コラム

 公開日: 2014-08-21 

超長期に耐えうる資産及び金融商品を選択する

前回は、新ファミリー一族の一代目として、二代目やお孫さんに受け継がれる、長期投資の考え方を説明いたしました。また、時代に受け継ぐべき資産の例を紹介しております。

ところで、資産を残す場合のメジャーは、インフレ率等物価上昇に耐えうるものでなければ、なりません。
下図は、一代目が生まれた、1945年を起点とする食料品価格指数の推移です。資料は日本銀行の検索・グラフ化システムを使用しています。灰色の網掛けは景気後退期です。

140821勝料品物価指数推移

戦後すぐに物価は高騰、1950年から1970年まではなだらかに上昇そして、高度成長の真っただ中の、1970年から1980年の10年間で約2.5倍になり、その後の長期間、デフレにより横ばいでした。しかしながら、1950年から2013年としてみると、食料品価格は5.75倍になっています。年間約2.8%の上昇率です。現在阿部政権が目標としている2.0%よりはかなり高いのです。

新ファミリー・一族が目指すリターンはコスト含み2~3%(幾何平均収益率)が見込める資産・銘柄が対象となると考えます。当然この間にもフローとして各自の収入が入ります。資産の活用よりも、維持の点であまりに高いターゲットを狙いますと、リスクも大きくなり元本が毀損する可能性が高くなりますから、無理は禁物と思います。

ところで、超長期に耐える資産としてすぐ浮かぶのは、不動産と金かと思います。
不動産として、過去のデータを引いてみますと、たいへん古いのですが、内閣府の公表出たとして1980年から2003年まで23年間公示地価の推移が掲載されていました。
ピークのバブル時と崩壊後10年の価格ですので、右肩下がりは致し方ありませんが、地価も下がるという例として、掲示いたします。

140821公示価格推移内閣府
また、同時期の利益率にも着目ください、不動産を持てば何とかなるという誤解が解ける事例と思います。
日本の不動産バブル崩壊による景気後退は1991年~1993年でした。その後8年経っても利益率は長期国債の利回りに届いません。

140821土地の評価損益含む収益率

では、金はどのようになっているのかを見たのが下図です。
グラフは、ロンドン金価格(米ドル表示/トロイオンス)の年間平均と高値・安値の3線推移です。1973年から2013年の推移です。この間に約14.5になっていますから、平均では6.85%のリターンがあったことに為りますが、手数料と保管コストを含んでいませんので、実際は居少し割り引いて考える必要があります。
現物の不動産よりもREITを保有しておいて、それを残すという選択肢の方が、次代に残すという観点からは、相応しいと思われます。REITであれば、インフレにも対応します。

140821金ロンドン価格推移

ただし、長期間の停滞もあることを忘れないでください。また、保管コストは貸金庫等がかかります

企業への投資という観点で、株式に投資したらどうかと申しますと、
イボットソン アソシエイツ ジャパンのデータでは1969年12月から2013年12月までの44年間の平均returnはコストを含まずに6.2%です(東証一部時価総額加重平均収益率)。
このこと自体で企業の株を残すのは、可ということにはなりません。何故ならば、東証一部全体を一つの銘柄として、測っているからです。個別株を保有・承継した場合には、此の収益率よりも良くなる場合もありますし、悪くなる場合もあります。

日経ビジネスの記事によれば、日本企業の盛時は30年で、それ以降は下降するといわれています。従いまして、個別株を残す場合には余程の吟味が必要かと存じます。

個別株を保有し残した場合は企業の永続性も大きなリスクになります。
良く言われることは、会社を起業して3日、3月、3年という危機があり、そこでダウン=廃業するものが多く、10年経てば老舗といわれるとの格言があります。

ある企業統計によると、100年以上の老舗は約20,000社、内200年以上が1,200社、300年以上が400社、500年以上が30社、1,000年以上7社とされています。私が受け継いだ企業も92年で閉めています。
100年以上の老舗企業は日本がダントツで世界でもまれな国とされています。

上記を避けるには、データは東証一部加重平均ですので、例えば、TOPIXに連動する上場投資信託(ETF)を保有するという手もあります。この場合には、市場の平均returnでで次代に引き継ぐことが出来ます。

また、同期間の海外株式(MSCIコクサイ:グロス円ベース)のリターンはコスト抜きで7.1%
でした。こちらも個別企業の栄枯盛衰は不確実ですので、指数に連動するETFを保有するという手があります。

皆様も御存じのとおり、債券は償還期限があります、従って、残期間が問題になります。永久債を購入しておいて引き継ぐという手もありますが、インフレには弱く、お勧めできません。また、日本では手に入りにくく、こちらも、国内債券のパフォーマンス指数のNBP指数に連動する投資信託や、シティ世界国際指数に連動するインデックス投信などが適していると考えています。


