コラム

 公開日: 2014-08-15 

相続税には特例で税を軽減する事項があります

「増税だ、増税だ」と騒いでいる金融機関や販売者の話を聴く前に、新ファミリー・一族で、
下記の内容を点検ください。該当すれば相続税の対象額が低くなります。

前回は、新ファミリーの相続に関わる、課税対象の正味遺産額と基礎控除等を紹介しました。
実はその他にも、正味の遺産額が減額される制度が組み込まれています。
例えば、小規模宅地の特例があります。
今回の相続税改定は、増税の方向だけでなく、緩和の事項も盛り込まれています。

下記は国税庁HPからの引用です。
該当ページのURLは https://www.nta.go.jp/taxanswer/sozoku/4124.htm

個人が、相続又は遺贈により取得した財産のうち、その相続の開始の直前において被相続人等の事業の用に供されていた宅地等又は被相続人等の居住の用に供されていた宅地等のうち、一定の選択をしたもので限度面積までの部分(以下「小規模宅地等」といいます。)については、相続税の課税価格に算入すべき価額の計算上、一定の割合を減額します。この特例を小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例といいます。
 なお、相続開始前3年以内に贈与により取得した宅地等や相続時精算課税に係る贈与により取得した宅地等については、この特例の適用を受けることはできません。

140815小規模宅地の特例減額表

(注)
1 被相続人等とは、被相続人又は被相続人と生計を一にしていた被相続人の親族をいいます(以下同じです。)。
2 宅地等とは、土地又は土地の上に存する権利で、一定の建物又は構築物の敷地の用に供されているものをいいます。ただし、棚卸資産及びこれに準ずる資産に該当しないものに限られます(以下同じです。)。

新ファミリー一族の一代目の90%は持ち家です。従って、今回はこの部分のみ説明いたします。
一代目の相続は、年齢差・平均寿命・平均余命の差から、その多くはご主人が先になくなり、残された妻は相続人として住宅を引き継ぐことに為ります。
HPに記載されているように、この居住用住宅の減額割合は、240㎡まで80%です。今回の改定では、面積が330㎡に拡充されています。約70坪であったものが約100坪に広がりました。
ただし、改正では相続人が被相続人と同居していることが条件になっています

【居住用宅地の適用要件の緩和・柔軟化】も行われます。
下記は財務省HPから平成25年度税制大綱からの抜粋です。
適用は平成26年1月1日からです
<二世帯住宅に居住していた場合の取扱い> 二世帯住宅については、内部で行き来ができるか否かにかかわらず、同居しているものとして、特例の適用ができるようにします。

<老人ホームに入所した場合の取扱い>
老人ホームに入所したことにより被相続人が居住しなくなった家屋の敷地については、以下の要件の下で、相続の開始の直前において被相続人が居住していたものとして、特例の適用ができるようにします。
(1)被相続人に介護が必要なため入所したものであること。
(2)居住しなくなった家屋が貸付けなどの用途に供されていないこと。

図にありますように日本人が所有する資産の多くが、不動産で通常は現在居住している住宅の価額になりますから、この「80%」の減額は極めて大きなものになります。

家計資産の不動産割合


例えば、遺産総額が1億5,000万円で、住宅の土地(300㎡)が8,000万円の評価(路線価)の場合、基礎控除前の課税される遺産額は 8,600万円に減少します。

これを、新ファミリー一族のモデルに当てはめれば、
基礎控除額は3,000万円+600万円×3人=4,800万円ですので、
課税対象の額は3,800万円です。法定相続分で分けると
1代目配偶者は1,900万円、2代目2人は夫々950万円です。

同時に、相続税には配偶者
下記は、国税庁HPの該当ページから引用しています。
No.4158 配偶者の税額の軽減 https://www.nta.go.jp/taxanswer/sozoku/4158.htm

配偶者の税額の軽減とは、被相続人の配偶者が遺産分割や遺贈により実際に取得した正味の遺産額が、次の金額のどちらか多い金額までは配偶者に相続税はかからないという制度です。
(注) この制度の対象となる財産には、仮装又は隠蔽されていた財産は含まれません。
(1) 1億6千万円
(2) 配偶者の法定相続分相当額
 この配偶者の税額軽減は、配偶者が遺産分割などで実際に取得した財産を基に計算されることになっています。
したがって、相続税の申告期限までに分割されていない財産は税額軽減の対象になりません。
このように、相続税には様々な特例があり、実際に相続税を支払う件数は、現状では死亡した件数の4%程度で、改正後でも10%に収まる程度と推計しております。

なお、今回説明した制度は、一代目の何れかがお亡くなりになられた場合を例としています。

ご主人がお亡くなりになり、その後に相続は2次相続と称します。
この場合、「配偶者の税の軽減」は使えませんが、もし、お母様(高齢単身者の多くは女性)と、まだ、住宅を手に入れていない、二代目が居られたら、同居をお考えください。その場合には、小規模宅地の特例が使えます。

また、新ファミリー・一族の2代目世代は、単身者も大勢いらっしゃいます。その場合にも、お母様との同居を検討ください。今回の改正で、介護のために老人ホームに入られる場合は適用が可能です。
相続時まで被相続人本人名義で、その後に承継すれば良いことに為ります。

