乗じます。この場合、民法に定める相続分は基礎控除額を計算するときの法定相続人の数に応じた相続分により計算します。
実際の計算に当たっては、民法に定める相続分(法定相続分)によりあん分した額を下表に当てはめて計算し、算出された金額が相続税の基となる税額となります。
案分した額は、配偶者が2分の1の1,600万円、お子様は夫々4分の1の800万円になります。
税額は配偶者が、3,000万円以下の15%に該当し、50万円の控除額がありますので、190万円。お子様は1,000万円以下ですので、税率10%で控除額なしですので、それぞれ80万円です。合わせて相続税は350万円と試算できます。
この場合で、8,000万円の正味の遺産額の4.375%です。この比率からすると、大慌てで節税対策を取る必要があるのかは、疑問です。

また、配偶者には配偶者の税額の軽減という制度が有り
配偶者の税額の軽減とは、被相続人の配偶者が遺産分割や遺贈により実際に取得した正味の遺産額が、次の金額のどちらか多い金額までは配偶者に相続税はかからないという制度です。(出所国税庁ホームページ)
(注) この制度の対象となる財産には、仮装又は隠蔽されていた財産は含まれません。

(1) 1億6千万円
(2) 配偶者の法定相続分相当額

従って、正味の遺産額8000万円を、配偶者とお子様二人のケースで、法定相続分で遺産を相続した場合の、相続税合計は160万円です。これは、正味の遺産額の2%にしかなりません。

確かに、今まで相続税の対象から外れた人に、税がかかるのですから、「増税」といえますが、世の中にあふれている節税策で、大きなリスクを取ることは無いように思われます。

ところで、平成24年度の公的年金の給付額は52.2兆円で、同年の国庫等の負担は11.7兆円になっています。約22.4%が税金から賄われていることに為ります。
65歳から80歳の15年間、毎年180万円(月15万円)受給しますと、総額2,700万円で、内22.4%が税金とすると、約605万円を国庫が負担していることに為ります。

私はこのことから、次代に残す資産から、若干の税金を支払っても良いのではと考えています。確かに、全世帯の0.1%に当たる6.1万世帯の超富裕層(純金融資産5億円超)及び同等な額以上の不動産を所有されている方達を除く、富裕層(純金融資産1億円以上5億円)
や準富裕層(準金融資産5,000万円~1億円未満)方達は、「税金を支払う」と決めれば、リスクの大きな対策を考えずに済むのではないかと思われます。

富裕層等の区分は、出所日本証券アナリスト協会の教本「プライベートバンキング」上巻181頁、市場規模推計結果より。き本格的な(2007年純金融資産5億円以上)


文責
FP学会会員
独立系顧問料制ファイナンシャル・アドバイザー
オフィス マイ エフ・ピー 代表 吉野 充巨

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