新ファミリー・一族は私の造語で、昭和20年生まれを初代とする一家(ファミリー)を指します。その属性は、下記の図に示す通りで、ほぼ準富裕層以上の世帯相当になります。

140810新ファミリー一族の属性
文責
FP学会会員
独立系顧問料制ファイナンシャル・アドバイザー
オフィス マイ エフ・ピー 代表 吉野 充巨

【保有資格】
ファイナンシャル・プランナー:日本FP協会認定CFP®
日本証券アナリスト協会認定 プライマリー プライベート・バンカー
宅地建物取引主任者 (東京)第188140号
ロングステイ財団登録ロングステイアドバイザー&登録講師
ホームページアドレス
http://www.officemyfp.com/

独立系顧問料制アドバイザーとは
http://profile.allabout.co.jp/w/c-64005/
http://mbp-tokyo.com/officemyfp/column/12298/
http://www.officemyfp.com/komonryouseiadviser.html

『このコラムは、投資判断の参考となります情報の提供を目的としたものであり、有価証券の取引その他の取引の勧誘を目的としたものではありません。
投資による損益はすべて読者・ご相談者ご自身に帰属いたします。投資にあたりましては正規の目論見書、説明書等をご覧いただいたうえで、読者・相談者ご自身での最終的なご判断をお願いいたします。
本コラムは、信頼できると判断した情報に基づき筆者が作成していますが、その情報の正確性若しくは信頼性について保証するものではありません。』

この記事を書いたプロ

オフィス マイ エフ・ピー [ホームページ]

ファイナンシャルプランナー 吉野充巨

東京都中央区日本橋1-6-7 日本橋関谷ビル4F [地図]
TEL:03-6447-7831

  • 問い合わせ

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

0

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
サービス料金
150503オフィスマイエフピー

□ 初回面談時、30分は無料です。コンサルタントとしての吉野と、ご相談者のマッチング時間です。ご相談者が面談を継続されたのち下記の相談料が発生します。料...

サービス・商品

将来のの不安や心配事で悩んでいませんか?そのようなときこそ、お気軽にご相談ください。保険・投信・不動産の販売や仲介は行っていません。貴方のためのアドバイ...

 
このプロの紹介記事
ファイナンシャルプランナー・投資アドバイザー  吉野充巨さん

夢と希望に満ちたライフプランを実現する資産形成。FP&中立的な投資アドバイザー。(1/3)

 江戸時代から町人街、文化の中心地として栄え、現在でも日本を代表する商業の街である日本橋。この街に10年間事務所を構え、多くの人々の生涯の夢・目標を叶えているファイナンシャルプランナー(FP)が、吉野充巨さんです。投資助言・代理業に登録し、...

吉野充巨プロに相談してみよう!

朝日新聞 マイベストプロ

FP+堅実な投資助言で人生設計~資産形成までトータルサポート

会社名 : オフィス マイ エフ・ピー
住所 : 東京都中央区日本橋1-6-7 日本橋関谷ビル4F [地図]
TEL : 03-6447-7831

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

03-6447-7831

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

吉野充巨(よしのみちお)

オフィス マイ エフ・ピー

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる
プロのおすすめコラム
金融庁が金融機関に手数料の明示、行動原則等を求めています

11月25日の日経新聞朝刊に、投資商品の手数料明示 金融機関に行動原則 金融庁案、顧客本位へ7項目 という記事が...

[ 金融庁金融レポート ]

トランプ氏勝利後の株高・円安はどこまで続く?
イメージ

 株価概況 11月第4週世界の株価指数の多くは上昇に転じています。MSCIオールカントリー指数は1.38%の上...

[ 株価・国債利回り・商品価格週間騰落率 ]

平成27年事務年度版金融レポートに見る、個人投資家の正しい投資戦略
イメージ

金融レポートで金融庁は個人投資家に 長期 積み立て 分散投資 長期、積み立て、分散投資を薦めています...

[ 金融庁金融レポート ]

平成27年事務年度版金融レポートに見る、個人投資家に適さない金融商品 ファンドラップ
イメージ

 ファンドラップ 次いでファンドラップにもダメ出しをしています。こちらはシンプルに通常の投資信託とファ...

[ 金融庁金融レポート ]

平成27年事務年度版金融レポートに見る、個人投資家に適さない金融商品 貯蓄性保険商品
イメージ

金融レポートには、たとえば米国と日本の投資信託にかかる費用比較が出ています。 投資信託費用日米比較  ...

[ 金融庁金融レポート ]

コラム一覧を見る

コラムのテーマ一覧
すべて表示する
スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