コラム

 公開日: 2014-04-21  最終更新日: 2014-07-31

住宅ローンの増加は可処分所得の増加に及びません(総務省家計調査2013より)

4月1日から消費税の8%への増税が始まり、1円玉が小銭入れから出たり入ったりする日々になりました。政府が音頭を取っているデフレからインフレへの流れは、着実に進んでいるように思われます。それを感じられるのが、総務省が発表する家計調査です。

このデータを見て、これから来るインフレへの備えを考えてみました。
筆者は、FPで且つ投資顧問業登録をしていますが、お客様には投資の前に貯蓄を勧めています。ある程度の生活準備用資金が出来てから、リスクのある投資に臨むのがベターな資産運用と考えています。

生活資金は下記の式で表される、極めてシンプルな構造でそれぞれの項目をどのように変化させるかが、家計の収支をバランスさせるベースとなります。

収入-支出(住宅ローンの返済含む)+資産の運用=貯蓄額

このため、毎年、総務省から発表される家計調査は、私たち生活者にとって、生活を改善するための、ベンチマークとして注目しています。

2013年は消費税増税前の住宅購入ブームになり、そのことがローンの増減にはっきりとあらわれました。

下図は、勤労世帯に占める住宅ローン返済世帯の割合と持ち家率の推移です。
住宅ローンを組まれている世帯は、2010年から2011年では減少したのですが、消費税の増税が決まった2012年には37.4%に増加し、2013年には39.6%まで上昇しました。
勤労者世帯の持ち家率も、ほぼ77%迄上がっています。ここ二年で住宅販売がブームと言われる状況であったことが分かります。

1404住宅ローン世帯と持ち家比率の推移

一方、住宅ローン返済世帯の家計の中で、可処分所得と返済額の推移が下図です。
収入から税や社会保障費等の非消費支出を除いたものが、可処分所得です。この可処分所得は、この10年間では、2004年の519,561円をピークとして、年々減少し2013年は485,331円に減少しています。減少率は▲6.59%です。それに比べ返済額は2004年は101,813円、2013年は99,867円に減少しては居ますが、減少率は▲1.91%にすぎず、結果、住宅ローンの返済額が可処分所得に割合は、2004年が19.60%であったものが2013年には20.58%と20%を超えています。

140420可処分所得とローン返済額推移

2013年の対前年実収入額の増減を年間収入別に比べたのが下図です。
全体では、前年に比べ▲0.3%減少していますが、収入の多い第Ⅳ階級と第Ⅴ階級は伸びているものの、他の3階級は減少し、特に第Ⅱ階級は▲2.1%の現象です。
住宅ローン返済額の前年比が5.9%ですので、家計の圧迫度合いも大きなものとなっています。

140420収入階層別五分位増減率

下記は2013年消費支出の年齢階級別金額と対前年の増減率です。平均は1.2%の実質増加です。年齢が高まるにつれ、増減率が上昇し60歳以上では2.7%の増加になっています。グラフは勤労世帯での数値ですので、60歳以上でも消費額は30歳代の方達に劣らない額を支出しているのが分かります。

140420年齢階層別消費支出

今後、収入が順調に伸びなければ、インフレと増税の負担で2012年、2013年に住宅ローンを使用して住宅を購入した方達の中で、返済に苦しむ方が増えると予測します。
返済に躓かないためにも、下記のようなキャッシュフロー表を作成し、完済のための対策をお作りください。

キャッシュフロー表サンプル

FP学会会員
独立系顧問料制ファイナンシャル・アドバイザー
オフィス マイ エフ・ピー 代表 吉野 充巨
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