コラム

 公開日: 2013-01-27  最終更新日: 2014-07-31

インフレ率2%の家計への影響。35年後の物価、給与、年金受給額等

アベノミクスの3つの柱の中で、デフレからの奪極として、日銀を巻き込んでインフレ率2%を目標にしています。それにより、円高から円安に為り1ドル90円を超え、株価も2ヶ月で日経平均1万900円を超える値上がりが続いています。世の中景気回復がかなえられるような雰囲気です。

その様な熱狂の中で、インフレ目標が達成された場合の家計へのインパクトを確認し、生活者としてどのように対応すれば四すかを考えてみました。

インフレ率がこの先長期間(例えば50年間)とします。現在30歳の方が、現在の制度で年金を受給する65歳の時の物価を考えます。
現在マクドナルドのコーヒーは100円です。今年から毎年2%ずつ物価が上がるとすると
来年は、102円、再来年は104円、次の年は106円・・・・10年目には122円になります。2割の上昇です。同じように20年目には149円、30年目に181円、年金開始の35年目では200円になっています。約2倍のコーヒーを飲むことになります。当然のことながら、コーヒーだけでなく、バス代等の交通費、お米や野菜、お肉等、そして被服等も上がります。(計算は0円未満四捨五入で表示)

この35年間の給与はどのようになるでしょうか。池田隼人首相の所得倍増計画から始まる高度経済成長期の様に給与がインフレ率を大きく超えて増加できるとは思えません。
何故ならば、当時は日本国内の競争だけで、日本そのものが新興国でしたが、今は先進国としてグローバルな経済競争の中で現在の新興国(35年後には先進国になる国も在ります)との競争に勝てなければなりません。

従い、日本の競争力を上げる=生産性が上がる産業を興すためのリストラクチャリングが欠かせません。その成長産業・企業に残れた方が倍増以上収入を得る事になります。落ちこぼれた場合には、給与水準の伸びはインフレ率よりも低いこともありえます。

また、受け取る年金の事を考えると、皆様ご存じのように、物価スライド制で物価の上昇よりも低い給付に為ります。年金給付の水準は、原則として毎年4月に改訂(スライド)されます。そして、平成16年10月からは、給付水準の調整方法として「マクロ経済スライド」が導入されています。現在の改定率は0.985ですが、物価上昇が2.0%の場合には、マイナス0.9%の減額が予定されますので、さ年金の伸びは1.1%となります。
もし、この計算で35年間続くとしますと、年金の給付額は来年は101円、再来年は102円、あ年目は103円、10年目は111円、不輪年目は124円、30年目は139円、35年目は147円になり、約73%のレベルに為ります。あと53円足しませんとマクドナルドのコーヒーが飲めなくなります。

H23無職高齢者世帯の収入と支出

図に示しますように、総務省統計局の家計調査によると平成23年の高齢夫婦無職世帯の1ヶ月の年金収入は206,988円です。これが、303,554円に増えるのですが、消費支出は235,211円が470,396円に増加しますから、差額の166,842円を、その他収入と貯蓄等で賄う事になります。

従いまして、毎月166,842円をどのよう蓄えるかがキーポイントになります。
対策は
1.現在の世帯収入を増やし、将来の年金が増えるようにすること。
2.公的な年金制度、例えば国民年金基金や確定拠出年金を活用する
3.自分年金としての資産形成を行う。
4.現在から将来を考えた家計の圧縮を行う。
などが考えられます。

ところで、不足する166,842円は現在の価値では幾らになるのでしょうか、それは、物価上昇が2%ですので、
166,842円÷{(1+0.02)35乗}で、83,429円です。
65歳からの余命を30年とした場合には
貯蓄等で目指す将来の目標額の現在価値は、83,429円×12×30年=30,034,440円です。

現在、手元資金が、この額を超えている方は、インフレ率2%に負けない運用率で足りる事になります。いうなれば、無理な運用をなさらずに堅実な運用でも将来は安定できることになります。

次回は、この運用を目指す際の、資産配分(アセットアロケーション)と金融商品について考えます。

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文責
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