コラム

 公開日: 2013-02-18  最終更新日: 2014-07-31

金は、分散投資の効果が高い? インフレに強い? をデータで考察しています。

このところ、金に関わるニュースを見ることが多くなりました。

例えば、ウォールストリートジャーナルWEB版2月16日には、かの有名な投資家のジョージ・ソロす氏が、証券取引委員会に提出した書類で、金投資から約1億ドルを引きあげ、総投資金額を半減させた話や他のヘッジファンドも売却しているとのニュースが掲載されています。
そして、日経新聞でも、上記ヘッジファンドの行動の影響で、SPDRコールド・トラストの資産残高が減少したために、価格が低下したニュースが掲載されています。

このようなニュースが流れたり、証券会社では金積み立てのセミナー等も活発に開かれている影響からか、
私のセミナーや、資産運用のご相談の際に、多くのお客様から「金」はどうでしょうかと聞かれます。
そして、このコラムに掲載している「マーケット情報」の中でも、東京の金価格とニューヨーク先物価格を記載しています。
そこで、2009年のデータに2012年までの分を追加して、再度考えてみたいと思います。

金の販売を勧めている「売り手」の文言の中で、多く見られるのが
金は「価値が無くなることは無い」「現物資産なのでインフレに強い」「株との相関が無いので金を保有すると分散効果が得られる」について、データを検証しました。

本来であれば、有史以来の金の価格とインフレについて調べるべきですが、手元にある信頼できるデータとして、1980年以来の米国の消費者物価指数(世界のデータより)と、ロンドンの金価格(田中貴金属)使用しています。両社はインターネットで検索できます。

下記は、昨年2月29日から本年2月15日のNY金先物価格の動きと、NYダウ及びCRB指数を比べたものです。みてお分かりの通り、昨年11月までの動きは、NYダウの動きと軌跡が似ています。また、商品指数であるCRB指数の動きと相似の動きになっています。

130218NY金とNYダウ

という事は、株を保有している方に、株の動きと異なるので、分散の効果があるとは言えなくなります。勿論12月からの動きは株価上昇とは乖離した動きになっています。
この部分は、前述したヘッジファンドの動きの現れです。
分散投資の1資産として金を長期保有している方は別として、金の上昇に賭けている場合には、そろそろ離れる時期が来ていると思われます。

次の図は、東京の金価格に対し、TOPIXとCRB価格を比べたものです。こちらはTOPIXの上昇に合わせて上昇しています。ただ、この上昇は円安効果が大きく影響しています。この場合には、TOPIXを保有していれば、配当金の無い金を保有する意義は小さいものと言えます。

130218東京金価格とTOPIX

ところで、金をインフレ対策として長期保有されている方には、下記の図を提示します。この図は、1973年から2012年までの、ロンドンの金価格の推移です。図は、年間の高値と安値、及び平均値を現しています。長期低迷の期間が長いことが解ります。2000年代に入り、SPDRゴールド・トラストの様なETFが上場されて以来のことで、近々の減少でしか有りません。また、金の価格の動きとして、年度の高値・安値の差の大きさにも注目ください。

130218金価格推移

また、そこに、1979年の平均価格をベースに、1980年~2012年のインフレ率で積算した物、同様に1989年の平均値に1990年積算した物、1999年の平均値2000年からインフレ率を乗し、2012年までのものを付記しています。

1979年~数年の高値から下がり2013年までは値動きは小さく、インフレ率で乗した価格と平均値が超えるのは2008年です。また、1990年からのグラフが超えるのも2004年です。これらを見ると、インフレへの対応と言われているのは、2000年後半からの動きをさしているにすぎません。

130218金価格推移

私は、お客様に「金を保有する」意味は、本当にハイパーインフレや二桁のインフレ率が発生した場合のリスク対応と考え、資産の内些少な部分を割くようお勧めしています。
特に、ハイパーインフレが起きると思えば、購入する意義があると考えています。
その他に、「金を持っている」という心の安心感の為に購入下さい。

なお、ハイパーインフレの際には、生活費の足しにするための金ですから、小口での交換が前提となります。1ヶ月分の生活費のために金を売却するような事態を想定ください。
従って、コストは高くなる物の、金貨や100グラムバー迄の商品の購入が適していると考えています。

是非セミナー等に参加して金投資を勧められた方場合には、当該ポイントを確認しながら、売り手の話を聞いて下さい。

この記事を書いたプロ

オフィス マイ エフ・ピー [ホームページ]

ファイナンシャルプランナー 吉野充巨

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