コラム

 公開日: 2012-03-25  最終更新日: 2014-07-31

世界最大の年金ファンド(GPIF)のベンチマークと超過収益率について

前回はAIJ問題に関して、委託元である厚生年金基金の上部団体である、企業年金連合会の政策アセット・ミックスの内容をご紹介いたしました。
今回は世界最大の年金基金である、年金積立管理運用独立法人(GPIF)のアセットミックスとベンチマークと超過収益をご紹介します。(出所:データ、図表はGPIFの平成23年第三四半期運用状況より)

御存じの通り、GPIFは私たちの積み立てた年金を管理運用している団体です。このような組織の性格から、極めてリスクが低い堅実なポートフォリオで運用されています。ただ、収益率が低いため、効率的な運用や高い収益率を誇る、米国のカリフォルニア州公務員退職年金基金(カルパース)の様な運用スタイルを求められても居ます。

私は、現況デフレ下で個人資産の安定運用のモデルとして、そしてアセットアロケーションの事例としてお客様にご説明しています。より以上のリターンをお求めになる方には、企業年金のアセットミックスをモデルとして参考として頂いています。

まだ、23年度は終了していませんので、年間の収益率は出ていませんが、最新の情報として、第三四半期の実績が報告されています。

第三四半期の期間収益率は 0.58%
収益額は 6,187億円
運用資産残高は 108兆1,297億円です。

下記は、平成23年12月末の運用資産額及び資産構成です。

GPIF平成23年12月末資産残高構成

資産配分は、短期資産と国内債券を合わせると70.41%に為ります。リスク資産への配分が少ないことが解ります。

この場合、ベンチマークの収益率との差=超過収益率がどの程度なのかが報告されています。下記は平成23年度 第三四半期のもので、次は平成23年度 第一から第三四半期のものです。ベンチマークとは大きく離れないことが解ります。

GPIFH23第3Q超過収益

GPIFH23第1Q~#Q超過収益


なお、ベンチマークとしているものは、
国内債券が、野村ボンドパフォーマンス・インデックス、国内株式はTOPIX配当込、外国債券は、シティグループ世界国債インデックス(除く日本、ヘッジなし・円ベース)、シティグループ世界BIG債券インデックス(除く日本円、ヘッジなし・円ベース)、外国株式はMSCI KOKUSAI(円ベース、配当込、管理運用法人の配当課税要因考慮後)を採用しています。

このようなベンチマークに対してどの程度の超過収益が上がるのかが、ファンドとしての腕前(採用するファンドマネジャーを見極める目とリバランス等のタイミングなど)に為ります。
私たち、一般投資家への参考点は、大きな基金で運用コストが安いGPIFでも超過収益率は、とても低いものです。従って我々の資産形成として考える際にも、国内株式など夫々のアセットクラス期待リターンは低めにすることをお薦めします。

売り手が、高い期待リターンを説明する際には、「本当?」と疑って下さい。そして「リスクはどの程度なのか」を確認しましょう。リスクは100万円投資した場合に、2リスク(2標準偏差)で幾らぐらいの損失が発生するのかを確認しましょう。もし、売り手が100年に一度等の回答でしたら、購入はおやめ下さい。過去の実績では、10年に1回程度発生する可能性があります。(フラクタル掲載額では、標準偏差では測れないことが報告されています)

セミナーやご相談は根拠の明示と実証データでお話しています。
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文責
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宅地建物取引主任者
独立系顧問料制アドバイザー 吉 野 充 巨
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