コラム

 公開日: 2013-03-11  最終更新日: 2014-06-01

プライベートバンクとプライベートバンキングの違い、口座開設には100万ドル以上が必要です

先日、シンガポールのプライベートバンクの方とお話しする機会がありました。その際にえた情報と、その前後にお付き合いのあるFPの方達と面談した際に得た知識で、プライベートバンクやヘッジファンドについてシリーズとして紹介します。

(コラム作成の際の参考資料は、ウィキペディア、日本銀行金融研究所発表資料、日経新聞の記事、週刊ダイヤモンド記事、バートンビックス著「ヘッジホッグ」等)

実はプライベートバンク(Private Bank)とプライベートバンキング(Private Banking)は、似ていますが表すものが異なっています。
プライベートバンク(Private Bank)は、本来は「個人銀行家の銀行(プライベートバンカー)の銀行」の事で経営に無限責任を負う、プライベートバンカーが所有・経営する銀行をさします。
ちなみに、日本のメガバンクを始め多くの銀行は、有限責任である株主が所有し、その株主に委託された取締役が経営する株式会社です。

プライベートバンカーは、スイスの例では、スイス銀行業法で「少なくとも1名は無限責任を有するプライベートバンカーがパートナーとして経営に参画している銀行」がプライベートバンカーを名乗れるとされています。
また、スイスプライベートバンカー協会が「プライベートバンカー」という言葉を単数・複数を問わず、言語を問わず団体商標を登録しているため、プライベートバンカーを名乗るには、
スイスプライベートバンカー協会の会員資格を保有する、少なくとも1名は無限責任を有するプライベートバンカーがパートナーとして経営に参画している銀行
がプライベートバンクの定義になります。そして、この協会のメンバーは全て無限責任を負うパートナー制となっているため株主がおらず、資本的にも人的にも非常に独立性の高い組織形態になっています。

現在、スイスプライベートバンカー(ズ)協会の正式なメンバーを名乗る銀行は設立順に、
Wegelin & Co. Private Bankers(1741年設立)、Rahn & Bodmer(1750年設立)、Landolt & Cie(1780年設立)、Roche & Cie(1787年)、Lombard Odier Darier Hentsch & Cie(1796年設立)、Pictet & Cie(1805年設立)、Mirabaud & Cie(1819年設立)、Bordier & Cie(1844年設立)、Gonet & Cie(1845年設立)、Mourgue d'Algue & Cie(1869年設立)、E.Gutzwiller & Cie Banquiers.(1886年設立)、
Baumann & Cie(1920年設立)、Reichmuth & Co. Private(1995年設立)の13行です。

一方プライベートバンキング(サービス)とは、プライベートバンクで提供されるような高度な金融サービスの事で、富裕層を対象に総合的な資産管理を行うサービスです。
一般的には、資産の管理・運用への助言、税務や法律への助言、資産や事業の継承への助言、信託業務、遺言執行など様々なサービスを提供することで、それを業務としている銀行もプライベートバンクと呼びます。

富裕層を対象としていますが、各金融機関によって対象とする顧客の定義やマーケットが違い、それによって商品とサービスが違います。

シンガポールでは、MAS(The Monetary Authority of Singapore)が定める、accredited investor(金融資産がSGD<シンガポールドル>2,000,000ドル以上、または年収SGD300,000ドル以上)であることが顧客の目安に成っています。一定の最低預かり資産を設けている場合が多く、対象とする顧客に合わせて様々ですが、平均すると100万米ドル以上の銀行が多い様です。

この100万ドルというレベルは、富裕層を相手にしている銀行としては、バークリアーとしては低い金額と考えています。富裕層を対象としているヘッジファンドなどの、購入単位に相当している(友人から得た情報)などと合わせても、リーズナブルな金額と考えます。

日本での富裕層の定義は様々ですが、
2012年10月にクレディスイスが発表した資料では、100万ドル以上の純資産を有する富裕層は360万人で米国に続き世界第2位です。純資産5000万ドル以上を有する超富裕層(UHNW)は3,400人で世界第4位です。(現在は20%以上の円安になりましたので、人数も経ることが予想されます)

2012年11月22日に野村総合研究所から公表された資料では、
預貯金、株式、債券、投資信託、一時払い生命・年金保険などの純金融資産保有額(保有額から負債を差し引いた値)を5つの階層に分類して推計した、純金融資産1億円以上5億円未満の「富裕層」の富裕層は76万世帯、同5億円以上の「超富裕層」の世帯数5万世帯と推計されています。

一般的に海外の銀行への口座開設は1,000万円以上が基準とされていますが、この場合には、単なるプレミア口座(優遇サービスがつく)の開設で、プライベート銀行並みのサービスは期待できません。
もし、海外の銀行で口座を開設するのでしたら、プライベート銀行に100万USドル以上の金額を予定することをお薦めします。
1,000万円ですと、日本の銀行にとってもお得意様にはなれません。なお、野村総研の資料によれば、純金融資産5,000万円以上の純富裕層で、268.7万世帯と推計されています。

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文責
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