コラム

 公開日: 2012-03-15  最終更新日: 2014-07-31

AIJ問題にみるレバレッジを掛けた運用の怖さ

連日、AIJの問題が報道されています。その中で、運用資金が1,500億円で有ったとの記事があり、当初2,200億円と称されていたものが、700億円も少なくなったことはそれだけ被害者が少なくなるので、同慶の至りです。

AIJは運用の失敗よりも、もともと運用していない資金が多かったように思われます。自転車操業の典型は、右から入ったお金が左に出ていくことで運用には回りません。

ところで、AIJは絶対利益を追求すると謳っていましたが、絶対に利益が出せるなら、資金集めは必要が無く、自身のお金を運用して大儲けするのが通常の心理です。人のお金を運用するニーズは無いと思われます。

運用方法は、先物の取引と報道されています。この手法は年金基金が年金の運用先として採用するには疑問が残ります。
何故ならば、レバレッジで運用する事が前提の取引だからです。証拠金を預けて、運用する事になりますから、数倍、数十倍のレバレッジが掛ります。

通常の運用を、効率的フロンティアを基にご説明致します。
皆様が保有しているポートフォリオがありますと、そのポートフォリオに含まれる資産の割合で、リターンとリスクが算定されます。




その一つ一つをリスクをx軸に、リターンをy軸でプロットします。
そのプロットの中から「同じリターンなら、より低いリスクを」「同じリスクなら、より高いリターンを」の組み合わせを選び、それらを結んだ線を効率的フロンティアと呼びます。

一方、y軸の線上に無リスクの安全資産で得られるリターンをプロットし、
この点から、効率的フロンティアに接戦を引いて得られた点を、接点ポートフォリオと言います。接点は、安全資産がゼロで、リスク資産が100%です。
通常の投資は、図で示すように、無リスクの点と接点の間で、ポートフォリオノ資産配分を決定するのが、有効とされています。

ただ、この接点での投資だけでは、リターンは限定的に為ります。それ以上のリターンを得たい場合には、元本に借入金を加えた運用で利益を狙う、これがレバレッジを掛けた運用です。ヘッジファンドの多くが、このレバレッジを用いた運用を行っています。

レバレッジを効かせた運用の、イメージをご紹介します。



100億円を投資すると±4億円の利益が見込める投資対象に100億円を投じます。
1.は通常の運用で、
100億円を集めてそれを投資します。結果4億円が儲かれば、利益率は4.0%になります。

2.下段の2は、10億円を集めて、それを担保に年利2%で100億円借りて運用するケースで
期待通りに利益が出ると、100億円を利子を付けて返済すれば4億円-利息2億円=2億円が残る。収益率は20%になります。高いリターンが得られましたと宣伝出来ます。

3.のケースはは100億円を借りて損失が4億円の場合です。利息を払って返済すると、2億円の利息に加え4億円の損失ですので、元本に対して6億円の損失。損失率は60%にもなります。

このような高いリスクがレバレッジを掛けた運用には付きまといます。

現在、日本の株式市場で行われている信用取引は3倍までですが、FXは一ケタ違う倍率で取引ができ、先物等も同様に倍率が高い取引です。

それらを踏まえて、損失が出ても、破綻しないで取引が続けられる額を設定の上お取り引きください。

毎月、資産運用・ライフプランのセミナーを開催しています。
http://www.officemyfp.com/seminerannai.htm

文責
ファイナンシャル・プランナー 日本FP協会認定CFP(R)
独立系顧問料制アドバイザー 吉 野 充 巨
http://www.officemyfp.com/komonryouseiadviser.html

『このコラム又は回答は、投資判断の参考となります情報の提供を目的としたものであり、有価証券の取引その他の取引の勧誘を目的としたものではありません。
投資による損益はすべてご相談者及び読者ご自身に帰属いたします。
投資にあたりましては正規の目論見書、説明書等をご覧いただいたうえで、読者ご自身での最終的なご判断をお願いいたします。
本コラムは、信頼できると判断した情報に基づき筆者が作成していますが、その情報の正確性若しくは信頼性について保証するものではありません。』


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ファイナンシャルプランナー 吉野充巨

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