コラム

 公開日: 2014-06-16  最終更新日: 2014-07-31

2013年日本の富裕層約58万世帯減少(2012年対比)

6月15日の日経新聞有料会員記事に「日本の富裕層、世界3位の124万世帯 民間調査」という見出しを読み、愕然としました。ボストンコンサルティンググループリポートを掲載しており2013年の世帯数で比較しています。ちなみに1位は米国で2位は中国です。

何に驚いたかといいますと、世帯数の減少です。RBCウェルス・マネジメントなどの調査によれば、2012年の富裕層第一位は米国で第2位は日本で約182万世帯でした。スイスのクレディが発表するグローバル ウェルス レポートでも2012年は日本が第2位で約360万人とあります(以上出所ウィキペディア) RBCの調査から1年でなんと約58万世帯も減少しています。

しかも、日本は2013年年間株式市場では日経平均が50%以上も値上がりしています。
それなのに、これほど減少するとは、思っても居ませんでした。

ぬ宇わおぬぉ世界の株価指数2013年年間騰落率

なぜ、これほど富裕層が減少したかといえば為替の影響です。
富裕層の定義は、各調査機関でまちまちですが、概ね不動産を除く金融資産(投資可能資産)で100万ドル以上が基準となっています。2012年は、概ね80円を切る円高の時代で2013年は100円を超える円安の時期でした。このため2012年は円で8,000万円の金融資産があれば、富裕層の仲間入りできました。2013年は1億円でも富裕層に入れないことになったための結果です。

例えば、下図にある様に、日本株は50%以上上昇したのですが、ドル換算では日経平均は28.33%の上昇、TOPIXは24.10%の上昇に縮小します。
金融資産の全てが、日本株であれば、円安による減価を超えて、ドル換算でも資産は若干増えたことになりますが、そのような方は少なく、預貯金や日本債券を保有されている方が多いのが現状です。従って保有する金融資産全体をドル換算すると前年よりマイナスの方達が数多く発生したものと推察しています。

140616為替換算株価指数騰落率

どの様な資産配分であれば、ドル換算で、ご自身の資産を減らさずに済むのでしょうか。
極端な話ですが、円貨建商品を50%、ドル建て商品を50%であれば、円高の際には円貨建商品のドルでの時価が拡大しますし、円安になれば外貨の円換算が増加します。

しかしながら、全てを円貨建商品で保有する際には、円とドルの為替レートで、富裕層に成ったり、富裕層から外れます。それだけでしたら、評価の問題で済みますが、一般生活者としては円安の場合には実害が生じます。
それは、輸入品が高くなることです。エルメスやカルチェ、ベンツやBMW、海外旅行や留学費用、当然のことながら、外国株や外国債券の購入、そして、一番困るのは、エネルギー価格や食料品です。エネルギーはNYやLondonの取引価格が世界の基準です。穀物はシカゴ取引所の価格が基準になっています。貴金属はNYとロンドンです。このように世界はドルで回っているのが現状です。

従って、経済政策は円安に頼るのではなく、円高のままで、先端技術の開発、岩盤規制の打破や市場開放など痛みを伴う政策を進めて欲しかったと思います。
民間企業が円高の時代に海外投資を積極的に行っていたので、貿易収支が赤字になっても、経常収支が黒字で推移できています。

一般生活者も、資産は円で時価評価するだけでなく、ドルで時価評価されることをお勧めします。富裕層及び準富裕層の方たちは、今回の円安で資産の目減りを感じていると思います。それを防ぐ資産運用をお考えください。

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