コラム

 公開日: 2012-02-21  最終更新日: 2014-07-31

インフレに備えるための資産運用と収益率について



これまで、図に示しますような数式に基づいて、インフレへの対応について。述べてまいりました。インフレになった場合に、それを上回る収益率をももたらすものは何かの前に、資産運用で得られる、収益率について、考えてみました。

皆様は、ご自身の期待リターンをどの程度とお考えでしょうか。
1.0%でしょうか、それとも、5%、10%でしょうか。
実は、長期的に得られるリターンは、概ねGDPの伸びに連動いたします。何故ならばGDPは、国内で新たに生産されたモノやサービスの付加価値の合計額のことをいいます。
そして、この国内を世界または地球全体と考えれば、世界中の人々の収益は、GDPが伸びた金額になります。夫々の国や地域によってGDPの伸びは、まちまちで、ある地域はマイナス、ある地域はプラス、そして伸びている場合でも、中国と日本の成長率は異なります。

ただし、リターンとして得られるのは名目GDPからインフレ率を減じた、実質GDPの伸び率がリターンの源泉です。

では、世界全体のGDPの伸びはどの程度なのでしょう。
総務省統計局の統計データ国民経済計算の3-1世界の国内生産表によれば、
2005年の世界の名目GDPは457,215億USDドで、2009年は580,686億USDです。5年間で約27%成長しています。これを年率に直しますと、約5%の成長率です。

また、財団法人国際貿易投資研究所の公表データによれば、
1995年の世界のGDPは11,700,156Mドルで2010年は60,280,379Mドルですので25年間で415.2%の伸び率でした。約5倍になった計算です。25年間ですので年率にしますと約7%です。この増加した部分を世界中の人が分けるのです。

従い、一人当たりの成長率が個人のリターンです。総務省の統計データでは、ptek一人当たり名目GDPは1985年で、2,683USDで2009年は8,504USDです。24年間の伸び率は217.0%ですので、年率にして約3.4%でした。
グローバルな投資をした場合に、GDPを指数として、リターンを図ると、平均約3.4%のリターンが得られれば、インデックスに連動できたと捉える事ができます。

これをベースとして、超過収益をリターンとして考えるのですが、概ね5~6%程度が高リターンの目標値と為ります。
多くの投資家が参考とするチャールズ・エリス氏の「敗者のゲーム」には、米国でのインフレ調整後の超長期平均年間収益率は、株式で4.5%、債券は1.5%、財務省債券で1.25%としています。日本の場合、この20年はデフレ調整が必要になります。それを考慮すると0%の運用でも1.0~1.5%程度の実質収益率に相当していました。

また、私が私淑する山崎元氏も、投資のリターンプレミアムは5~6%程度と述べていますし、ストラテジストの広木隆氏も著書の「ストラテジストにさよならを」で日本株の超過リターンの目標を5%とされています。

私は、お客様に資産配分(アセットアロケーション)をすり合わせる際に、期待リターンを5%
未満に設定するよう、お客様に提案しています。コストを勘案すると、リスクコントロールの観点から、3.5%程度のリターンでも高い目標と考えています。

セミナーやご相談は根拠の明示と実証データでお話しています。

毎月、資産運用・ライフプランのセミナーを開催しています。
http://www.officemyfp.com/seminerannai.htm

文責
ファイナンシャル・プランナー
独立系顧問料制アドバイザー 吉 野 充 巨

『このコラム又は回答は、投資判断の参考となります情報の提供を目的としたものであり、有価証券の取引その他の取引の勧誘を目的としたものではありません。
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