このように、増税だという声に踊らされず、一度新ファミリー・一族の全体像を把握して、
将来を考えるのは、一代目の役割かと考えます。

140810新ファミリー一族の属性

国のホームページには、詳しく税の事が掲載されています。
現行の相続税で、相続が発生した際には、国税庁下記ページで
https://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/koho/kurashi/html/05_4.htm

27年以降の相続には財務省の資産課税の改正下記ページです。
http://www.mof.go.jp/tax_policy/publication/brochure/zeisei13/02.htm

をお読みください。
まずは、販売者の資料でなく、発生源でご確認ください。

新ファミリー・一族は私の造語で、昭和20年生まれを初代とする一家(ファミリー)を指します。その属性は、下記の図に示す通りで、略準富裕層以上の世帯相当になります。


文責
FP学会会員
独立系顧問料制ファイナンシャル・アドバイザー
オフィス マイ エフ・ピー 代表 吉野 充巨

【保有資格】
ファイナンシャル・プランナー:日本FP協会認定CFP®
日本証券アナリスト協会認定 プライマリー プライベート・バンカー
宅地建物取引主任者 (東京)第188140号
ロングステイ財団登録ロングステイアドバイザー&登録講師
ホームページアドレス
http://www.officemyfp.com/

独立系顧問料制アドバイザーとは
http://profile.allabout.co.jp/w/c-64005/
http://mbp-tokyo.com/officemyfp/column/12298/
http://www.officemyfp.com/komonryouseiadviser.html

『このコラムは、投資判断の参考となります情報の提供を目的としたものであり、有価証券の取引その他の取引の勧誘を目的としたものではありません。
投資による損益はすべて読者・ご相談者ご自身に帰属いたします。投資にあたりましては正規の目論見書、説明書等をご覧いただいたうえで、読者・相談者ご自身での最終的なご判断をお願いいたします。
本コラムは、信頼できると判断した情報に基づき筆者が作成していますが、その情報の正確性若しくは信頼性について保証するものではありません。』

この記事を書いたプロ

オフィス マイ エフ・ピー [ホームページ]

ファイナンシャルプランナー 吉野充巨

東京都中央区日本橋1-6-7 日本橋関谷ビル4F [地図]
TEL:03-6447-7831

  • 問い合わせ

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

0

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
サービス料金
150503オフィスマイエフピー

□ 初回面談時、30分は無料です。コンサルタントとしての吉野と、ご相談者のマッチング時間です。ご相談者が面談を継続されたのち下記の相談料が発生します。料...

サービス・商品

将来のの不安や心配事で悩んでいませんか?そのようなときこそ、お気軽にご相談ください。保険・投信・不動産の販売や仲介は行っていません。貴方のためのアドバイ...

 
このプロの紹介記事
ファイナンシャルプランナー・投資アドバイザー  吉野充巨さん

夢と希望に満ちたライフプランを実現する資産形成。FP&中立的な投資アドバイザー。(1/3)

 江戸時代から町人街、文化の中心地として栄え、現在でも日本を代表する商業の街である日本橋。この街に10年間事務所を構え、多くの人々の生涯の夢・目標を叶えているファイナンシャルプランナー(FP)が、吉野充巨さんです。投資助言・代理業に登録し、...

吉野充巨プロに相談してみよう!

朝日新聞 マイベストプロ

FP+堅実な投資助言で人生設計~資産形成までトータルサポート

会社名 : オフィス マイ エフ・ピー
住所 : 東京都中央区日本橋1-6-7 日本橋関谷ビル4F [地図]
TEL : 03-6447-7831

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

03-6447-7831

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

吉野充巨(よしのみちお)

オフィス マイ エフ・ピー

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる
プロのおすすめコラム
金融庁が金融機関に手数料の明示、行動原則等を求めています

11月25日の日経新聞朝刊に、投資商品の手数料明示 金融機関に行動原則 金融庁案、顧客本位へ7項目 という記事が...

[ 金融庁金融レポート ]

トランプ氏勝利後の株高・円安はどこまで続く?
イメージ

 株価概況 11月第4週世界の株価指数の多くは上昇に転じています。MSCIオールカントリー指数は1.38%の上...

[ 株価・国債利回り・商品価格週間騰落率 ]

平成27年事務年度版金融レポートに見る、個人投資家の正しい投資戦略
イメージ

金融レポートで金融庁は個人投資家に 長期 積み立て 分散投資 長期、積み立て、分散投資を薦めています...

[ 金融庁金融レポート ]

平成27年事務年度版金融レポートに見る、個人投資家に適さない金融商品 ファンドラップ
イメージ

 ファンドラップ 次いでファンドラップにもダメ出しをしています。こちらはシンプルに通常の投資信託とファ...

[ 金融庁金融レポート ]

平成27年事務年度版金融レポートに見る、個人投資家に適さない金融商品 貯蓄性保険商品
イメージ

金融レポートには、たとえば米国と日本の投資信託にかかる費用比較が出ています。 投資信託費用日米比較  ...

[ 金融庁金融レポート ]

コラム一覧を見る

コラムのテーマ一覧
すべて表示する
スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