コラム

 公開日: 2012-05-15  最終更新日: 2014-06-18

公的介護保険の1号、2号被保険者の違い

介護保険の場合、被保険者と被扶養者の区別はありません。どなたも加入する必要があります。
保険者は 市町村と特別区で、被保険者の管理や保険料徴収を行います、そして、保険料収入や国からの負担金等を財源に、保険財政の適正な運用を図りながら、保険事故が発生した場合の保険給付をおこないます。

被保険者は、2つに分かれています。
第一号被保険者は、市区町村の区域内に住所を有する65さいいじょうのもので、要介護者と要支援者は給付を受けられます。ポイントは、保険者に申請して介護認定を受けなければ、給付はありません。

第2号被保険者は市区町村の区域内に住所を有する40歳以上65歳未満の公的医療保険加入者です。ただ、給付を受けられるのは、脳卒中などのように老化に伴って生じた要介護状態と末期がんによる要介護状態が対象になります。
40歳以上65歳未満の方は
加齢に伴う要介護状態が対象ですから、要介護状態で有っても、交通事故や労災事故などは対象になりません。
大多数の人は、第一号被保険者への給付を支える料金を支払うことになります。ここでも、現役の方達が高齢者のために負担する構図になっています。年金と類似した構造です。
これを放置すると、少子高齢の深化で、いずれ保険料の増加等で家計の負担が限界に達します。

ただし保険料は、第一号被保険者も負担しています。年金保険者による年金から天引きを行うほか、天引きが困難な場合は市町村が徴収します。なお、老齢年金だけでなく、遺族年金、障害年金からも天引きされます。それ以外の人は市区町村から届く納付所で納めます。なお、天引きの場合は、料金未納者が出ませんが、納付や徴収の場合には未納者が発生しています。

介護保険の未納が長くなりますと、各種のペナルティが発生します。(江東区HPより)

1年未満の場合、いったん介護サービスの費用を全額(10割)支払っていただきあとで申請して保険給付分(9割)が戻る支払い方法(償還払い)となります。
 たとえば、サービス費用が10万円だとすると、通常の自己負担は1割、1万円です
が、滞納しているといったん10万円を全額支払い、後で介護保険課の窓口で費用
の9割分(保険で給付される分)、9万円の払い戻しを受けることになります。

1年6ヶ月未満未納の場合、介護サービスの費用を全額(10割)支払っていただき、滞納している介護保険料が納付されるまで、申請しても保険給付(費用の9割)が支払われない(差し止め)ことになります。
 なお、引き続き滞納しているときは、差し止められている保険給付から滞納している
介護保険料に充てられることがあります。

2年以上未納しますと、納期から2年過ぎると時効になり、保険料を支払うことができません。2年以上滞納した場合は、介護保険料未納期間に応じて自己負担が1割から3割に引き上げられたり(介護給付が9割から7割に引き下げられる)、高額介護サービ
スが受けられなくなります。
 たとえば、老人ホームへ入所の場合、毎月の施設費が25万円だとすると、通常の
本人負担は1割、2万5千円ですが、この場合3割、7万5千円を支払わなければな
りません。

【吉野私見】このようなペナルティがあるのですから、全て年金から天引きし、年金額が少ない方の場合の措置は別途方法を設定することが良いと考えています。徴収コストも少なくて済み、コスト低減になります。導入時に懸念されたことが発生しているのですから、当時年金天引きに反対した方達及びメディアの罪は重いものと考えます。

第二号被保険者の保険料は医療保険料として徴収し、一括して納付します。

介護保険の自己負担を「利用者負担」と呼んでいます。保険給付の対象費用の原則1割です。施設を利用する場合は、居住費と食費は全額利用者負担になります。

このように被保険者が負担している保険料では、介護保険制度は支えられず、50%を公費が負担しています。(社会保険審議会H22年9月6日資料より)

前述したことから推察できますように、地域における2号被保険者の割合、その収入によって、市区町村の介護サービスの財政は大きく異なります。高齢者が少なく、現役世代の収入が多い地域と高齢化が進み年金受給者が多く、地域経済も停滞している地域では、財政とサービスインフラに差が出ます。もし、居住地を移動される場合には、これらも考慮した決定が必要と考えています。

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文責
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