コラム

 公開日: 2012-12-19  最終更新日: 2014-07-31

各国の比較をみると、社会保障について、低負担・高福祉サービスは成り立ちません。

前回は、所得の格差は大きいと感じる方の割合、格差解消の責任は政府にあると考える方、政府は貧しい人達への支援を減らすべきと考えている方等を紹介しました。今回も、平成24年版厚生労働白書から、失業に対する社会保障について紹介いたします。

白書では、各国の国民負担率を比べています。
★国民負担率とは、税負担率と社会保障負担率を合わせたものを云います。2012年の国民負担率は、39.9%で、対GDP(国内総生産)比は37.2%になっています。
OECD主要国は高齢化等に伴い国民負担率は概ね増加傾向にあります。グラフでわかるように、英国は45.8%、ドイツは53.2%、フランス(60.1%)、スウェーデンは62.5%にも成っています。各国の数値は2009年のものですので、それ以上になっていると思われます。
なお、アメリカは30.3%で日本よりも低い負担率になっています。

社会保障比較

良く、報道でヨーロッパ各国の年金や社会保障を引き合いに出して、日本の社会保障はテクすぎるという論調が有りますが、少なくともその様な意見に賛成する際には、消費税等の増税にも賛成しなければ、整合が取れません。社会保障は手厚く、税負担は軽くと云う議論は成り立たないのです。



なお、白書では日本の国民負担率はOECD32ヶ国中27位であるむねを下図で示しています。
一人当りGDPが最も高いルクセンブルクが、国民負担率も高いのが解ります。また、国民負担率の内訳では、デンマーク、アイスランド、ニュージーランド、オーストラリア、チリ、メキシコは社会保障費率が極めて小さく、税金でそれらを賄っている事が解ります。
なお、国民負担率が国民負担率が50%を超えている国が、OEDC加盟国の半分の16ヶ国あり、内9ヶ国は60%を超えています。これら高負担国と同様程度の負担を甘受するのであれば、2009年の国民負担率は38.3%ですから、あと約12%(内3%は既に決定されています)の消費税増額ができる事になります。

国民負担率OECD国比較
このように、他国と比較する際には、支出面(国民からはサービスを受ける面)だけでなく、収入面(国民が負担する額)を常に並べて議論することか必要かと考えます。
出なければ、国の借金が増えるだけに為り、将来それを負担するのは我々の子供や孫たちに為ります。

以上は2009年の姿ですが、日本は経済の縮小(デフレ)が続き税負担率が低下しています。
社会保障の充実(子供手当や高校の授業料等)と高齢化(年金受給者の増加)により、社会保障費は増加しています。この為、増加する費用を借金で賄っているのが現状です。

日本と海外の動き

あなたは「高負担・高福祉」、「中負担・中福祉」何れを選ばれますか。
私は、スウェーデンの様に、医療費は無料だけれども、歯医者に掛るのに予約後5ヶ月掛るような社会になってほしくありません(過去の伝聞証拠ですが、所得税が公立になるに従い高額所得者の医師たちは税負担を嫌い海外に移住したと、ニュース等で盛んに報道されていまし)。

私は、ほどほどの負担(中負担)で、ほどほどの福祉サービス(中福祉)で、あとは自助で行う社会が良いのではと考えています。現在の生活保護の不正受注、過剰医療問題、年金の未納などの解決で社会保障費の抑制が必要と考えています。

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